ローマ法王の休日 [DVD]

監督 : ナンニ・モレッティ 
出演 : ミシェル・ピッコリ  イエルジー・スチュエル  レナート・スカルパ  ナンニ・モレッティ  マルゲリータ・ブイ 
  • Happinet(SB)(D)
2.58
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  • (76)
  • (30)
本棚登録 : 459
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953042902

感想・レビュー・書評

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  • 最初はどの作品でも特典映像から観ています。大まかな作品の印象を掴んでからの方が、個人的に楽しめるからです。
    こちらの映画はイタリア映画だけあって、特典は全編イタリア語でした。字幕はないので、なんかヒゲのおじさんが叫んでいるぞ?! あまりのインパクトに驚きました。見続けて分かったのですがそのヒゲの方、監督でした。演技指導だったのでしょうね。

    イタリア語を独学ですが学んでいるため、所々で知っているぞという単語は出てきますが意味は分からず。吹き替えを入れろとは言いませんが、字幕は入れて欲しかったです。
    日本の特典はとにもかくにも演者がわちゃわちゃしている映像が多いように思えますが、これはとにかく演技指導がメインで、本編にはあまりなかったピリピリとした空気を纏っているように見えます。本編はピリッとした空気はあまりありません。

    本編は大役を務めたくないがために逃げ出したはずが、色々な物事に触れ、沢山の言葉を聞き、自分の中でなぜなのかという答えを導き出す逃避行劇というのでしょうか。重たくないのでさらりと見られますし、ちょっと煮詰まってしまった時、なにか自分の中にある感情を整理したいときに見ています。
    不思議と見終わると、視点を変えて物事を考える余裕が出てきますので。
    あとは、イタリア語を耳に慣らすことが出来るので何度も観ています。
    ラストシーンは賛否があるようですが、自分で好きに考えれば良いのでは? なんでもかんでも答えが見える形で転がっている訳がないのですし、すべての答えを出す必要もないと思います。
    「じゃ、仕方ないねー」ということにはならないのは作中でも描かれています。まあ、昨今のバチカンをみていて、コンクラーベが行われそうな気がしなくもないけど。
    低い評価が多いのが残念ですが、バチカンも面白い作品だと言っていただけあって個人的には楽しめました。

  •  コンクラーベで決まったローマ法王はその責任に耐えかねて篭ってしまう。他の司教や治療の為にやってきた精神科医は右往左往。やがて法王はこっそり外に出ていき。。。

     これはコメディというより相当にパンチの効いた皮肉の映画だと思う。確かに笑えるがドタバタコメディみたいなものではない。
     教会という権威も精神分析という権威もこきおろされる。市井に出た法王がその中で何かを見つけ、法王を待つ間に自由に過ごす司教や精神科医達が生き生きしてくる描写が象徴的だ。
     法王の人間宣言からの驚きのラストはこのこきおろしから考えると必然に思える。本当にパンチの効いた映画だ。 

      ナンニ・モレッティは「息子の部屋」でも精神科医役を自らやってたけど、何か意味があるのだろうか?

  • 映画館で観ました。
    この映画、ラストについて「意外」という感想もあるかもしれませんが、このストーリー展開でしたらむしろ当然の帰結のように感じます。

    さて、パンフレットで精神科医(名越氏)が次のようなことを言っています。
    -----
    ここで着目すべきは、「迷える子羊の導き手」であるはずの「枢機卿仲間」が彼の相談相手になりえなかったことであり、またそれ以上に彼が「不安を受け止めてくれる最大の理解者」であるべき<神>に「祈らない」という点です。
    <略>
    登場人物は、すぐそばで会話をかわしますがそのやり取りは空虚で、そこに「心の対話=繋がり」を感じさせるシーンが不在なのです。
    -----
    確かにこの映画では、ほとんどの会話が一方通行です。それが現代社会への風刺なのかは分かりませんが、映画はそれを解決せず、不安と混乱した状態のままバッサリと幕を下ろします。

    ところで、当映画の監督がカンヌ映画祭で審査委員長を務めたとき「映画作家たちはその登場人物よりも様式を愛しているようだった」と評したそうです。そう言うだけあって、確かにこの映画では監督からの登場人物(人)への愛は強く、主人公はもちろん他の枢機卿たちにも冷たい目線でなく愛情をもって描かれているように感じます。

  • レビューで散々書かれてたけど、このタイトルからコメディを想像してた。内容はいろんな皮肉がたくさん詰まった映画になっていて、あとから考えれば考えるほど面白いシリアスな映画だと思った。神とはこんなものだし、人間とはこんなものだけど、あなたは何を信じる?とでも問いかけてるのかな。セリフのある役で一番普通だったのは、セラピストの子どもたちかも。

  • どたばたコメディかと思って観ていたので結末にすこし驚いた。都合のいい物語を作り上げるなよ、現実をみろ、とナンニ・モレッティに冷や水を浴びせかけられた感じ。しかしこれもコメディライクな映画でやられたので、今までに味わったことのない変な後味が残った。それだけでも、観てよかった。
    ストーリーはさておき、ミシェル・ピコリが法王を演じているのと、枢機卿たちがバレーの試合をする場面、最高だった。

  • 大きすぎるプレッシャーから生まれてしまう憂鬱。

    まず、私にはこの方向の宗教に対する知識がなくて、コンクラーヴェも根比べ?と空耳してしまうほど(ごめんなさい。笑)

    あまりにも大きいプレッシャーに押しつぶされてしまうと人の心は壊れてしまうし、鬱にもなってしまう。
    休んだほうがいいよ。
    休日が必要なのはどんな人も一緒だしなぁ。

    なりたいと思う人もなりたくないと思う人もいるから適材適所であるべきだし、向いてないところにいたら病んでしまうよなぁ。

    休みが必要になったらちゃんと休もう。
    逃げられるときは逃げよう。

    途中のバレーボール大会は頭がついていかなくて面白かった。

  • 周囲の期待に押しつぶされる人間という、とても共感できるテーマだった
    ただ最後の終わり方は賛否があるところだろう。

  • 早稲田松竹にて視聴。

    去年から観たいと思っていた作品でしたが、観る前と見終わった後でだいぶ印象が違いました。
    観る前は、ザ・コメディ!な内容なのかと思っていましたが、実際は少しのユーモアと風刺的な内容で、思っていた以上に重い内容だと思いました。
    法王という重圧に堪え兼ねたメルヴィルに対して、枢機卿と関係者たちは全然気持ちを分かってあげていないですし、また、枢機卿たちが意外と煩悩が多く(高精神安定剤を飲んだり、タバコを吸ったり・・・)、これは一種の風刺なのかと思いました。
    ラストも予想とは違う終わり方で、でもメルヴィルの心情を考えたら妥当な結果なのかな、と思いました。
    ところどころ、クスリと笑ってしまう部分もあり、また、枢機卿やメルヴィルの表情や行動が結構可愛くて、面白かったです。

  • ローマ法王を決めるコンクラーべ。108名の枢機卿の中から選ばれるのだが、神の意思と共に選ばれるため、選ばれる事はとても名誉な事であり、そして重責を背負わされる。選ばれた新法王はその重責に耐え兼ねて逃げ出してしまった。
    ノホホンとした映画で出てくる人は皆良い人ばかりなんだけど、法王も人間なんだよね…。

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