本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (216ページ)
感想・レビュー・書評
-
「手話ということば もう一つの日本の言語 (PHP新書) /米川 明彦 著」を読みました。
本書では、手話にはろう者の権利獲得と口話法との対立など多くの歴史があることが分かります。
過去の手話には誤った認識があり、論理的であったり概念を表すことができないなどと理解された時代があることが本書で示されています。この認識は、今日では甚だ誤った認識であることは確かで、手話には文法があり、多様な表現が可能であることは証明されています。ろう教育において、長らく口話法が重要視され手話が排除された歴史が説明されています。
口話法は読話・発語能力を学習する必要があるため修得は簡単ではありません。ろう者にとって負担が多い話法といえると思います。また、あくまで聴者として都合のよい話法であることが理解できます。当然のことながら、手話は聴者とろう者がコミュニケーションをとるための言語ではなく、ろう者にとっての言語であるという認識をあらたにしました。そのため、聴者の立場から、ろう者の言葉を聞くためにはやはり手話を勉強する必要があるということを考えました。
本書において、ろう者の権利獲得の道が半ばであることが理解できます。ろう者にとってもう一つの日本語である手話が日本において公用語となっていない現状があり、そのことが公共におけるろう者の不利益につながっている現状があると理解しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示