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感想・レビュー・書評
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2021年募集の宇宙飛行士の選抜が2次に進んだというニュースを聞いて、興味を惹かれて読みました。
厳しい選抜を耐え、選ばれた10人。
それぞれ優秀なキャリアがあり、歩んだ人生も様々な人々がどの様に最終選抜に挑むのか。
最終選抜に残る優秀な人でも、躓くストレス環境。
NASAでつきつけられる宇宙飛行士の現実。
緊迫のドキュメンタリーでした。
結果は2022年時点で分かるのですが、敢えて記憶を封じて読みました。
今回の選抜はどんな人が選ばれるのか、楽しみになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宇宙空間という極限状況に送り込む人材を、どのように選抜するのか。漠然と大変厳しいのだろうとしか想像が及ばないところ。
本書は、2008年2月にJAXAが発表した宇宙飛行士の選抜試験の過程を、NHKが独占取材し、出版されたもの。著者もNHKの職員さんですね。語りも全体の構成もテレビ番組っぽい。そして面白い。
約1000人の書類審査から、10人の候補を選んで、2週間JAXAの施設にカンヅメにして、寝てる時間以外はほぼ何かしら試験の課題をやらせる。JAXA側の意図も鬼ですね、負荷で疲労困憊した状況でどんな判断、行動をするか見たいって。
さらに渡米させてNASAによる選抜試験も受けさせる。面接もするしパーティーでの言動も見るし、でNASAの意図も、面接のような緊張した状況だけでなく、リラックスした状況でも見ると。NASAの面接官が印象深い。
> 「候補者たちには 、NASAが自分と家族の人生をかけるべき場所かどうかを 、試験を通して逆に見極めてほしい 」と語っている点だ 。「私たちが候補者を面接するのと同時に 、候補者が私たちを面接して 、宇宙飛行士の仕事とは何なのか 、リスクは何か 、どんな見返りがあるのか 、そして宇宙飛行士としての人生とはどのようなものなのか 、それらを理解した上で 、それでもやりたい仕事なのかを考えてもらうことが重要なのです 」
1ヶ月後に結果発表。3人が選抜されて、その根拠となった決定打も取材されてて、はーーなるほどねーという。
JAXAが選抜試験において、面接において、何を見るのか、なぜそれを見るのか。2週間カンヅメにするところからして、大変な事前準備と情報統制もあったはず。一朝一夕に真似できるものではないけど、参考になる部分もあった。
ウェブエンジニアの2019年においては、そもそも、どうやって応募してもらうのかなんて状況なので、羨ましい限り。 -
民間企業において最も最難関な職業とは宇宙飛行士ではないだろうか。医者もパイロットも技術者もその先にある職業として「宇宙飛行士」が存在する。エリートの中のエリート。それをどのような方法で選抜し、そして何を大事にしているのか、この本にはそんな宇宙飛行士選抜試験の内容が記されている。
「宇宙兄弟」という漫画で兄のムッタが選抜試験を受けるが概ね、その内容と一緒である。この本には漫画の内容になった人物のモデルとエピソードが書かれている。「宇宙兄弟」が好きな人も楽しめると思う。
宇宙飛行士になるための「正しい資質(ライトスタッフ)」はなんなのか。
・ストレスに耐える力
・リーダーシップとフォロワーシップ
・チームを盛り上げるユーモア
・危機を乗り越える力
JAXAは上記4点を評価している。
ストレスに耐える力
極限にまでストレスを与え、その状態でもベストパフォーマンスが発揮できるかどうか。人間関係如きでストレスを感じるような人間はまず宇宙飛行士になれない。自分の小ささが嫌になった。この国は世界一、心が狭い民族の国なのだから、他人に好かれるわけがないのだから人間関係なんぞどうでもいい。
リーダーシップとフォロワーシップ
自分の得意分野ではリーダーシップを発揮し、フォローする立場になったら勇気を持って発言するのがフォロワーシップ。日本はリーダーシップに目をつけがちだが、実際に必要なのはフォロワーシップなのだと分かった。他人の実力をフルに発揮できるように振る舞う能力。宇宙に限らず、人生において最も大事な能力。ただし、リーダーシップとフォロワーシップは両輪でどちらかだけでは機能しないのも分かった。
チームを盛り上げるユーモア
このスキルは私が最も欠けているスキルかもしれない。これも鍛えていきたい。安易な女ネタや下ネタを使わないで、どのようにユーモアを身につけるのか。難しい。
危機を乗り越える力
実現不可能な課題を与えられても、最後まで冷静に諦めないで実行できるか。これも大事なスキル。諦める、捨てる決断も大事なのだ。極限ストレスでも危機を乗り越える能力。ピンチの時こそ人間は本質を表す。思えば、「火星の人」も「プロジェクトヘイルメアリー」の主人公も最後まで諦めない「ライトスタッフ」の持ち主だった。
この本には、人間の能力を正しく見抜くための指標が揃っている。ライトスタッフこそ、人類が目指す指標なのだと思った。大事なことを見失いそうになった時に読み返したい。 -
読み進めながら昔NHKスペシャルで見たのを思い出した。
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宇宙飛行士の資質に興味があり、読んだ。結局、人間性なのだということ。我が身を省みなければならない。
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宇宙兄弟が好きで読んでいました。
本書のタイトルを見たときどのような試験が行われたのか是非見てみたい。と思い手に取りました。
その道のプロフェッショナルが集まった宇宙飛行士選抜試験。想像を絶する精神状態の中に置かれるとどのような立ち居振る舞い、行動をするのかというところが興味深かったです。
本試験で宇宙飛行士となられたお三方がその後宇宙に行ったニュースを調べて何とも言えぬ感動に包まれました。
ともすると反対もされかねない宇宙開発事業。それらに真摯に取り組み、行動されている方々のドキュメントはとても面白かったです。自分も様々な覚悟を持って仕事に取り組まなければいけないなと思いました。