新規事業・成功の<教科書>―200社以上に命を吹き込んだプロ中のプロが教える [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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  • 新規事業は誰がやるべきなのか?どうやるべきなのか?
    事業開発という組織は本来どこまでを担うべきなのか?
    といったことを著者の実体験から経験則的に語った法則集。

    社内公募での新規事業はうまくいかない。
    なぜなら新規事業の目的が曖昧なまま自由に解釈された玉石混交のアイディア大会において
    選ぶ基準がそもそもないから。そうすると結果が残らず、また新規事業に失敗することでキャリアが傷つくことを嫌がる人も増え、徐々に制度は形骸化に向かう。

    アイディアではなく、ビジネスのスキームまで落とし込まなければ形にならない。
    必ずしも新鮮、新規である必要はない。
    あれもこれも詰め込むと結果失敗する。
    自社立ち上げと買収は一長一短、買収の最大の壁は企業文化の違いをどう乗り越えるか。

    企業人が嫌がる新規事業を企業内で成功させるためには
    その嫌な要素に対してすべからくセーフティネットが必要。
    予算、評価、人員などが直接的に傷つかないために敢えて会社から切り出すなどの対処が必要。


    読んでいて確かに、実体験が元になっているためか企業が直面する課題は遍く書かれている印象だったが、
    結果これらの取り組みをやってどの程度の新規事業が成功〈何を持って成功とするかだが〉したのかは気になる。
    ベンチャーとしての独立した新規事業と、大手企業の中での新規事業ではそれぞれ内容は大きく違う難しさがあると思っている。
    イントレプレナーの場合はお金や人はたくさんあっても、乗り越えなければならないイノベーションのジレンマは山程あるので
    結果として掛けなければならないコストが大きくなりすぎたり、思うようなスピードが出せないことはよくある。
    教科書的に対応して解決できることも幾つかはあるだろうが、それらは実は成功する要因のコアではないと私は思う。

    結局はその事業の成功を熱狂的に支援し実行できるリーダーシップが存在すること。
    情緒的な表現で言うと「魂を込めてやりきれる奴」がいるかどうかに掛かっている。
    本著の内容はそれはそれで参考にすべきだが、ここに書かれていることだけでは決して成功にはたどり着かない。

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