フィルス [DVD]

監督 : ジョン・S・ベアード 
出演 : ジェームズ・マカヴォイ  ジェイミー・ベル  イモージェン・プーツ  ジョアンヌ・フロガット  ジム・ブロードベント 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.57
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427657618

感想・レビュー・書評

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  • \*\ 「俺のルールーに例外なし!」/*/






     FILTHとは英国のスラングで警察、ごみ、汚物、淫らな考え、堕落、悪党、売春婦などを指す言葉だとか。
     ほんとうに刑事ブルースはゲスで《クズ=フィルス》で《クソ野郎》でございました! 

     マカヴォイというと温和で軟弱なイメージの役柄をついつい思いだしてしまうのですが
    。それを払拭する勢いで本作の彼は見事な怪演を見せてくれています。  

     『レオン』で、麻薬取締局の捜査官:スタンスフィールドを演じた時のG・オールドマン然り、『蜘蛛女』でモナに翻弄された刑事:ジャックを演じた時のオールドマン然り。彼の演技をマカヴォイはどこか意識していたのでは…?と、ふと思わせる瞬間が何シーンかあり。  

     極め付けは何と言っても、まさにラストの高笑い。
    あのイッテしまってる表情は『レオン』で見たオールドマンの「それ」と重なってくるかのようで、私を唸らせましたが、ベアード監督の意向としては主人公ブルースの中に、『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルの持つ「危うさ」を求めつつ、
    また一方では幅広く観客に受け入れられるように『カッコーの巣の上で』の「ジャック・ニコルソンの魅力と脆弱性」を加えたかったのだそうで。  
    そう言われてみますと、う~んなるほど!!と感じます。  

     // ロングマフラーが清廉・誠意・真摯な想いの象徴のように用いられていている辺りもなかなか巧いアイテム処方です。//  

     これをブルースに贈った清楚な子連れ美女。 
    一見ダサい代物であるロングマフラーを受け取る時のブルースの表情は、まるで懺悔室で告解をする者の瞬間のようでもあり…   
    またストーリー上での季節がクリスマス・キャロルが流れる頃になっている辺りも、まるでこのゲス野郎ブルースに、「汝、懺悔せよ!」と言いたげでこの絶妙な設定も実にいいです。
    とにかく本作は終始マカヴォイの表情演技に、してやられます!  

     兄弟を失ったトラウマからメンタルの平衡を失っていった(?)ようなブルース。 そのトラウマがフラッシュバックするたび彼は自分に豚を見ながら、ますます壊れていく中でこれでもかッ!と言わんばかしに尚も警察組織という腐った組織内で、「俺のルールに例外なし!」とガンガン突き進もうとするブルースがいよいよ失速しだした時。 
     お人よしのブレイジーに「厚い眼鏡はやめろ、馬鹿に見えるぞ」と助言するシーンに妙に(ぐぐっ)ときてしまいました。 
    友を思い発したブルースの人生におけるそれは唯一、真摯な言葉だったかも?と…(苦笑) //   


     《「この映画はイカれたおとぎ話だ」》そうコメントしているマカヴォイの意に沿ってわたくしも…

     ◆ラストのあの高笑いが物笑いの種にされることなく、自殺道具に誰が選ぶかといった感じの稚拙でダサい、しかし清廉なマフラー。
    「俺を逝か(イカ)せるのは唯一、コイツだけなのさ!!」と、最期のその瞬間の顔は私にそう言っているかのようでしたよ。

     マフラーを用い上手く「逝けた」(ブルースの流儀では「イケたぞッ!」に変換すべし)であろうことを、願ッテヤミマセン。

      † A~men! †

  • えーっ、ジェームズ・マカヴォイ?!あの王子様みたいなひとがくそ野郎を演じてる時点でショック不可避。テンポのいいクズ。

  •  スコットランドの不良刑事が日本人留学生殺人事件を調査するが、昇進への野望が高いのに滅茶苦茶な生活をする彼の精神はじょじょに破綻していき。。。

     イギリスの上品な紳士とは真逆の下品で差別主義の嫌な奴全開。フリーメーソンで友達つくるとかすごすぎる。しかもこの親友への主人公の仕打ちが徹底していてすごい。
     終盤にかけてこの主人公がなぜこんなに破綻してるのか、そしてとんでもない事件の真相が明らかになっていくのだが。。。ストーリー的にはどうだろう?と思うが、そのエネルギーには圧倒される。

     熱量すごい映画。

  • 頭から尻尾まで餡子ぎっしり。大好きだ!!
    マカヴォイの破滅的な演技には感動してしまう。ジェイミー・ベルもアホで可愛いなああ。
    とにかくマカヴォイ。哀れみを感じるので、過去最高のクズっぷりではないが、本当に素晴らしかった。なかなか悲惨なところもあるのに、シリアス過ぎずふざけ過ぎず。こういう映画が好き!!

  • WOWOWで録画視聴。字幕版。
    なんていうかタイトル通りの…すがすがしいほどのクズですね…
    主人公の彼の妻の言葉の真実が解った瞬間はゾワ~としましたが次の瞬間には笑うしかなかったというか…(笑)
    全体に相当お下品なのは一人で観ていたのでまぁいいんですが家族と見ていたら居た堪れなかったろうな…と。
    映像効果はちょっと面白かったですが目新しいほどではないかな~と色々微妙な感じでした

  •  清々しいクズ映画だった。無論映画がクズということではなくクズが登場する映画という意味で。映画を観終わった後に煙草吸って酒飲んでゲロしてクソして寝よう! という気分になるね。ただこの感覚が爽快かどうかは人によって別れるんだと思うわ。

     日本の配給会社の打った広告は「悲しきゲス野郎をお救いください!」となっていたけど、ゲス野郎は結局救われなかった。私はそれで良いと思っている。道端で倒れた人を助けようとしたところからじわじわとブルースの人間性が表れるようになるが、いくら人間性に溢れていようともゲスはゲスだ。もっと言えばブルース自身がそのゲス野郎を受け入れることができなければ、救いはない。
     ラスト、親子が家に訪ねて来たのを結局は無視して椅子を蹴ったのはそういうことだと思った。あの親子に縋ったところで得られるものは一時的な安寧に過ぎず、根本的な解決は一生訪れないと多分、気付いたんだろう。

  • これは卑怯な面白さでした。好きなひとにはたまらないタイプの映画。とにかくテンポが良い。音楽も常にわちゃわちゃしてて、演出もとにかく動きがある。マカヴォイのふりきった演技がとにかく最高で、スコットランド訛りがスゴい。他のキャストのクズっぷりも良かった。人のダメなところ全部集めました!状態。原作者が『トレインスポッティング』と同じそうで、まあ納得。

    謎の女性の存在、ってのは正直大体予測ができて、ここで大事なのはそこじゃないというか、事件の真相どうこうが重要ではない気がした。ブルースの精神崩壊こそに焦点があって、ブルースの破天荒な態度に隠された真の姿が重要。どうしようもないクズなのに、一切の常識を超越しているように見えて、誰よりも孤独で自信がなかったブルースに、どうしても肩入れせずにはいられなかった。最後のレディオヘッドのCreepのカヴァーが流れるのは卑怯。

    映画としてどうこうより、久しぶりに単純に好きだわ〜って思える映画だった。サントラ欲しい〜。

  • 映画館で観たいものが無くって、ポスターだけで決めて観たら…おもしろかった!
    しかもジェームズ・マカヴォイじゃないか。最後まで気付かなかった。
    いいなぁ、これいいなぁ。おもしろかったなぁ!

    -----
    この男をお救いください!
    英国発★愛と絶望を笑いにする
    最高にイカしたクライム・コメディ!!

  • エロいしゲスいし、誰にでもオススメはできないんだけど私はすごく好きな映画なので、ぜひみんな見て欲しいなあ。

    チンピラクズ警官の主人公が、警部補昇進を狙って同僚の足を引っ張ったり自ら仕込みでイタ電事件を起こしてみたりなクライムコメディ……かと思いきや、楽しくやってたのは序盤だけでどんどん崩壊してく。
    奥さんが娘を連れて出て行ったことを認められずに、どんどん薬とアルコールに溺れて真昼間からで幻覚見て、失敗を挽回するために親友を罪に陥れて破滅する。
    最後まで救いがなくて、でもクズが因果応報で自滅する話というには主人公に同情できてしまって、中盤以降はずっと主人公のゲスい所行を見ながらなんとなく切ない気持ちになる不思議。

    いいところなんかかけらも無いような気がする主人公に同情できちゃうのは、ほんの時折挟み込まれるマトモな言動のときのマカヴォイの印象的な瞳のおかげかなあ、と思う。
    「あっ、クズだけど根っこまでゴミではないんだな」
    と思わせられる感じ。イノセント!!
    クズぼいは他にも見たけどどれもなんとなくお坊ちゃん風で、小汚い感じのフィルスの主人公をマカヴォイが演じるのはなんでかなーと思っていたんだけど、見終えてみるとすごくハマってた。

    個人的ハイライトはやっぱり網タイツ金髪女装と、捨てられた奥さんの動画見ながら親友の奥さんにイタ電して泣きながらオナニーするシーン。
    女装はまともにやったらきっと似合っちゃうと思うのに、汚くて惨めな感じがすごくよかった。

  • スコットランドで日本人留学生が殺害される事件が起きる。
    刑事のブルースは捜査の指揮を任されるが、
    彼の頭の中には出世レースを勝ち抜く事しかなかった。
    同僚や友人に裏工作を仕掛け続けるブルースだったが……。

    the悪徳警官!
    最悪だが最後はちょっと切なくなった。

  • Xmen(今、端から制覇中。新作映画フューチャーパストは見に行ったよ!)から地味にマカヴォイ祭り開催中なためこれも。
    スコットランドの悪徳警官であるブルースが、セックスドラッグアルコールやりまくり同僚友人を陥れまくり・・・(しかし規模が小さい!!!人殺ししたりはしない)最後は自分が壊れてしまう、という男の破滅を書いた映画。
    品は無く救いもないけれど、とにかく勢いがあって目が離せない。
    普通にしてたら綺麗で上品な顔のマカヴォイの、むくんだ顔の汚さ・・・。嫌いじゃないですが。オナラもゲロも自前だとか、俳優根性!
    好き嫌いが激しく分かれそうな内容ですが、ラストの正装姿がカッコ良かったので、それだけでも見る価値がありでした!

  • タイトルの「フィルス」とはイギリス英語の俗語で「サツ」「おまわり」という意味らしいが、その原義は「わいせつなモノ」「汚物」ということ。
    主人公演じるジェームズ・マカヴォイは言うまでもなく、X-MENのプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア教授。その彼がどうしてこんな悪徳デカを演じているのか、もうちょっと仕事を選んだらどうだと最初のうちはびっくりするのだが、しかし物語が進んでいくにつれ、「ああ、これはマカヴォイでなくては演じられないのだ」と分かっていく。観客は最初のうちは大笑いしてみているのだが、彼の素顔と、その悲劇的人生を知るにしたがって物語の中に容赦なく引き込まれていくのである。

  • マカヴォイファンである私は同時期に公開されたビトレイヤー、トランスのおっさんらしい役どころに半ば失神しそうになり、本作品は寝かせておきました。
    もう戻らないふつくしきマカヴォイにさようなら(;_;)ミッキーロークファンの気持ちを追走

  • 結構評価高いんだね。
    よくわかんない映画だった。
    下品で・汚い。

  • コメディ?

  • 人生上手くやっていくってとても難しいとは思います。
    ハチャメチャ過ぎて全体が上手く纏まっていないから何が言いたいんだか、何を表現したいんだかよく分からないですね。マカヴォイ君も最近引っ張りだこだし期待してたんですけどねぇ…出来が悪すぎますね。

  • なんというか、面白いけれど下品。
    日本人を蔑視するような表現もあり、前半気乗りしなかったけれど後半に行くにつれ、現実と虚構が入り乱れていって、思いがけない終着点に・・・。

    賞味100分と短いですし、面白いことは面白いです。

  • あのプロフェサーXがここまで墜ちるかというような演技です。
    爽やかなイメージが変わりました。

    トレインスポッティングのスタッフが作ったというこの映画。

    映像はかなりかっこいい。

    もう少し話がしっかりしていれば満点です。

  • Trainspottingの原作者が原作。クズ警官が壊れ堕ちていくと共に後半は面白い。ラストシーンにつながる過程がいまいち納得いかなかった。

  • [鑑賞方法:シネマライズにて]

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