闇金ウシジマくん(17) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 闇金ウシジマくん17 2010

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「楽園くん」編

    中田広道(なかた ひろみち)
    本エピソードの債務者。原宿でファッション誌「デザート」の読者モデルを目指す青年。19歳。自らの姓をもじって「センターT」と名乗る。他人からの評価に流されやすく、打たれ弱い一面も持つ。服飾系の専門学校を中退し、ラブホテルでバイトしている。自身の空虚感から、ファッションで名を上げ街の「主人公」となり、読者モデルのカリスマ的存在「オサレ皇帝(エンペラー)」になることを夢見ている。
    ひょんなことから「オサレ皇帝」のG10に目を付けられ、ファッションに磨きをかけるためにG10や飯匙倩にそそのかされ、徐々に悪事に手を染めるようになる。
    危ない橋を渡りつつも、資金が充実したことで服を買い漁りオサレ皇帝の座を掴む。しかし自身の20歳の誕生パーティーを開催するころには、麻薬売買や読者モデルの女子を売り渡していることなどがネット上で噂されており、誕生パーティーには誰一人、集まらなかった。
    その後はG10のアドバイスによってセレクトショップの経営を決意するものの、G10に開設費を持ち逃げされ、与主である飯匙倩に殺されかけるが、キミノリ(と丑嶋)に救われる。
    最後はキミノリと将来の展望を語り合う場面で終わる。一見するとハッピーエンドに見えるが、実際にはパピコのタレコミによって覚醒剤売買で逮捕状が発行され、それが表に出ないよう飯匙倩に再度その身柄を押さえられたことが丑嶋と戌亥の会話にて判明しており、口封じとして飯匙倩に殺害された可能性が示唆されている。

    森田キミノリ(もりた キミノリ)
    中田とルームシェアで同居している青年。服のショップ店員。ファッションにのめり込む中田を冷ややかな目で見ているが、本心では友達として気にかけている。G10を「嘘くさい」との理由で嫌う。自分で料理をし、弁当を職場に持って行くなどの節約をしている。タレント養成の私立高校に通っていた際、目的(夢)のために多くの友人を裏切ってきた過去を後悔しており、ルームシェアしている中田を親友として大切にしている。中田の窮地を救うため、勤めるショップの裏帳簿を担保に丑嶋から金を借りる。
    最終的に中田と共に将来を語り合うシーンで出番を終えるが、実際には裏帳簿の持ち出しに憤慨したショップオーナーが差し向けたヤクザにさらわれたことが戌亥の口から明らかになっている。そのため、中田同様に直接的な明言は避けられているものの死亡している可能性がある。

    田川ジュンヤ(たがわ ジュンヤ)
    千葉から自転車で原宿に通う高校生。中田からは「田舎者」と呼ばれている。いじめに遭っており、クラスの連中を見返すために読者モデルを目指す。中学生に恐喝されたり、中田に10万円する自転車を盗まれたりと散々な目に遭うが、死んだ父親の保険金を元に整形手術をして美少年となり、次期「オサレ皇帝」となる。整形してからは自信の表れか、中田の前でも余裕ある態度を取る。整形前と比べて服選びのセンスも向上したようで、一時期は中田をも凌ぐ勢いを見せるものの、総合順位では3位となり、また自分の自転車を盗んだのが中田であることを知り、自分をいじめていた不良たちを金で引き連れ復讐をしようとするも、逆に中田のバックにつく飯匙倩に叩きのめされる。
    その後、不良たちに顔を傷つけられ、読者モデルとしてやっていくことに空しさを感じ、進路変更で進学塾に通おうとするも、資金は整形や服で散財したことで底をついており、母と争った挙句、金属バットで何度も殴打して半殺しにして消息を絶つ。
    パピコとも関係を持っており、中田にパピコを妊娠させたと嘘をついている。

    パピコ
    読者モデル。本名は不明。本業はカフェの店員。その美しい容姿とファッションセンスに読者モデルを目指していた中田が憧れていた女性。「DRAGON BALL」のキャラのモノマネが上手い。幼い頃から家庭内で母に誉められた記憶が無いせいか自尊心が低く、いい男に誘われると、なし崩し的に性交渉まで持ってしまう癖がある。中田とは仲良くなるが、その一方で田川とも関係を持ってしまい、それを知った中田により小野に売られ薬物中毒に陥る。後に警察に駆け込んで中田の名前を出し、彼の破滅の原因となる。

    G10(ゴト)
    ファッション誌「デザート」の読者モデルのカリスマ「オサレ皇帝」の一人。本名は「後藤」(フルネームは不明)。ハットにサングラス、長髪に頭の中央部分を刈り上げた「逆モヒカン」が特徴。他人を「U」と呼んだり、口癖に「ポーッ」と言ったりするなど独特の喋り方をする。「他人に嘘はつくが自分に嘘はつかない」がポリシー。オサレ皇帝を目指す中田に対してアドバイスを与えるも、その一方で様々な悪事へ加担させてゆく。
    「オサレ皇帝」と称され、強いオーラを発するため若者たちには崇敬の対象となる存在だが、その正体は悪質な犯罪者であり、中田を始め数人の若者にショップ経営の話を持ちかけ、借金させて得た金を騙し取るという詐欺を行っていた。中田たちから騙した金で愛人とカナダへ国外逃亡を計るも、飯匙倩の舎弟である青田にいち早く逃亡先を特定されたため、逃げきれず空港で飯匙倩に取り押さえられる。最期は飯匙倩に拷問の末に殺害され、死体を山中に埋められた。

    イッセイ
    「オサレ皇帝」の一人。本業は美容師。28歳。中田と初めて会った際は「ウザい」と嫌悪感を露にするが、彼がオサレ皇帝となってから再会した際には、若くしてオサレ皇帝になった彼に興味を持ったためか、「それは『ウザキャラ』として居場所を作ってやろうとしていた」などと語る。ファッションに関しては信念を持っている。大学生の「オサレ皇帝」である高橋とジュンには「おっさん」「説教くさい」などと陰口を叩かれている。

    キクチ
    「オサレ皇帝」の一人で、六本木にある高級クラブ「パラダイスギャラクシアン」の店長を務める。自らの店を「需要と供給のバランスをスムーズに取る潤滑油」と称する。中田曰く「キミノリに似ている」。

    高橋(たかはし)・ジュン
    共に「オサレ皇帝」で、大学生。「一生ニートでいたい」などと言い合うなど、軽薄な言動が目立つ。どちらもパピコと性的関係を持っており「妊娠したら腹パンチすればいい」と発言している。

    小野(おの)
    大手通販サイト「グータラ」の社長。キクチの店の常連。G10や中田を介して覚醒剤を手に入れたり、アイドルや読者モデルをはべらせていたが、キクチからは「学生時代虐められ、金を手にしてから遊びを覚えた人間」の典型例として扱いやすい人種と認識されている。
    「フリーエージェントくん」でも、天生翔に儲け話を持ち込む存在として名前だけ登場する。

    ノブ
    中田と同じラブホテルの従業員。就職氷河期世代で、これまでの人生でかなり苦労しており、強い安定志向を持つ。自らを警部、中田を巡査と呼び、ホテル業務を警察の捜査に例えるなどふざけている一面もあるが、仕事にはそれなりのポリシーを持って真面目にこなしており、当初は中田から敬意を持たれていたものの、ファミレスでガムシロップを盗むなど徐々に現れる貪欲さから軽蔑されていく。
    物語中盤でホテルを解雇され、路頭に迷い漫画喫茶で生活していたところ、中田に裏稼業の片棒を担がされるが、逆につけこんで金をせしめていた。しかし、彼が飯匙倩に拘束されたために再び路頭に迷い、最後はおにぎりを買う金にも困窮。手持ちの最後の金で包丁を購入し、老婆から金を脅し取ろうとしたところを現行犯逮捕された。


    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2009年第39号〜第45号、第47号〜第50号掲載作品。
    2010年2月3日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    楽園くん編13~23

    中田のラブホテルの先輩ノブ・・解雇されておかしくなっていくのが悲しい。

    結局、中田もキミノリもバットエンドか・・・友情は素晴らしい。
    しかし中田のそれまでの愚行が全てを終わらせた・・といった所か。
    キミノリは良い奴だったから生き残って欲しかったが・・・

    覚醒剤など薬物の販売、運搬などには絶対に関わってはいけない。
    また当然利用してもいけない。

    中田の借金も親からきっちり回収している丑嶋達。
    やはり人の道から外れた闇金の果てに丑嶋が死んで終わるのも当然やわな。
    加納も表の世界に戻ろうとしたものの拉致され拷問され死ぬが・・・やはり死んで当然か。
    因果応報という言葉の意味がしみる。


    印象に残った点

    服は手に入れれば手に入れる程、足らないものに気付かされる・・・
    欲しい・・
    もっともっと欲しい・・
    カードの限度額もパンク状態・・
    ああ・・金が欲しい。

    人の評価で心を満たそうとする人間は一瞬しか幸せにはなれない。

    金は金を呼ぶ。
    金は力のない者からすべて奪い尽くすものだよ。

    パッと見の視線が欲しくって服に金をつぎ込む俺。
    俺にとってファッションは存在を証明する自己表現。

    2023/10/09(月・祝)記述

著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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