これもまた,邦題と原題との違いが気になる映画だ。
邦題の「愛と青春の旅立ち」というのは,なんとも,直接的な言葉なので「青年の男女が自立していく映画なんだろうな」と予想させるが,原題の原題の「An Officer and A Gentleman」は直訳すると「一人の事務員と一人の紳士」となって,これがなんだかよくわかんない。
で,あるレビュー子によると,
ネイティブ的には「一人の士官と一人の軍曹」が正しい日本語訳
だということらしい。
ということは,あの軍曹がとても大切な存在に思えてくる。
確かに,この映画のよさは,あの軍曹の「本気の愛」にありそうだ。一見鬼軍曹に見える彼の,言葉づらでは現れない「士官学校生に対する愛(それはたぶんUSAへの愛国心につながっているのだろうが)」が,伝わってきて,とても心が温まる。特に,最後の1人1人と挨拶する場面は,いい。
こうなってくると,もうひとつの流れである「若い男女の関係」は,付け足しのようなものじゃないかとまで思えてくる。そうそう,友情も描かれているが,これもまた気持ちのいい内容だ。
それにしても,邦題ってなんでこんなんだろう。
昔は,よく曲名にも邦題があったよなあ。
たとえばビートルズの曲でも「涙の乗車券」「悲しみはぶっとばせ」「夢の人」(アルバム『HELP』より)なんてね。だれが考えてつけるんだろう。原題のママでいいと思うけど。