ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者 [Kindle]

制作 : 滑川海彦 
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (507ページ)

感想・レビュー・書評

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  • アマゾンとはグーグルに似て、もっとスマートな会社だと思っていたが、全く異なる社風。
    最近の「教科書」的には、働きやすい環境を整え、スマートクリエイティブが集まる職場にする、ということなんだろうが、アマゾンは決してそうではない。むしろブラック企業に近い印象。
    それでもこれだけ成長できるのは、創業者のビジョンが確りしていることと、実行力があること、そして倹約文化が根付いていること。

  • Amazonの成り立ちと成長がベゾスの思想から成り立っていることがよくわかる。たくさん失敗しているにも関わらず成長している様がすごい。トライの数と失敗の数がとても多く果敢に前に進んでいる感じだ。

  • Amazonという巨大企業を一代で築いたベゾス氏がどんな人となりなのか知りたくて購入。先日読んだイーロン・マスクとの比較もしてみたかった。読み終わった率直な感想だが、ジェフ・ベゾスは本書中にもあった通りまさに「ガゼル」だなという強烈な印象を受けた。カリスマ経営者の御多分に洩れず、気性の激しい厳しい人で、競合を駆逐していくスタイルも恐ろしい。しかし競争の激しい世界で生き残り成長するためには、普通のことを普通にやるだけてまは決して叶わないのだなと再認識した。

  • 【ベゾスが考えるAmazonの中核をなす五つの価値】
    ・顧客最優先
    ・倹約
    ・行動重視
    ・オーナーシップ
    ・高い採用基準
    のちにイノベーションが追加され、アマゾンの中核価値は六つとなる。p. 25%

    AWSの登場でエブリシング・ストアの意味合いが大きく広がり、スポットインスタンスやストレージテラバイトなどなんともミスマッチな商品がアマゾンの棚に並ぶようになった。p.60%

    イノベーションのジレンマを解消して成功する企業は、「破壊的技術を中心に独立の新事業を立ち上げる自律的組織を設置した」ところだという。(クレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』)p.63%

    アマゾンの価値とはベゾスの経営理念である。利益率は低く、社外からは疑いの目で見られ続けるという厳しい状況で20年間耐え、そのなかでつちかわれた経営理念である。アマゾンという会社はベゾスの頭脳の周りに組まれた枠組みのようなもの、彼の創意工夫をできる限り広い範囲に広げる増幅装置のようなものだと言えるかもしれない。p. 87%

    【訳者あとがき】
    Kindle発売時にはベストセラーや新刊書のデジタル版を仕入れ値より安い9ドル99セントで提供したが、これも、他者の追随を振り切り、電子書籍市場の覇権を握るためという側面がある。
    このようなことができるのは、利益率が低いという強みがアマゾンにあるからだ。書き間違いではない。顧客第一主義で価格を下げれば利益率も下がるが、それを弱みではなく強みとするのがベゾス流なのだ。利益率が高ければライバル企業が研究開発に投資して競争が激しくなるが、逆に利益率が低ければ顧客は集まるし市場を守りやすい。ベゾスはこれを「スティーブ・ジョブズの失敗を繰り返したくない」と表現することもある。iPhoneをびっくりするほど利益があがる価格にして、競争相手をスマートフォン市場に引き寄せた愚は避けたいというわけだ。p. 91%

    《解説 エブリシング・ストアからエブリシング・カンパニーへの20年 by 滑川海彦》
    【ビジョンに向けて修羅場を重ねる】
    「講釈の誤り(narrative fallacy)というのは、2008年の金融危機を確信をもって予言したことで有名になった経済理論家、ナシーム・ニコラス・タレブが『ブラックスワンー不確実性とリスクの本質』で詳細に論じたコンセプトだ。タレブはオーストラリアで「黒い鳥」が発見されるまでは人類は〈すべての白鳥は白い〉と確信していたことを例に、「ブラックスワン現象」というものがあると論じた。簡単に言えば「人は異常なことが起きることをなかなか予測できない。しかしいったん起きるとそれが必然だったという理屈を作りだす」ということだ。p. 92%

    《付録 ジェフ・ベゾスの愛読書》
    ・『日の名残り』カズオ・イシグロ
    ・『私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ』サム・ウォルトン、ジョン・ヒューイ
    ・『会長からのメモー機知とユーモアの経営』アラン・グリーンバーグ
    ・『人月の神話ー狼人間を撃つ銀の弾はない』フレデリック・P・ブルックス・ジュニア
    ・『ビジョナリー・カンパニー ー時代を超える生存の原則』ジム・コリンズ、ジェリー・I・ポラス
    ・『Creation: Life and How to Make It』スティーブ・グランド
    ・『イノベーションのジレンマー技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』クレイトン・クリステンセン
    ・『ザ・ゴールー企業の究極の目的とは何か』エリヤフ・ゴールドラット、ジェフ・コックス
    ・『リーン・シンキング 改訂増補版』ジェームズ・P・ウォーマック、ダニエル・T・ジョーンズ
    ・『Data-Driven Marketing: The 15 Metrics Everyone in Marketing Should Know』マーク・ジェフリー
    ・『ブラック・スワンー不確実性おリスクの本質』ナシーム・ニコラス・タレブ

  • ジェフベゾスの半生と、amazonの設立からの歩みを詳細に追った労作。Appleのスティーブジョブズと比べられることも多いベゾスだが、シンプルさへのこだわりが芸術家に近かったジョブズに比べ、ベゾスはまさに大いなる野望を持ったビジネスマンという印象。AppleがiPhoneで大きな利益率を上げたことが他社のスマートホンへの参入を招いたとの観点から、あえて利益率を低く抑え、徹底的に規模を追求し、他社が参入してこないようにするというベゾスの経営哲学が印象的。

  • 今まで読んだ本で一番長い本です。伝記として読み応え抜群。ブレない信念・ビジョンで突き進む姿とうまくいかない時代をどうやって乗り越えてきたのか興味深い一冊。会社・組織って面白い。

  •  徹底した実利主義と狂信的なまでの執念はShoe Dogsに描かれているNikeの創業者Phil Knightを彷彿とさせる。

     部下を怒鳴りちらし、競合相手や取引先を脅して事業を拡大するさまからは、リーダーの目的が会社をビジョンの達成に導くことだとすれば、よくいわれる「人間的にできた理想的なリーダー像」とは幻想にすぎないのではと思わされる。

     人間的にどうであれ、一つのことに情熱を注ぎやりきること、それでいながら間違っていた時には嘘をついてでも方向転換していく柔軟さが事業を成功に導く要素なのであろう。

    ・次はもっと優れた人を採用する
    ・関係者の調整は時間の無駄。問題に直面している人に問題を解決させる
    ・管理者はいらない。必要なのは実働部隊
    ・小さな強みを編んでロープにする
    ・はずみ(正のフィードバックループ)をみつける
    ・パワポはいらない。6ページの意見書に要約する。

  • NYヘッジファンド副社長から西を目指しシアトルに、流通の仕組みを変え既存の小売を破壊しGoogleとの最終決戦に臨む。個人資産1500億ドル(16兆9000億円)ビルゲイツを抜いて世界一に。折角なのでkindleで読みました。

  • 「私は、金の亡者ではなく伝道師の道を常に選びます。」

    アマゾンを創業したベゾスについて書かれた本。本人や周囲の人へのインタビューをもとにして書かれているので半伝記のようなもの。

    ベゾスはとても自分中心で、自分の信念のもと熱狂的に働いているのがわかった。客として利用するアマゾンはすごく良いが、企業として接した際のアマゾンは大変に過酷だと感じた。便利な裏には多大なる犠牲がある。

    エブリシング・ストアを目指すアマゾンは、他業種に参入する際に、マーケットプレイスを利用し、その業種の商売方法を学ぶ。最終的には、マーケットプレイスに出品している店舗すら食い破る方法は、残酷ながらとても効率がよいと感じた。

    買収したい企業がある場合には、その企業が疲れ果てるまで、その販売分野で赤字を垂れ流す。巨大な会社が、新規の会社をつぶすのにもってこいの作戦だと感心した。

    アマゾンプライムのようなサービスを普及させる時に、赤字を垂れ流しながら好循環を生み出せたのは、やはりアマゾンのサービスが素晴らしいからであろう。

    起業家として成功する人は、強い自信と自分中心性で、他人をモノのように扱う事ができる人間なのかもしれない。

著者プロフィール

ブルームバーグニュースのシニアエグゼクティブエディター。ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』(日経BP社)の著者。15年以上にわたり、シリコンバレーについて報道してきた。カリフォルニア州サンフランシスコ在住。著者のウェブページは、http://www.brad-stone.com/

「2018年 『UPSTARTS』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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