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感想・レビュー・書評
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「中国は王道、米国は覇道を進み、日本は無道のために負けた」というフレーズにハッとした。
第二次大戦の敗因は2つ。
1. 支那事変を終結させる前に大東亜戦争へと戦線を拡大させてしまい、結果リソースの少ない日本は各個撃破的に自滅したこと。
2. 当時の首脳各国のリーダーにはスターリン、蒋介石、ヒトラーの様な優秀な指導者がいたが、日本にはいなかったこと。
兵器の発展、仏教思想から世界は1つ「八紘一宇」にまとまりその盟主の座を争うのが日本と米国であるという思想は当時を表しており、かつ戦後の日本の発展にも繋がっていると感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争に決勝戦という言葉を使用しているのにすごく違和感を感じた。
王道を目指すべきということに関して、覇道をめざしてしまって戦争に負けた。
予選で負けたんだろうな。 -
石原莞爾の論文。優れた研究家でもあったことがわかるが、とにかく長い。
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妄言だとか時代の産物というような単純なものではないと思われ。
自分が生活する国で、ほんの少し前、この人がどういう立場でどのように受け取られていたのか、真剣に考え目を凝らすこと。それが歴史を学ぶということであり、現在に生きる人間の未来への責任かと。 -
・1/8 読了.偶然とはいえ今年初めて読み終えたのがこの本とは.でもこれは現代の私たちにとってはSFというよりもこの人独自のファンタジーだと思う.世界統一っていうものがどういうものかは分からず仕舞いだけど.
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「釈尊が、正法を護ることは単なる理論の争いでは不可能であり、身を以て、武器を執って当たらねばならぬと説いているのは、人類の本性に徹した教えと言わねばならない。」
石原莞爾の戦争に対する考え、戦争史大観にはそれほど興味を惹かれなかった。フリードリヒ2世、ナポレオン、ヒトラーの戦争遂行方法に対する考察で占められている。
最終戦争論は、仏教の教えから算出した世界統一までの期間をもとに話が進む。八紘一宇の考えを展開し、最終的には日本の天皇とアメリカの大統領のどちらかが世界を征服するだろうと予言している。最初の一文は、まさにその通りであり、石原幹事以降のチェゲバラも似たような発言をしている。何かを変えたければ暴力が必要なのだ。だから、トロツキーは失脚したのだろう。
作中の中に、敵を十分に尊敬し敬意を持って堂々と戦わねければならない、と出てくる。それはまるで、昔の「やぁやぁ我こそは〜」に通ずる考えのように思われる。統治者に道徳は求められるか?石原莞爾ならきっと、求められると答えるだろう。