無人島に生きる十六人 [Kindle]

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  • オリオンブックス
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感想・レビュー・書評

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  • 読了。
    吉村昭の「漂流」と同じテーマだが、こちらの16人の方が、遥かに前向きで、高スキル且つ、高度にオーガナイズされている(笑)。「漂流」とは条件や時代背景が異なるのもあるのだろうが、困難の中にも冒険談のような高揚感が感じられるのは、坂の上の雲が見えた、あの時代だからだろうか?

  • 完全フィクションかと思いきや、明治32年の実際あった出来事とは!驚愕した。
    以前読んだ「漂流」はこちらも実際あった出来事で1785年(今から約230年前)
    今回読んだ「無人島に生きる十六人」はそれよりも後の1899年(今から約120年前)
    こんなにも規律を守り、誰一人犠牲者が出ることもなく
    発狂する人もいない平和に無人島での生活が出来たのはすごいなぁと思った
    もちろん漂流して流れ着き9か月で助け出されたとはいえ
    何もないしかもサンゴ礁の島でよく無事に生きてたな~と
    本の中で今現代の防災と紐付することが出来る取り決めが書いてあった。

    一つ、島で手に入るもので、くらして行く。
    二つ、できない相談をいわないこと。
    三つ、規則正しい生活をすること。
    四つ、愉快な生活を心がけること。

    出来るようで実際すごい難しい。
    久しぶりすごいいい本を読んだなと思った

  • タイトルそのまんまの、漂流した十六人の水夫たちの物語。漂流ものに良くあるトラブルがまったくなく、船長の小さな心がけのおかげで、ほとんど人的な波乱がなく、どんな状況でも明るく前向きに生きようという流れがとても良かった。

  • 夏に読んでよかった…!
    小学校中学年くらいの子がいたら、夏休みの読書感想文の題材としておすすめしたい。もちろん大人が読んでも楽しいフィクション。

    16人が太平洋の真っ只中で無人島に漂流してしまう、絶望の展開のはずなのに登場人物は決して心を折らない。自分たちの持てる経験・知識を総動員して生き抜こうとする。なんなら転んでもただでは起きない精神で、仲間や島の自然から限界まで学ぼうとする。読んでてなんとも清々しいのだ。
    「火星の人」も、火星にただ一人取り残された植物学者が心をおらずにひたむきに脱出への努力を続けるフィクションだったと思うが、読後感がそれに似ている。

    よしわたしも頑張るぞ、という気になる本だった。

  • 困難をあっという間に乗り越えていくスピード感と逞しさがすごかった

  • KindleUnlimitedで読了。

    無人島に16人が遭難、と聞いて、クローズド・サークルものや、お涙頂戴の悲劇、極限状態で現れる人間の本性。。。みたいな話を想像してしまったけど、あまりに実直で規律正しい優しい世界だった。
    サバイバルというより冒険ものの明るい雰囲気で、海のプロ達が困難をずんずんと乗り越えていくわくわくや爽快さがある。絵本や児童文学っぽい。読み終わってからノンフィクションと知り、驚いた。

    まずは精神、というのがなるほどなあと思った。

  • 人って凄いわー

  • やさしい世界。
    集団行動の成功は、集団を構成する人員の人間性に大きく左右されるなと考えさせられた。
    アザラシが可愛い。

  • 要するに「十六中年漂流記」であって、「十五少年~」より1人多くて、若くない。

    若くないどころか、登場人物はベテランの海のエキスパートばかり。

    だから、困難をことごとく乗り切る。

    無人島に水がなくたって井戸を掘っちゃうし、海図を無くしても頭にばっちり入ってる

    おかげでピンチらしいピンチがなくて、話が淡々と進んでしまう。

    もともと「少年倶楽部」に連載されていた少年向け冒険小説だけど、ネタがなくなったのか、登場人物の昔話まで語られる始末。



    地に足のついた(海の上だけど)冒険物として、大人でも楽しめる内容です。

  • 何かの書評で面白そうだったのと、kindleで無料だったので読んでみました。
    思ったよりも面白くて苦も無く読み終えました。
    明治時代に南の海で遭難し、無人島で十六人が救助されるまで生活するノンフィクションの話ですが、何よりも全員が仲良く助け合い、助けが来るまで何年でも生き抜こうとする心意気が素晴らしいです。そしてその諸島の数々の生物、自然の描写が素晴らしく、読んでいて飽きないのだと思います。
    無人島とはいえ、飲み水は珊瑚に囲まれた島ゆえに石灰交じりでほとんど蒸留水と雨水頼り。食物も魚とウミガメ。植物もほとんどなく、帆布から魚網を作り出したり、わずかに生えている草からあれこれ編み出したり、塩を製造するために工夫したりとたくましく生き抜いていきます。
    皆が精神を病むことなく、争いをせず、規律をよく守り、役割をきちんとこなしていくことがどれほど大事なことで大変なことか。きっと現代人が昔よりはるかに優れた道具を持っていたとしても同じようにサバイバルできないだろうと思います。

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