宇宙飛行士になる勉強法 [Kindle]

著者 : 山崎直子

• 中央公論新社 (2012年8月10日発売)

感想・レビュー・書評

[firepanda777さんの感想 · 2014年4月14日]

あなたも宇宙飛行士になれる。そのために必要な物は努力する心のみ。

最後のスペースシャトルの搭乗員となった、ママさん宇宙飛行士こと山崎直子。

彼女によるこの本は、宇宙飛行士となるための勉強法や心構えが書かれている。
しかしその体験談や方法論は宇宙飛行士に限らず他の職業や受験勉強、語学などにも応用できる内容だ。

英語やロシア語をどのようにして習得したか、多国籍のスタッフの中でどのようにコミュニケーションをとればよいのか、日本の文化や歴史をどのように説明したのか、など興味深く読んだが、特に重要だと感じたのは、アメリカという異国の地で子供を育てながらどのようにして宇宙飛行士という任務を遂行したのか、の記述だ。

今日、企業における女性力の活用が注目されている。

宇宙飛行士として、日本やアメリカ、ロシアで過酷な訓練をする中で彼女はどのように子育てをおこなったのか？
これからの時代、男女の垣根はあらゆる分野で消滅していくだろう。
体力差が関係ない宇宙では、仕事においては男女の差は存在しないとも彼女は語っている。

時代の先駆者として山崎直子の生き方は、仕事と家庭の両立に悩む女性や、組織の中で成果を出さねばならない女性におおいに参考になるものと思われる。

巻末の宇宙兄弟の小山宙哉との対談も面白い。
宇宙好きにも満足の一冊である。

著者プロフィール

宇宙飛行士。千葉県松戸市生まれ。1999年国際宇宙ステーション（ISS）
の宇宙飛行士候補者に選ばれ、2001年認定。2004年ソユーズ宇宙船運航技術者、2006
年スペースシャトル搭乗運用技術者の資格を取得。2010年4月、スペースシャトル・
ディスカバリー号に搭乗、国際宇宙ステーション（ISS）組立補給ミッションSTS‐
131に従事した。2011年8月JAXA退職。一般社団法人スペースポートジャパン代表理
事、女子美術大学客員教授などを務める。

「2022年 『僕たちはいつ宇宙に行けるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」