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- / ISBN・EAN: 4580416630016
感想・レビュー・書評
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眼には眼を・・ いいことはない。
あれよあれよという間にまさかの展開。水の無い、言葉の通じない、価値観の違う砂漠のなかに墜ちてゆく・・
原作:ヴァエ・カッチャ(アルメニア生まれ)
1957フランス
2018.11.12レンタル詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
砂漠の国シリアの小都市トラブロスの病院の、仏人医師ヴァルテル(クルト・ユルゲンス)は、ある女性の診療を断ったせいで一人の男につけ廻され始める…。
前半はボルタク(フォルコ・ルリ)がヴァルテルに対し親切にしたり嫌がらせをしたりと、どこまで主人公を貶めたいのか計り知れず不気味です。
そして、ヴァルテルを砂漠に誘い出す後半は、希望を与えておいて絶望させるの連続で無間地獄のよう。ラストシーンの空撮とボルタクの哄笑は絶望しかなくトラウマになります。
ただ、いいタイミングでガソリンがなくなったり、ヴァルテルが良心で遠い村まで足を運んだりなどご都合主義的な部分もあるのが残念なところです。 -
簡単にいえば後味の悪い作品に入るでしょう。理不尽な話だけどそもそも死というものじたいが理不尽なもの。どこかに妻の死の理由を求めてしまうのはしかたがない。職業倫理に反したわけじゃなく、単なる男の逆恨みになるんだろうけれど、『眼には眼を』の言葉通り、最初はそれ以上の報復をするつもりじゃなかったはずだ(ハムラビ法典は過剰な罰を禁じています)
絶望的な展開は男と医師、どちらもがお互いを追い詰め過ぎた結果。お互いもう少し冷静ならば、意地を張らなければ違ったかもしれない。どこまでも続く砂漠や山の景色のように厳しく寂しい映画だ。