◆笑って、ほろり…そしてハッピーエンド◆
プロテクター号が宇宙で遭遇する冒険ストーリー『ギャラクシー・クエスト』は熱烈なファンたちを得て魅了させた人気番組。 20年を経た今なお、このオタクファンたちは番組のクルーを集めたコンベンションに、未だその冷めやらぬ熱狂ぶりをもって押し掛ける。
だが- - -
ひょんなことからこの会場に4人のサーミアン星人がやって来る。 何と彼らはこの『ギャラクシー・クエスト』をドキュメンタリーと堅く信じ、ヒーローであるタガート船長にサーミアン星人を苦しめてくる者たちをやっつけてほしい!と、実物のプロテクター号を設えて救いを求めて来たではないか!! ヒーローぶりつつも、「しらけ」と「呆れ返り」のミックスで俳優陣の面々は乗り込んで行き***
(1) 一人一人のキャラクター設定が実にユニークで面白いです。個人的には、アラン・リックマンが扮したエイリアンのドクター・ラザルス。 劇中での決め台詞、「トカゲ頭に誓って・・・」の行りに、彼自身が過去の栄光にとらわれ嫌気を感じ(シェークスピア劇の役者だったというプライド)、コンベンションへの出演も拒んだりと・・・
この辺り、もしかすると《役者さんにとってはシビアに体感される方もおいでか?》といった思いが過り、リックマンの演技に共感すること頻りだった。リックマンはどことなく『スター・トレック』でレナード・ニモイが扮したスポックと重なってくるものがあったので殊更に面白かった。
(2) 次いで、絶妙だったのはマディソン中尉に扮したシガニー・ウィーヴァー。 まさしく20年前に『エイリアン』でリプリー役に扮し、最強の女性を演じて見せて下さった彼女。 そんな彼女が何と本作の劇中番組では、指示をリピートすることがお仕事とという低スキルの中尉さん役。 ユニフォームから豊かな胸の谷間を覗かせるセクシーさが売りのキャラクターという設定。 『エイリアン』と同じSFでも、ここまでおちゃらけたSF作品に彼女自身がとても楽しみながら演じているのが伝わってきて、何だかうれしくなった。
それにしても、サーミアン星人さんたちが可愛かった。マセザーに扮したエンリコ・コラントーニ、「つぼ」に填ってしまった。 同じ手と足を出す歩行といい、話し方のイントネーションといい、顔色悪しの血色(メイク)といい、友好的で優しそうなサーミアン星人さん、ナイス!
私の好きな男優さんに含まれていますサム・ロックウェルもここでは実に良い味を添えてくれている。 台詞も無いような端役しか貰えていないことを共演仲間に愚痴っていた彼が、結末ではルンルン気分でステージ挨拶へ! レビュータイトルにさせていただいた内容満載の「元気+希望」が貰える作品だった。
*蛇足までに…*
技術主任チェンさん、サーミアン星人と恋に落ち、何とテイクアウトされてしまう。 ベビーが生まれて、「続編」が製作されたら暁には、是非また観させていただこう(笑)