あの頃映画 松竹DVDコレクション 「早春」

監督 : 小津安二郎 
出演 : 池部良  淡島千景  岸恵子  高橋貞二  笠智衆  山村聰 
  • 松竹
3.60
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感想 : 1
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  • / ISBN・EAN: 4988105066694

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  • 人生は虚無だ。
    滑るように嘘が口から、
    ためらいもなく溢れ出で、
    塗り固め、重層になったそれは、
    いつしか音を立てて崩れさる。
    日常の中で蓄積した、
    弱さと逃げの集合体。
    虚無と知りながら、
    ヘドロのような、
    底なし沼のような、
    生という営みは、
    ひとつずつひとつずつ、
    嘘をひきはがし、
    弱さと向き合い、
    それらしきものを、
    輪郭をなぞるように、
    形あるものへと紡ぐこと
    一本を一本を確かめること。
    それが生きることであり、
    始まりとしての虚無を
    実体ある生のへと昇華させるもののように思えた。

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著者プロフィール

1903年東京深川に生まれる。1923年、松竹キネマ蒲田撮影所に撮影部助手として入社。大久保忠素組の助監督を経て1927年、時代劇『懺悔の刃』で監督デビュー。以来1962年公開の『秋刀魚の味』まで、全54作品でメガホンをとり、サイレント、トーキー、モノクロ、カラーそれぞれのフィルムに匠の技を焼き付けた。1963年腮源性癌腫により死去。1958年紫綬褒章受章、1959年芸術院賞受賞、1962年芸術院会員。作品『生れてはみたけれど』(1931)、『出来ごころ』(1933。以上、松竹蒲田)、『戸田家の兄妹』(1941)、『晩春』(1949、芸術祭文部大臣賞)、『麦秋』(1951、芸術祭文部大臣賞)、『東京物語』(1953、芸術祭文部大臣賞、ロンドン映画祭サザランド賞、アドルフ・ズーカー賞)、『早春』(1956)、『東京暮色』(1957)、『彼岸花』(1958、芸術祭文部大臣賞)、『秋日和』(1960、芸術選奨文部大臣賞。以上、松竹大船)、『宗方姉妹』(新東宝、1950)、『浮草』(大映、1959)、『小早川家の秋』(宝塚作品、1961)ほか。

「2020年 『小津安二郎「東京物語」ほか【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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