- Amazon.co.jp ・電子書籍 (181ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
考えることは創造することである。本書の特徴的なテーマである。
考える力を鍛えるための本である。どちらかというと苦手だった筆者だからこその内容になっている。
本書で特徴的なことは「捨てる」を明示していることである。考える対象に集中する。そのためには捨てることを避けてはいけないと何度か述べている。
また、本書では「考える」を因数分解している。それぞれを定義している。これにより何が必要で何が不要かがわかる。考えるということを行動に落とし込んだ時の理屈が明確になる効果がある。
「マニュアル力」「自ら考え、想像する力」の対比。「問題を見つける力」の具体的な行動指針。「解く力」は自ら編み出す。「諦めない人間力」という潜在意識に任せる方法。などなど。
新しいものを創造する。その手段が考えること。漫然と考えてしまいがちである。自分自身を変えたいのであれば読んでいて損はない。そんな本である。 -
教育は各段階で、目的が異なる。高校までは「マニュアル力」、大学では「考える力」、大学院や社会では「創造力」を養うことが目的である。
そして、「マニュアル力」は考えるための基礎であり、「考える力」は創造のための基礎である。
そして、マニュアルは覚えることが大事であるから、マニュアル力は「暗記力」と言える。考える力はそのまま「思考力」と言える。
すなわち、「思考の3段階」とは、下から
①暗記力=知識→高校まで
②思考力=課題発見力→大学
③創造力=課題解決力→社会や大学院
というピラミッド構造であり、各段階で求められるものが変わるので、学生は困惑する。それを抜け出すための手法、つまりステージを引き上げる手法は「対話」である。相手がいなければ自分との「対話」をするべきと筆者は説く。
しかし、自分との対話ができる内省的な若者は少ないだろう。やはり、他人から問いを出されなければ、考えられない人は多い。
社会問題には答がないかもしれない。答が複数あるかもしれない。暗記したマニュアルでは対処できない。解法を編み出さなければならない。
では、そのためのコツは何かと言えば、それは
①分類
②分解
の2つである。
①分類は②分解のための準備である。全てを個別に分解していては膨大な要素になる。ゆえに、まずは分類が大切ななる。デカルトは「困難は分割せよ」と言った。いくつかの要素に分解して個別に解決していけば良いのだ。
さらに、「考える」際は「分からない」を分解するべきと言う。「分からない」とは、
①知らない
②答が分からない
③問題が分からない
の3つがあり、どれに該当するかで当然、やるべきことが変わる。
「③問題がわからない」ときに学生はふんわりした質問を投げかけてくることがある。このとき「何を言っているのか分からない」と叱りつけてはいけない。このとき聞き手に求められているのは質問を明確化する手助けをすることである。東大の先生でさえ、これを心掛けている。普通の大学生の質問があいまいなのは当然であると心得よう。
アインシュタインの言葉
It's not that I'm so smart;it's just that I stay with problems longer.
I have no special talent. I am only passionately curious.
Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school.
本書で著者が強調していることは「捨てる」ことの大切さである。考えるべきことに集中するためには不必要なものを捨てることが大切なのだ。
スティーブ・ジョブズの言葉
Stay hungry, stay foolish.(貪欲であれ、愚直であれ) -
これまた発見!「考える力」の意味を深く今まで理解してなかった点に気付かされた衝撃の本でした。
出会えて良かった一冊です。 -
なるほど。参考にする