ソーシャルシフト これからの企業にとって一番大切なこと (日本経済新聞出版) [Kindle]

著者 :
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感想・レビュー・書評

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  • ソーシャルメディアが現在の企業にとって非常に重要なことは良く理解できるが、そのことと、企業自体がソーシャルメディア的な経営をすることとの関連性が良く理解できない。というか、その関係について言及されていない。本書の趣旨では、「企業自体がソーシャルメディア的な経営をすること」を非常に重要なことと位置づけているだけに、なんとも生煮えの感の残る本である。

    ただし、至る所に示唆深い文があったので、その抜粋を載せる。

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    企業は顧客からお金をいただくことで存続しているにもかかわらず、社員はいつの間にか給与額を決定する経営サイドに顔を向けるようになっていく。本来、組織は有能な人材の持つエネルギーと専門知識を有効活用するために生まれたにもかかわらず、時に合理的マネジメントスタイルが社員の持つ個性的で多様なパワーを封殺してきた。
    しかし、新しい時代が到来した。企業にとって都合の良い情報を発信し、顧客の購買行動をコントロールすること。権限管理と情報統制によって、社員の生産行動をコントロールすること。長く続いた統制志向のマネジメントスタイルは、顧客や社員が力を持たないことを前提とした時代のものであり、もはや通用しなくなりつつある。

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    マクレガーは著書の中で、権限行使と命令統制による経営手法をX理論として批判し、自律性を重んじるY理論に基づいた経営が望ましいと主張したが、現実社会の中では必ずしもY理論は万能ではなかった。現在、企業におけるマネジメントでは、X理論を基本におきながら、Y理論を組み合わせていくスタイルが一般的だ。しかしながら、ソーシャルメディアの浸透で社員が情報発信力や団結力を持つようになった。そのため、コントロール志向のマネジメントが難しくなり、Y理論しか通用しない局面が増えてきたのだ。

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    透明性の時代において、生活者に共感されるにはどうすれば良いのだろうか。最も重要なことは商いの原点にかえることだ。不誠実な言動や不毛な社内政治をやめ、社員、顧客、株主、地域の方々、生活者、そして世界にいかに貢献すべきか、自社の存在意義を見つめ直すことから始めるべきだろう。

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    1. サービスを通じて、お客様にWOW!を届けよう
    2. 専門性を磨き、オンリーワン・スペシャリストになろう
    3. 神はディテールに宿る。クオリティには徹底的にこだわろう
    4. 複雑に見えるものは、何か間違っている。シンプルさを追求しよう
    5. チームワークで、メンバーの長所の組
    6. オープンで正直な人間関係を構築しよう
    7. 素直さ、謙虚さ、感謝の気持ちを常に大切にしよう

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    ニーバーの祈り

    神よ、

    変えることのできるものについて、
    それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
    変えることのできないものについては、
    それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
    そして、
    変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
    識別する知恵を与えたまえ。

  • ブランドを顧客に浸透させるために、現代ではソーシャルネットワークの利用が不可欠である。そのためには、まず社員が起業の理念や使命、価値観に共感することが必要。そうすれば、社員は自律的に動き始め、その情熱が他の社員や顧客に伝播していく。

  • 商品のコモディティ化により、モノではなくサービスの付加価値が重要になっている。
    ⇒ソーシャル活用
     生活者と同じ目線で会話して、初めて彼らと信頼関係が築かれる。
     一時的に会社の利益に反しても長期的に見て顧客の信頼を得る。「アドボカシーマーケティング」
     O2Oで信頼獲得、顧客との密接な関係・・。
     社内のHEROとオープンリーダーにチャンスを与え、主役にしていく。
    今こそマインドセットを変えるべきタイミング。

  • Kindle版が出たので購入。今の時代、ソーシャル抜きのビジネスはあり得ないことがよーくわかる本。

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著者プロフィール

さいとう・とおる
1958年生まれ。1982年西武百貨店入社。
流通産業研究所、パルコを経て
1997年大手広告会社入社。
現在、研究部門で生活者・トレンド研究、消費・流通などの
分析を行っている。
著書『吉祥寺が『いま一番住みたい街』になった理由』、
編著書『超高齢社会マーケティング』ほか。

「2017年 『ショッピングモールの社会史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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