火星の砂 [Kindle]

  • 早川書房
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  • SF作家が火星への一般観光旅行の開始に先立ち、PRのため試験宇宙船に乗りこみレポートする。時代設定は1995年あたり。火星は植民が始まっていたがいまだ発展途上。最初は観察者としてだったが、次第に火星を自立した星にしようとしている火星入植者たちの熱い思いを感じ始める。

    ドーム内の町で暮らす人々や酸素の問題など映画の「トータル・リコール」の世界を思い浮かべてしまった。

    主人公のSF作家は1973,4年に「火星の砂塵」というSFを書きその道では知られている。クラーク自身を投影して、SF小説や宇宙進出への考えを語らせている気がする。

    ウエルズの「タイムマシン」は百年前の小説だが未だに読み継がれ、私の「火星の砂塵」も現実が小説を追いこしても、まだ読者はいるんですよと作家は述べるが、宇宙船の船長はこの宇宙時代にあっていまや(SFは)幻想小説やおとぎ話のようなもので「ウェルズが書いたのは文学なんです」という。

    時代設定はすでに25年も前のことで、まあ事実は本とは違う展開になっているが、クラークには珍しく主人公の恋愛や親子の感情なども書き込んだ。がこれは吉か凶か? これがあるとSFの雄大な宇宙ではなく、昼メロ的な雰囲気も流れてしまったような気もするがスパイスにはなっている。

    なんと後半で火星人が登場。



    1951発表
    1978.7.31発行 1978.7.15第3刷 図書館

  • 前半は地球から火星への旅の描写で、宇宙空間での移動をリアルに描く。そして後半は、すでにコロニーが出来上がっている火星での物語となる。最後の方まであまり大きな展開がなく、正直なところ退屈さえ感じてしまう。盛り上がるのは最後の方だ。火星の衛星のフォボスをあんな風にしちゃうのかと驚く。“暁計画”と呼ばれる地球には内緒のプロジェクトが進行し、火星の将来を変えていく。今となってはストレートな結末のように思えるが、本作品は人類が月に行くずっと前に書かれたもの。その時代に、火星についてここまで想像できていることに驚いた。

  • 火星の砂 時代を感じるが、全編に渡って続きを読みたくなる面白さがある。最近読んだクラーク作品が、なんとなく楽観的すぎるように感じるのはこちらの歳のせい?

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