入門 哲学としての仏教 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • 仏教を哲学としてみる。初期仏教だけではなく、大乗仏教の思想も当然取り入れて述べられている。入門とあるが、やはり難しい。第一章「存在について」、第二章「言語について」、第三章「心について」、第四章「自然について」、第五章「絶対者について」、第六章「関係について」、第七章「時間について」。

  •  西洋思想を一旦プラグマティックに理解するためには、仏教哲学がとても力になるように思う。
     そもそも自分の思想は何だろう。キリスト教との緊張関係から研鑽された西洋思想。中世イスラム世界に保存された科学。そして葬式・お墓参りと狭く押し込められた仏教。しかし、その細いつながりからあらためて仏教に出会う。
     実は日常用いる言葉の中に仏教用語が溢れている。例えば「世界」は「世」は時間で「界」は空間を指しているそうだ。これはまるでカントが示したアプリオリな時間と空間のようだと思った。
     そこで不思議に思うのは西洋思想に触れ得ずして仏教の理解は困難ではないかと感じたことだ。そういう意味でどちらが単に優れているという比較は意味が無いだろう。
     「無我」と「縁起」。自己とはこの世とはをあらためて問い直したい。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授、東洋大学名誉教授。1948 年東京生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。文化庁宗務課専門職員、三重大学助教授、筑波大学教授、東洋大学教授を経て、東洋大学学長。2020 年 3 月に退職。専攻は仏教学・宗教哲学。唯識思想研究で博士(文学)。著書多数。
2015 年には「NHKこころの時代~宗教・人生~」で、『日本仏教のあゆみ 信と行こころの時代』講師を務めた。

「2023年 『NHK宗教の時間 鈴木大拙 願行に生きる 上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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