君と彼女と彼女の恋。初回限定版

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  • Amazon.co.jp ・ゲーム
  • / ISBN・EAN: 4529790600260

感想・レビュー・書評

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  • 奇抜さあふれる挑戦作。
    このゲームで主張されるテーマを形にするための演出であったりつくりであったりシステムであったりは凄かったし文句なし。


    攻略済みヒロインがいる中でその娘を裏切って他ヒロインを攻略したらどうなるかという話。選択肢を選びヒロインの高感度を上げそのヒロインを攻略し、その後セーブ&ロードを駆使して全キャラ攻略をするのがふつうというゲームに疑問を投げかけた作品。テーマ自体はとても興味深いものだった。そしてそのテーマのための演出であったりシステムであったりは色々な手法をつかったり凄いものもあったりと文句なし。ただそういった部分を抜きにして物語そのものを楽しめたかと考えると個人的にはそこそこという印象。メタ要素が多いということもあり物語にはまりこむ、世界観に浸るというよりは作者のメッセージを考えさせられる作品かなという感じだった。

    プレイ後にこのタイトルはよく考えられているなと感じた。




    物語に関してもう少し。最初はアオイ√やりたいなぁと思って進めていたのにやたらみゆき√に進めといってくるし、それでも選ばないとそこで話が終わってしまう。みゆき√を終わらせてやっとアオイ√に進んだら、それにたいして「永遠を誓ったよね?」とか言われる。そんなこと言われてもあなたを選ばないと物語が先に進まないんですが…とか思いながらやっていた。あとはヒロインの魅力よりも異常性を強く感じてしまったため、最後の選択は消去法的に考えた。加えて片方のヒロインが「私は消えてもいい」とかいってるしそれなら別にいいかなと思って物語の整合性を重視して選択した。だからいろいろ言われる最後の選択肢でもあんまり悩まなかった。
    話の構造的に全体の流れはしょうがないし長さ的にもこのくらいがちょうどいいとは思うけどそれでももう少しヒロインの魅力を感じれたらよかったなぁというのが物語に対する正直な感想。

    それでも着手したテーマは興味深いと思うし話自体もまとまってはいたと思う。そして演出は物語に沿った衝撃的なものもあればちょっとした細かいところに配慮したものもあり文句なくよかった。その辺からこの作品はおもしろいというより「凄い」という印象が強い。

  • 日々手を変え品を変え、様々なジャンルや新しい形式が増えている美少女ゲーム。

    本作品も今までにない斬新なスタイルのゲームではありますが、本質的には“プレイヤーがヒロインと恋をする”という美少女ゲーム本来の姿を突き詰めた作品になっていると思います。

    本作品では、プレイヤーの身代わりであるはずの主人公とは別に、プレイヤー自身も物語の登場人物の一人です。
    普段何気なくプレイしているゲームの、“ウィンドウ越しに居る自分”を意識させられる仕様となっており、それはゲームの箱を開けた時から始まっています。このような細部に至る演出が本当に素晴らしいです。

    大がかりな演出も大変良くできていて、まさに現実と虚構の狭間を行き来しているよう。
    ここまでプレイヤーを巻き込んでくれるゲームは初めてで、驚きの連続でした。

    『君と彼女と彼女の恋。』というゲーム自体は、アオイの言っていた通り元々は美雪と主人公の恋の為のゲームなのでしょう。
    話の筋で考えれば、最後は美雪を選ぶのが自然のように感じます。
    しかし、そこにプレイヤーの感情が入ることで、それでもアオイを選びたいと思う人も当然出てきます。

    当たり前ですが、この選択はプレイヤー個々の感情や価値観で左右される事をふと意識させられ、面白く感じました。

    私は最終的に美雪を選びました。

    その一番の原因は、ランダムで設定されているという美雪の性格。
    それを知らされた時は思わず唸り、3の30乗の中から選ばれたらしい私のゲームの美雪に愛着が沸きました。
    完全に製作陣の思う壺な気がしますが、やられましたw

    美雪の口から語られる、美少女ゲームのヒロインという悲しく虚しい存在。そんな存在だけど生身の人間に熱烈に恋をしている彼女。
    彼女が大切にしていた“数”の意味を知って思わず胸がきゅーっとなりました。
    現実の私にとっては、ただの差分であり気まぐれだったその選択が、虚構の中で生きる彼女にとっては大切な事実であったことに、そりゃそうだなと納得してしまい、何だか申し訳なくなりました。

    彼女から向けられる“永遠の愛”と、やっぱり所詮はゲームとしてしか観れない自分との温度差に、罪悪感と愛しさを覚えずにはいられませんでした。

    美雪を選んだことであっけなく消えてしまったアオイの面影が見える場面ではとても切ない気持ちになりますが、やはり私には美雪しか選べません。

    色々と荒削りに感じる部分もありますが、こんな気持ちにさせられるゲームは初めてで貴重な体験が出来たと思います。

    ・シナリオ:★★★☆☆
    ・雰囲気:★★★☆☆
    ・キャラクター:★★★★☆
    ・音楽:★★★★☆
    ・演出:★★★★★

  •  一周目終わりました。切ないです。アオイを観ているとなぜだか胸が締め付けられるようです。美雪ルート?だったようですが、途中でアオイが本当に消えてしまったのが、美雪と結ばれて幸せそうにしている主人公の気持ちとは裏腹に哀しかったです。
     4周目でやっとアオイルートに…SAN値をごっそりもってかれました。未だに衝撃から立ち直れていません。いつまでか解りませんが、引きずりそうです。ようやくアオイルートに入れたと思ったのに、アオイが居なくなるんじゃないか、消えてしまうんじゃないかと言う不安な気持ちに胸を締め付けられながら読み進め、やっと主人公がアオイと結ばれ、ただ、その一方で美雪がどうなるの気がかりでもありました。その美雪が最後に…あんな、あんな。。。途中、春ちゃんに驚かされましたが、ラストに全部持っていかれました。
     二者択一を甘く見てはなりません!!
     そして、薬漬け監禁状態での無限ループに…
     無限ループを抜けだしたら名状しがたいバーrのような…またしても無限ループに…このまま美雪に洗脳されてしまうかもしれません。

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