僕の妹は漢字が読める (HJ文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • おかしな世界がタイムパラドクスが起きてまともな世界に変わり、おかしな世界を取り戻すために奔走する、何とも言えないヘンテコさが面白い。

  • 純文学が死滅し、携帯小説が古典として扱われ、漢字がなくなった近未来の物語。筒井康隆っぽさのあるスラップスティックな雰囲気が漂っている。漢字の読める妹が真人間であるため、そんな妹の常識的なフィルターを通した萌えと変態とひらがなに彩られた世界はギャップがあって面白く、読み手をツッコミ役にしてしまうパワーがこの本書にはある。ストーリーテリングはめちゃくちゃで、いきなりタイムスリップして平成に行ったかと思えば、そこで特に何の疑問も抱かずにその世界に適応したりと、行き当たりばったり感がある。一応、主人公が作家を志すきっかけになった小説のモデルの少女や、虎視眈々と正当な文学の復興を企む謎の人物などの伏線は出てくるが、先が気になって読むほど謎にパワーがなく、むしろギャグ描写のテンポのみで押し切った快作であると言えよう。話としてはつまらないが、ギャグはなかなかにキレッキレであり、変態大御所作家である義妹のオオダイラや、「そのメス。しめよう」など舌っ足らずな毒舌幼女キャラである末の妹であるミルんど、キャラクターは抜群に立っている。狂人と変態の中で、唯一の常識人かつツッコミ役である妹のクロハの役割も素晴らしく、冷静なキャラがいるからギャグが引き立っていると言えるのだ。ライトノベルといえばキャラクターであることを何よりも教えてくれる一冊である。

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