東条英機 大日本帝国に殉じた男 (PHP文庫) [Kindle]

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  • 人は権力と持つと腐る。おごりに気が付かないと暴走する。東条はその典型だったんじゃないかな。しかも度を過ぎるぐらい。ところどころ見え隠れする天皇愛、国民愛だけ切り取るなら、ただの優しいオジサンだったのに。薩長への報復と東北の名誉回復が、いつしか国民を危機に陥れることになる。これはまるで西洋からの大東亜開放が、いつしか大東亜占領にすり替わった日本の戦略の写し鏡。東条の愚行=日本が犯した過ち。だから彼は近代史でもまれに見る悪役となったのかも。

  • 東条英機が首相になるタイミングはかつてないほど最悪の時期であり戦争に突き進むしか選択肢はなかった。そして敗戦… A級戦犯として裁かれる東条は陛下と国民から罰をいただくと甘受して戦争責任を背負い陛下を守るため絞首刑の道を行った。その姿勢には自然と涙が溢れた。ドイツ贔屓でヒトラーのような男と思われていた東条だが実際は独裁者ではなくアメリカ人を困惑させた。陛下の意志を汲み取り行動するがコミュニケーション能力に欠けており力での恐怖政治をひく。非情な冷酷さと弱い物や部下への優しさが共存する特異な軍人像…

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