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感想・レビュー・書評
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私も、結構、読んでいます。今の所、ビジネス書や自己啓発書を読んで、
自分の人生がよくなった感じは、全くしません。
ただ、ビジネス書や自己啓発書の根底に流れる「○○すれば、△△になる」という論理は、
非常に魅力的だと思います。
ビジネス書や自己啓発書の多くが、自分が「知っている言葉」で書かれています。
「知っている」ものを繰り返し「知ろう」としてしまうのが、不思議ですが、
そこには、人間の本能が悪い意味で働いているかもしれません。
「なんとなく読むと気分がよくなる」著者が、それらを、
キャリアポルノというのは、非常に的を得た表現だと思います。
ビジネス書は、自己啓発書の多くが、とにかく「わかりやすい」。
私たちは、良い意味でも、悪い意味でも、
「わかりやすいもの」に対して、非常に魅力を感じてしまいます。
不謹慎な言い方ですが、
もし、ビジネス書や自己啓発書が、アルコールやギャンブルのように、
「依存症」を引き起こし、カラダに害を及ぼす研究が出たら、どうなるでしょうか?
「ビジネス書や自己啓発書を好んで読む人は、そうでない人に比べて、30%ほど、幸せを感じにくくなり、
仕事上でも25%多くトラブルを引き起こす可能性が高まります」
こういう結果が出たら、どうなるでしょうか?
ビジネス書や自己啓発書を読むことで、
「健全な思考」ができなくなり、「わかりやすい論理」を信仰するようになったら、
どうだろうか?この社会のあまりに複雑な出来事に対応できなくなるんじゃないのか?
ビジネス書の読者層は200万人と言われるが、手に取る理由は、様々だと思う。
①仕事上での必要性であったり、
②何かのスキルアップを目指している上での参考だったり、
③単純に「読むことが」自己目的化した娯楽であったりと、
④何か問題にぶつかり、その「答え」を知りたいがためだったり、
また、ビジネス書や自己啓発書は、そういった需要に対して、
「答え」を提示してくれる。しかし、その「答え」は、もちろん、
何も根拠のない「著者の思いつき」の場合が多く、ほとんどが、
何も参考にならない。
そういったビジネス書や、自己啓発書に書かれいるノウハウを
実行しても、ほとんどが、続かない。
また「続ける方法」などのビジネス書も多数出ているので、
いくらでも、自分が知りたい「答え」を知ることができる。
しかし、それらの「答え」は、厳密な意味での「答え」ではない。
学問的手順を踏んだ論理的思考や事例研究を行えばわかる通り、
世の中の数ある問題の中で、「答え」が出る方が、圧倒的に少ない。
それは、未だに、どうすればダイエットに成功できるか?の「答え」が出ていないと同じだ。
数多あるダイエット法は、数多あるビジネス書・自己啓発書で書かれているソリューションと、
本質的には同じだ。効果があるかもしれないが、それが絶対ではない。
また、効果があると思った方法が、実は、多くの問題を孕んであったりする。
人間は、飽きる。
これは、脳の仕組みがそうなっているから仕方がない。
ずっと同じことをやって、幸せを感じ、それがずっと刺激的で、ずっと興奮することはない。
最近の脳科学の成果では、「情報」は報酬刺激、
つまり脳の中の神経伝達物質の放出をもたらす興奮性刺激物として考えられている。
その神経伝達物資をドーパミンという。
その特性として、同じ刺激を受け続けた場合、
その放出量は、どんどん減ることがわかっている。
つまり、興奮しなくなる。
「以前は、あんなに面白いものだと思ったのに、なぜ、つまらなく感じてしまうんだろう?」という問いを持つ人は、結構いる。
また、「最近、生活に新鮮味を感じられない、どうしよう?」という人もいる。
答えは、「ほとんどの人間は、そう感じるから、その問いを持って、当たり前だ」である。一部の例外はあるかもしれない。毎日、全く同じことをしても永遠に幸福に感じられる人、それを死ぬまでに続けられる人は、探したらいるかもしれない。しかし、普通の人間は、同じことをしていたら飽きるし、同じ場所で生活していたら、飽きるし、同じ仕事、同じ人間関係、同じようなモノを食べたり、買っていても、飽きてくる。
そこで、人間は、異なる刺激を求める。そうすると「気持ちよくなる」と本能的に知ってるからだ。
この論理は、自己啓発書やビジネス書にも言える。
同じビジネス書を20年読む人は、まずいない。「この本は、自分のバイブルです!」という人は、
よくいるが、毎日、毎日、その本を読む人はいない。なぜか、上記と同じで「飽きる」からである。
そこで、違った本を読みたくなる。そっちの方が、気持ちよくなるからである。
ただ、考えてほしいのは、そういった、次から、次へと、何も考えずに、本を読むことは
果たして、「読書」なんだろうか?もちろん、世間的には、「よく読んでいるな」「本好きなんだな」と思ってもらえるが、その行為は、アルコールがないと不安になって、ついつい飲んじゃう人や、パチンコ店の前を通るだけで、1000円だけ遊ぼうと思い、2万負けた人と、本質的には同じなんじゃないだろうか。
つまり、自己啓発書やビジネス書に「依存」しているだけなんじゃないだろうか。
個人的には、自己啓発書、ビジネス書、多くの新書や文庫、単行本は、読んでも知識になんて増えないし、知能指数も上がらない、それでもちろん何か問題が解決されることもないし、人生が上向くこともないと思う。そういう「期待」をしている人は、また、そういう「目的」を持っている人は、多いかもしれないが、そういった期待や目的に対して、
ビジネス書や自己啓発書は、表面上は回答を与えくれるが、よくよく考えると、
そんなものは、何も根拠もなく、効果もないものだったりする。
ビジネス書や自己啓発書を好んで読む人に伝えたいのは、
いったん振り返ったらどうだろうかということだ。そして、あらためて、
自分が抱える問題を考え、直視し、悩み、苦しんで、
自分なりの考察と行動をしてみたらどうだろうか?
それらを行った後で、また、改めて、ビジネス書や自己啓発書、そして、
世の中にある「わかりやすいモノ」に対して、触れ合ってみたらよいと思う。
そうすると、以前とは違った考えを持ち、自分の世界が変わるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
めいろま女史の著書を読むのはこれが二冊目。
一冊目の「社畜とノマド」にも共通して言えることだと思うのが、めいろま女史はtwitterではかなりキワドイ発言、言いたい放題というかそういうのが目立ったりするが、本では至極まっとうなことを淡々と語っていく、っていうイメージ。個人的には自分はそこに好感を持っています。
個人的には、自己啓発本や労働に対する明確な考え・コンセプトをご自身の経験や体験、職務履歴を元に、ドライに書き綴っていっているのですんなりと入っていけた。
結局は自分。自分の考え方をきちんと持って芯の通った生き方ができるか。と感じた。まあこれがめいろま女史の言いたかったことかどうかは別として。
何も考えずにノマドワーカーだ!とか、1日で1億稼ぐ!とか、プロブロガーとして自由に生きる!とか考えていたら、参考に読んでみたらいいかも。
他の著書も読んでみようかな、と思わせる本だった。ので多分読む。 -
自己啓発系ビジネス書にうさんくささを感じてた。第4章「”労働”とは何か」は今働いていてストレスあるかた、就職活動で苦しんでいるかたに是非読んでほしいところ。会社で仕事ばりばりすることだけが人生ではないさ。
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キャッチ―なタイトルで前半に毒を吐き散らしたと思いきや、後半になると雰囲気が変わるから全体的によくわからなかった。
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昔読んだ
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読んで一言。
「せやな」
わたしも一応、意識高く持たなあかんな~とか思って、この本で言うキャリアポルノ=自己啓発系の本をちょっと読んでた時期があるんです。それで、「やべえ、ぜんぜん面白くない」って心の中では感じているんですけど、周囲の反応が「めっちゃタメになる~」ってもんなんです。
結局、「こんなん自分に合わへんわ~やめやめ、そんなんやったら好きな漫画や小説にお金払いたいわ~」と自己啓発系の本を捨てました(笑)
ただ、その時は周囲との感じ方の差=違和感の原因を、はっきり言語化できなかった。この本ではその違和感をしっかりデータと実体験をもとに文章化してくれていました。おかげでスッキリ!
まあ、でもコレ読んでツッコミたくなったのは、「この著者自身も自己啓発系統の本書いて儲けてる輩と同じく、一部の特殊能力者じゃんw」ってこと。
だから、あくまでも参考程度に。面白おかしく「そういう考え方もいいよね~うんうん。わたしもそこは同意~。でも、ここはちょっと違うかな~」ってスタンスで読むのが楽ちんそうです。
どっちにしろ日本以外での経験談のあたりが面白く書いてあるので、キャリアポルノどうのこうのに興味ない方も面白いと感じられると思ひます。 -
日本がいかにアメリカ的価値観。
つまり誰でもスーパーマンになれるとか、市場主義とかに影響を受けているかよくわかった。
また著者がキャリアポルノ本と評する本のタイトルリストがついていて思わず吹き出した。
しかし文章は難しくない本だけど、なんだか読みづらい印象。
著者の書くblogなんかはすごく面白いんだけど。 -
キャリアポルノは競争好きの日本人の特徴。
日本人は実は心の中は激しい競争心と嫉妬心で満載。 -
日本と欧米におけるキャリアポルノに対するマインドの差異についての箇所は、大変興味深い。