連合艦隊(劇場公開版) [東宝DVDシネマファンクラブ]

監督 : 松林宗恵  中野昭慶 
出演 : 小林桂樹  永島敏行  金田賢一  古手川祐子  中井貴一  丹波義隆  丹波哲郎  鶴田浩二  森繁久彌 
  • 東宝
3.50
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104078308

感想・レビュー・書評

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  • 「連合艦隊」は、艦を「城」のように描いた作品だ
    城のなかに形成されるホモソーシャルは外部から隔絶されており
    それ故か、太平洋戦争を敷衍する内容にもかかわらず
    天皇がまったく登場しない(台詞の中に一回言及されるだけ)
    それが時代のニーズと言うものか
    1970~80年代の、サラリーマン賛歌を重ねているようにも思えるが
    …司令官たちは、「城」を守ろうとするあまり
    保守的な考えにとらわれて、敵の懐に切り込んでゆけず
    戦局挽回のチャンスを幾度も失することになる

    戦艦など、しょせんは移動する砲台にすぎず
    飛行機の優位によってすでに時代遅れになりつつあったものだが
    海軍の男たちは、その「城」を心のよりどころとして
    どうしても見放すことができなかったのだ
    まるで浪花節の世界だ
    それは内向きな、ドメスティックな世界観である
    となれば、ここにおいて「外部との通信」がおろそかになることも
    必然と言えるかもしれない
    ミッドウェーの敗戦も、山本五十六の死も、レイテ沖のUターンも
    この映画では、通信における不備が、主な原因とされている
    一見して納得のいく説明に思われるが
    波風をたてない無難な表現を選択したな、という感じも否めない

    ミッドウェーでの南雲忠一が、大和の艦砲射撃をきちんとアテにしていれば
    わざわざ艦載機の魚雷を、爆弾に積み替える必要はなかったはずだ
    …それをあえて行ったのは、南雲にもやはり大和を温存したい気持ちがあったか
    そうでなければ、独善的で空気を読まない山本への反感を
    見せつけたかったのだろう

  • 1981年8月公開作品。海外の日本人学校に通学していた時で、ちょうど夏休みに帰国してこの映画を鑑賞した女子が、パンフレットをお気に入りの男子にプレゼントしていたのを見て、羨ましくて仕方なかったことを思い出す。
    本作品は、奈良と広島の2つの家族に焦点を当て、連合艦隊と運命を共にした男たちを描く群像劇だ。日本の特撮技術の集大成と言える戦闘シーンには、初期のVFX技術などとは比較にならないほどの迫力がある。このような特撮技術を駆使して、太平洋戦争における主要な艦隊決戦の経過が丹念に描かれており、日本の戦争映画の中でも出色の作品と言えよう。
    因みに、撮影のために戦艦大和の縮尺1/20の模型が製作されたが、10年以上前にお台場の船の科学館に野ざらしで放置してあるのを目撃。その後2004年に暴風雨のため横転し大破、そのまま廃棄されたという。大和ミュージアムの開館がもう少し早ければ、このように悲惨な末路を迎えることもなかったかも知れない。

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