「10年先の自分」をつくる (中経出版) [Kindle]

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  • ソフトバンクが圧倒的な強さで4連勝で日本シリーズを制した。
    正直、チームの総合力の差、力の差をまざまざと感じる内容だったので、少し気になって監督である工藤監督のかつての書籍を紐解いた。

    メディアによれば、日本シリーズを制した翌日の午前から工藤監督は全職員と面談してFBをしていたらしい。
    本書は2013年のもので、工藤監督が引退後、解説者を務めていた時のものだ。
    主に現役生活を中心に自身の経験や野球感を振り返っている。その内容は非常に明朗簡潔で心地よい。

    特に西武からダイエーに移った際のエピソードには舌を巻いた。当時、西武が好きだったので、工藤さんがダイエーに移籍したのは悲しかったのだが、どうやら球団のキーマンが移籍していたことも大きく影響していたようだ。

    特にその際に自分の全投球を振り返ってスコアブックにつけるなどの徹底した分析、内省はすごい。そして、きちんと理論的な部分を専門家に補いに行って47歳まで現役を続けていくことなど、想像を絶する。

    つまり、現役時代からコーチのような動きをしつつ、監督の役割や振る舞いもイメージできていたようだ。これは今回の躍進を裏付けるものだろう。

    また、王さんというもう一人のキーマンもいる。彼とソフトバンクの選手への投資、3軍の創設と競争意識の植え付けは時間を経て、こうして結果に降りかかってきたわけだ。

    これはしばらくソフトバンクの攻勢が続くだろうと言わざるを得ない。
    フットボールの業界ではチームの総合力で戦う流れが近年できていたが、野球でもその認識ができる日が近い。

    目次
    第1章 これから10年以上、結果を残し続ける人になる
    第2章 結果を残す人になるために必要なこと
    第3章 これから10年、組織を引っ張る人になる
    第4章 これから10年、チームを育てる人になる
    第5章 これから10年先のキャリアを見据える人になる

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著者プロフィール

1963年愛知県生まれ。1982年名古屋電気高校(現・愛知名電高校)を卒業後、西武ライオンズに入団。以降、福岡ダイエーホークス、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズなどに在籍し、現役中に14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝き優勝請負人と呼ばれる。実働29年プロ野球選手としてマウンドに立ち続け、2011年正式に引退を表明。

最優秀選手(MVP)2回、最優秀防御率4回、最高勝率4回など数多くのタイトルに輝き、通算224勝を挙げる。正力松太郎賞を歴代最多に並ぶ5回、2016年には野球殿堂入りを果たす。

2015年から福岡ソフトバンクホークスの監督に就任。2021年退任までの7年間に5度の日本シリーズを制覇。

2020年監督在任中ながら筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻を修了。体育学修士取得。2022年4月より同大学院博士課程に進学、スポーツ医学博士取得に向け研究や検診活動を行っていく。

「2023年 『プロフェッショナル投手育成メソッド 一流投手へ導く“投球メカニズムとトレーニング”』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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