ホドロフスキーのサイコマジック・ストーリー [DVD]

監督 : ギウリア・ブラザール  ルカ・イメッシ 

出演 : デシレ・ジオルゲッティ  イヴァン・フラネック  アンナ・ボナッソ 

• アルバトロス

感想・レビュー・書評

[hhhtmcnerdさんの感想 · 2018年11月8日]

前衛芸術って…
要は言い切ったモノ勝ちではなかろうか？
表現とは個々人が放つ自己主張でしかない。ただ芸術家の芸術家たる所以は他者の評価など御構い無しに自分の内なる熱情を得心するまで排出し続けるエネルギーがある事なんだと私は考えて来ました。芸術に対する評価はファッションや音楽などと同様で特に視覚と聴覚に直接訴えかける初見の事象である。
初めて見た！初めて聴いた！こう言ったこれまで受けたことのない感覚とか印象が「格好いい」と表現される。
格好いいの様によく分からないものと芸術は五十歩百歩だと考えられる。
それは機械的に再現できる精密な美しさとは違っていて、一個人にしか出せない線や色の組み合わせのようなモノなのだと思う。
幾何学的な精緻で規則正しさも美の一つであるが、それは神の理とも言える数学的な美しさであって芸術とは言えない。芸術とは生身が生み出す動的で不揃いなその熱情がその環境や創造物と結実することで生まれ出づる不均衡な調和なのだと思います。
堕胎したことで精神的に負ったダメージを癒すため、儀式として擬似出産を行い、母として出産を体験し、苦しみと共に産まれてきた子供をだけれど不幸にして死に別れてしまった我が子を擬似埋葬する事で女であり母親であった務めを果たす…
私は女性ではないので本当に理解出来ているか判然としませんが、奇妙な手法かもしれませんが何故かストンと腑に落ちるような理に適った治療のような気がしました。身を滅ぼすような傷を胸中に負ってしまったとしても女として母として得心を出来る事で収まるところに収められたんでしょうね。
それにしても男の駄目っぷりに目を覆いたくなります。残念ながら男って弱いんです…

[tarazirushiさんの感想 · 2017年3月18日]

リアは恋人でサディストのヴィクトルの子を妊娠した。
中絶して自殺未遂をしたリアは精神科医の勧めで田舎の叔母の家で静養するが、ヴィクトルも後を追ってきて･･･。

ホドロフスキー原作のサイコマジックを映画化。
ホドロフスキー本人も俳優の1人として出てきます。
らしい映像ではあるけれど、ホドロフスキー本人が監督やったらもっと尖って面白くなるだろうと予想出来ちゃうんだよなぁ。