愛、アムール [DVD]

監督 : ミヒャエル・ハネケ 
出演 : ジャン=ルイ・トランティニャン  エマニュエル・リヴァ  イザベル・ユペール 
  • 角川書店
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111244734

感想・レビュー・書評

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  • 人生の終焉を前に失われていく妻の記憶と、病により不安定になる精神・・・夫の不器用ではあるが献身的な介護に進んで身を委ねる妻。二人ぼっちの世界。

    老いは、二人の関係をとことん孤独においやる。
    二人で居ても、夫は妻がどんどんと沖合に流されて行く様な心の距離感を感じていた様に感じる。

    介護の現状・・・特に一人でアルツハイマー患者を付きっきりで看るのは、さも離れ小島に漂流しているように孤独だ。
    こういう時、介護に関わらない人間のアドバイス(本編では娘)は、たいがい現状に即さない理想論に聞こえる。もうこの時点で介護者たる夫は絶望している。

    一見、夫婦の愛を貫いた風に捉えられがちだが、最後のラストはどうみても穏やかではなかった。残酷な現実を(見事に)描いたなという印象。
    愛って素晴らしいだけではない。そんな単純なものではない。憎しみや怒り、辛さも相俟っているのだと。

    残された夫の行動は客観性を求めない・・そう、自己の思う愛の形だ。
    最期まで妻を「女性」として存在させたかったのかな?
    ・・・だとすると夫は年齢からは到底考えられないほどに若い感性を秘めた人物だ。そして、夫に負担をかけるのを承知で病院送りを拒み続けた妻もまた、同じ感性を秘めていると思う。
    妻は・・・なんとなくだが、愛する人に身を委ねたいと、、
    夫になら何をされても許せると、、いう信念があった様な。
    その事からすれば夫は妻の要望に忠実だったわけだ。

    序盤は理想的な愛の姿から、最後は現実的な愛の姿に。

    どこか残酷な現実に打ちのめされる作品。

  • 最後は、では私なら?と自分に問うても答えることが出来ません。
    とても丁寧に描かれていた夫婦と老いを、静かな気持ちで見ていました。

  • くるしい。
    けれど、あの部屋の中のくるしさすべてが2人のすべてなのだとおもう。
    こんなに心の襞と襞のあいだをつつかれるなんて。細い針で、細かく、長く、ひそやかにつつかれるから、心がひどく疲れる。美しすぎて疲れる。すごい監督。

  • 予想はしていたけれども、こんなにヘビーな物語とは。これを演じた役者の人たちはすごすぎる。「明日は我が身」なのに、それをここまで演じきってしまって大丈夫なんだろうか。普通だったら心が折れてしまうだろうし、本当にぶっ倒れてもしょうがない。もちろん、それを見せられる観客もほんとうに精神力を要求されます。
    こんな作品を撮ったミヒャエル・ハネケはまさに鬼だと思いました。
    でも、これは50代以上の人はみんな見に行ったほうがいいですよ。愛の物語です。

  • 言わなくていいことはあんまり言わない映画だ。
    あのテンポでほぼ全編室内の二人の演技だけであれだけの物語を伝える力はすごいと思った。他人事と思えないし。

    それでもあれを至高の愛と呼びたくは無い。

  • 字幕: 丸山垂穂

  • 冒頭からいきなり非常につらくてね、先のことを考えるだけでもうつらくて脱落しそうになっていたんですけれど、途中も十分つらいんですけれども、それでも観て良かったと思いましたね。
    二人に愛があるからとてもつらく、幸せで、壮絶で、どうしようもない

  • 衝撃!病気を患った妻を甲斐甲斐しく看護する夫。優しく愛に溢れた夫の姿...。その甲斐も無く妻の病状は悪化...。そして...。衝撃に涙溢れました。ミヒャエル・ハネケ監督恐るべし。

  • 無口な映画である。また緊迫感も計りない。ただ、尊厳というと西洋ではなぜいつもあのラストなのだろうか、と思う。

  • ただひたすら、病により肢体が不自由となり、意識が混濁していく老夫婦の妻と、それを支える夫を描いていく。愛とは自らの記憶の中にあるのかなぁ、と思いました。しかし、この映画がパルムドールとは、あらゆるテーマや手法が飽和した、あるいは、定型的な「芸術」の概念に縛られたヨーロッパ映画の行き詰まりが見えるなぁ、とも。

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