自爆テロリストの正体(新潮新書) [Kindle]

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  • 「これから、テロリストが誕生するメカニズムを探る旅に出よう」
    「テロリストたちが決して、特異な人間ではないことが見えてくるだろう」

    キリスト教とイスラム教、原理主義・・・私たち日本人からすれば理解が難しい宗教観。
    世界各地で起きる自爆テロは、何がそこまでさせるのか、いつも不思議に思うが宗教のことは
    分からないし、どうせ貧困にあえぐ人がたぶらかされて、こういうやり方で死ぬように仕向けられる
    のだろうと思っていましたが、本書は、一般に考えられがちなこのようなイメージを新聞記者ならではの
    アプローチで取材を重ね、払拭します。

    運よくこの著者(記者)と食事の席でお話しする機会があった時に、私は浅はかな思い込みで、貧困が
    テロリストを生むのでは?とお聞きしたことがありますが、答えは意外にも身近にあふれている
    問題であることを教えていただきました。差別だったり、人間の弱さだったり。そのことをもっと深く知ることができると思い本書を読むことにしましたが、それによって特異な人間がテロリストになるのではないことを知ることができました。誰もが陥る可能性があることも指摘されております。

    本書で指摘されているように、問題が宗教に関係することではなく人間に関することであるならば、テロの根絶という大義のもとの戦争などは全く解決策になっておらず、むしろ余計に問題を大きくしているだけであることは明らか。もっと身近にある問題に目を向けることの方が実は大切で、それがテロリストの根絶、ひいてはテロの根絶につながるのではないかと考えられます。個人の力では戦争を止めることはなかなかできませんが、人間関係をよいように築く努力は誰にだってできます。

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著者プロフィール

国末憲人(くにすえ・のりと)
朝日新聞ヨーロッパ総局長。1963年岡山県生まれ。1985年大阪大学卒。1987年パリ第2大学新聞研究所を中退し、朝日新聞社に入社。パリ支局員、パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長などを経て現職。著書に『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(以上、草思社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(以上、新潮社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『ポピュリズムと欧州動乱』(講談社)などがある。

「2019年 『テロリストの誕生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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