プリズナーズ [Blu-ray]

監督 : ドゥニ・ヴィルヌーヴ 
出演 : ヒュー・ジャックマン  ジェイク・ギレンホール  ポール・ダノ  ヴィオラ・デイヴィス  マリア・ベロ 
  • ポニーキャニオン (2014年10月2日発売)
3.90
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  • レビュー :20
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013059382

感想・レビュー・書評

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  • 感謝祭中の田舎町で、少女が失踪します。
    父親は捜査に手間取る警察に不満を覚え、自身
    の手で事件解決を決意する。そして危険をかえ
    りみず容疑者を監禁し激しい拷問を始めます。
    娘を誘拐され犯人捜しに躍起になる正義感あふ
    れる父親の奮闘劇です。
    刑事役のジェイク・ギレンホールのニヒルな役
    も見事にハマっていて容疑者役のポール・ダノ
    の演技も素晴らしいと思いました。
    主演のヒュー・ジャッマンはX-MENとは全然
    違った役で、これからもこういう役の映画に出
    演して欲しいと思いました。
    長い映画ですが息をつく暇もないくらい緊張し
    ながら観た作品です。

  • 1時間ほど経ってから見始めたので、謎解きの面白さはそれほど味わえなかったが、見ごたえがあった異色サスペンス。
    無罪の青年に対する誘拐された父親が行う拷問シーンは必要なシーンとはいえ辛かった。

    以下ネタバレ引用
    【1.登場人物説明】

    ●ドーヴァー家
    ケラー・ドーヴァー(父): ヒュー・ジャックマン
       家のリフォーム業。
       貧乏。(冒頭近くの、ローン云々のセリフから)
       その父は刑務所看守だったが、昔の自宅で自殺。(理由不明)
       その後荒んで飲んだくれた時期もあったようだが、今は9年間禁酒中。
    グレイス・ドーヴァー(母): マリア・ベロ
    ラルフ・ドーヴァー(長男): ディラン・ミネット
    アナ・ドーヴァー(娘): エリン・ゲラシモビッチ
       誘拐される。

    ●バーチ家
    フランクリン・バーチ(父): テレンス・ハワード
       職業・・・何だっけ?何にせよあまり筋には関係ない。
       真面目で良い意味で普通な人。
       ドーヴァー家よりは裕福。
    ナンシー・バーチ(母): ビオラ・デイビス
       獣医。
    イライザ・バーチ(姉): ゾーイ・ソウル
    ジョイ・バーチ(娘): カイラ・ドリュー・シモンズ
       アナと同時に誘拐される。数日後、脱出成功。

    ●警察
    ロキ刑事: ジェイク・ギレンホール
       昔はかなりのやんちゃ男で、少年院収監経験あり。
       現在は優秀な刑事で、担当事件は全て解決してきた。
       州警察への引き抜き話も来ている。
    署長: ウェイン・デュヴァル

    ●犯人とその関係者
    ホリー旦那: 神父宅地下のミイラ
       名前不明。
       円形の迷路型のネックレスを着けている。
       敬虔なキリスト教徒だったが、息子が癌で死んだ事をきっかけに信仰を失う。
       神に対する挑戦として、他人の子供の誘拐を夫婦で始める。
       子を失った(誘拐された)親が悪魔のようになる(ヒュー・ジャックマンが一線を越えた
       ように)様に仕向ける=神(信仰)への挑戦。
       キャンピングカーで子供の興味を引き、寄ってきた子に特製ドリンク(麻薬の一種)を
       飲ませて無抵抗状態にした上で誘拐する方法を使った。
       迷路と蛇が大好き。(ちなみに蛇はサタンの象徴)
       迷路が解けた子供は逃がしてあげた。
       その他の子供は殺した。16人(自称)の子供を殺害。
       しかし、神父にその事を告解した後、行方不明に。
       実は神父により殺害され、神父宅の地下室でミイラとなっていた。
    ホリー・ジョーンズ(伯母): メリッサ・レオ
       今回の2少女誘拐事件の真犯人。
       旦那が行方不明になった後も子供の誘拐を続けていた。(被害者数不明)
    ホリー息子: 話にしか登場しない
       名前不明。(現アレックスが正式に養子として登録されている以上、アレックスではない)
       伯母曰く、幼少時に癌で死亡。
    アレックス・ジョーンズ: ポール・ダノ
       第一容疑者。
       実は、ジョーンズ夫妻による子供誘拐の最初の被害者。
       本名はバリー。
       誘拐される前は普通の利発な子供だったらしい。(誘拐前のビデオ映像からわかる)
       特製ドリンクと誘拐のショックと頭部への怪我により、現在10歳程度のIQしかない。
       生かされて養子として育てられていた理由と、その養子登録の方法は不明。
       (伯母が、妹夫妻が交通事故で亡くなりその子を引き取り養子にした、と言っていたが、
       その子(本物のアレックス)が過去に実在したとしたら・・・)

    ●その他関係者(被害者、他)
    神父: レン・キャリオー
       性犯罪歴あり。元(?)小児愛好者。
       神への挑戦として子供の誘拐・殺害を繰り返していた男の告解を聞き、その男を殺害。
    ボブ・テイラー: デヴィッド・ダストマルチャン
       第二の容疑者。
       実は彼もジョーンズ夫妻による子供誘拐の被害者の一人。
       迷路を解いたため解放された。
       薬物(特製ドリンク)の影響で誘拐されていた間の記憶は無いが、精神を病み、
       自分が経験した誘拐の再現(模倣)に固執している。
       実際に子供を誘拐するのではなく、被害児童の服を家から盗んだりする。
       衣服に付ける血は、豚の血を使用。
       今回の2少女誘拐事件には、直接的には無関係。
       ホリー・ジョーンズにも、容疑者として報道されるまで存在を忘れられていた。
    ミランド夫人: サンドラ・エリス・ラファティ
       バリー(現在のアレックス)の実の母親。
       夫(父親)については今はいない模様だが、不明。
       (アレックスが「彼は来なかった」と語った言葉と何か関係あるかもしれない)


    さて。
    以上は、伯母(ホリー・ジョーンズ)の言葉を基本的に真実として踏まえた場合、という注釈が必要な個所が多いです。
    しかし、アレックス(伯母の家含む)が警察に調べられた際に不審な点が無かったという事なので、前提として考えて差し支えないと思います。

    次は更なる補足を加えて、時系列整理。
    うろ覚えな所もあるけど、それをはっきりさせる為に、すぐもう一度観たいかと言われると、そこまで意欲は湧かない。
    そういう意味では、「羊たちの沈黙」や「セブン」に並ぶ傑作、というのは言い過ぎというのが正直な感想。
    まぁ、分かりやすい話(アクション映画系)が好きな私の感想ですけど、こうやって整理していけば破錠なく説明や推測がついていくのだから良い物語です。


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    【2.時系列順でストーリー詳細】

    ●20数年前

    ジョーンズ夫妻の息子が癌で死亡。
    これを機に、キリスト教徒だった夫妻は信仰を失い、神に対する挑戦(子供の誘拐によって他人の信仰も失わせる)を始める。
    まず、バリーを誘拐し、アレックスと名付け養子とする。
    アレックス(元バリー)は頭部の怪我(虐待?)により知的障害に。

    一方、大体同じころ、ケラー・ドーヴァーの父親が自宅で自殺。
    一家は引っ越す。
    (小説版では、母親もその後心身を病んで死亡したらしいです)
    しかし、ケラーは(ジョーンズ夫妻と対照的に)敬虔なキリスト教徒であり続ける。

    一応、これは神(ケラー)と悪魔(ジョーンズ一家)と異教徒(ロキ刑事)の3者でおりなされる物語となっています。


    ●数年前くらい

    ジョーンズ夫妻は、それまでに16人の子供を誘拐&殺害。
    (迷路を解いた子供=ボブ・テイラー=後の第二の容疑者、は薬で記憶を失わせた後、解放した)
    ジョーンズ旦那は信仰を捨て切れていなかったのか、この時点で神父に告解する。
    その場で神父により地下室に監禁&殺害される。
    神父のその行動理由は説明されないが、神父自身、小児性愛者で性犯罪歴があり、それゆえにこの男を許せなかったものと思われる。
    ジョーンズ旦那は行方不明扱いに。
    残されたホリー・ジョーンズ(伯母)は神への挑戦(子供誘拐)を続ける。
    旦那が飼っていた蛇は庭に埋める。(アレックスが蛇嫌いだったから?)


    ●現在(映画スタート時)

    感謝祭の日、ドーヴァー一家は近所の友人宅(バーチ家)に招かれた。
    そこで、6歳の娘アナが、友人の7歳の娘ジョイと一緒に「家に(113日前に無くした)ホイッスルを探しに行く」と出て行く。
    娘たちは家でホイッスルを発見。
    バーチ家への戻り道で、キャンピングカーに興味を引かれて近付く。
    キャンピングカーの中(後部)にいた伯母が、2人に特製ジュース(麻薬)を飲ませ、2人がおとなしくなった所で車に乗せて誘拐。運転はアレックスがしていた。
     ・アレックスは知的障碍者だが運転免許所持
     ・伯母いわく「アレックスは娘達には指一本触れていない」
     ・アレックスいわく「ドライブしてた」 (※アレックスは嘘発見器をパスしている)
     ・鑑識「車内には争った等の形跡なく、物的証拠が残っていない」
     ・伯母「特製ジュースには人を無抵抗にする効果がある」

    娘2人の行方不明が判明後、ケラーが警察に通報。
    娘たちは行方不明になる直前、近所に停めてあったキャンピングカー(RV車)に興味を惹かれていた事から、警察は該当車を捜索。

    その夜、雑木林沿いの道路に停めてあるキャンピングカーが発見され、ロキ刑事が車に近寄ると、車は急発進した挙句、雑木林に突っ込み故障。
    ロキ刑事は運転していた男アレックスを拘束。
    尋問を行うが、アレックスは犯行への関与を否認。

    鑑識は、彼の車と、伯母の家も調査したが、物的証拠見つからず。
    (この時、娘2人は庭の車の下の穴の中)

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    ●アレックス拘束から48時間後

    警察は証拠が全くないため告発できず、アレックスを釈放。
    警察署から出て来たアレックスにケラーが掴みかかるが、その時、アレックスがボソッと
    「僕がいる間は泣かなかった」と発言。(ケラーにしか聞こえていない)
    ケラーは彼が真犯人だと確信し、ロキ刑事が伯母宅に出向きアレックスに発言の真偽を問い質しに行くが、アレックスは「何も言っていない」と発言を否定。
    (この時もまだ、娘2人は穴の中)

    その夜、ケラーが伯母の家を見張っていると、犬の散歩に出てきたアレックスが、誘拐される直前に娘たちが歌っていた替え歌を口ずさんでいるのが聞こえる。
    真犯人であると完全に確信したケラーは、アレックスに銃を突きつけ、誘拐。
    今は廃屋となっている昔の実家にアレックスを監禁。

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    ●アレックス監禁開始

    ケラーはフランクリン(ジョイの父親)を連れて昔の実家へ行き、監禁したアレックスを見せる。
    ドン引きするフランクリンだったが、2人でアレックスへの拷問を開始。
    フランクリンがアレックスを羽交い絞めにし、ケラーが素手(タオルは巻いてる)でボコボコに殴る。
    数日間殴り続けるが、アレックスは何も吐かず。

    一方、アレックス失踪について署長に対して怒ったロキ刑事だったが、とりあえずそれは置いておいて、半径10マイル内に住む性犯罪歴のある9人の戸別訪問を行う。
    夜に、そのうちの1人である神父宅を訪れると、神父は泥酔して熟睡中。
    家宅捜索をすると、彼の家の隠し地下室から、ミイラ化した男の死体(円形迷路のネックレスを着けている)が発見された。
    神父を逮捕。
    死体の男の歯型や指紋は警察の登録に該当が無く、身元が判明しない。
    神父の供述によると、そのミイラ化した男は、神への挑戦と称して16人もの子どもを誘拐して殺した事を告解した男だったとの事。

    過去にこの辺りであった誘拐事件を調べるロキ刑事。
    そこで見つけたバリー少年失踪事件(20数年前)について、バリーの母を訪ねると、彼女は「バリーが誘拐されたときにもキャンピングカーが目撃されていた。同一犯ではないか」と言う。

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    ●第二の容疑者出現

    誘拐事件被害者であるカーヴァー家・バーチ家の前に、人々が集まり応援と祈りの為に家の前に蝋燭を置いて行っている。
    その様子を眺めるロキ刑事。
    ふと、その人々の中に挙動不審な男を発見。
    男は目が合うと逃げ出した。
    容疑者として似顔絵を公開し、情報提供を呼びかける。

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    ●フランクリンの妻にアレックス監禁がばれる

    似顔絵を見たスーパーマーケット店員から警察に通報がある。
    「この男がよく来て、サイズがバラバラの子供服を買っていく」と証言。

    ここで、新容疑者の登場によりアレックスへの疑念が薄れたフランクリンの心が折れる。
    アレックスを拷問し続けることに良心が耐え兼ね、妻(ナンシー・バーチ)に話す。
    ナンシーはケラーに詰め寄り、アレックスに会わせるよう要求。
    ケラー・フランクリン・ナンシーの3人でアレックスに会う。
    (この時の腫れ上がったアレックスの顔がなかなか衝撃的。)
    その時、手を縛る縄を解かれたアレックスは逃走を図るが3人により取り押さえられ、再拘束される。
    バーチ夫妻(フランクリン&ナンシー)は先に帰宅。
    残ったケラーに対して、アレックスは「僕は本当はアレックスじゃない」と呟く。
    意味が分からずイラつくケラーは、殺さないよう更に拷問を加える為の部屋を制作。
    座るのも困難な狭い暗室に閉じ込め、冷水や熱湯を浴びせる仕組み。

    翌日、ケラーは完成した拷問部屋をバーチ夫妻に見せる。
    壊してアレックスを解放しようとしたフランクリンを、妻ナンシーが制止。
    ケラーに拷問を続けさせるが、自分達はこれ以上関わらない、という決断をする。

    その同時刻、第二の容疑者が、バーチ家とカーヴァー家それぞれに不法侵入。
    誰にも見つからずに去る。
    ただし、寝室で寝ていたグレイス・ドーヴァー(ケラーの妻)が娘(アナ)の部屋の物音で目を覚まし、先ほどまで閉まっていた窓が開いていた事から警察に通報。
    かけつけたロキ刑事だったが、精神的に参り鎮静剤を服用しているグレイスの言葉をあまり深刻に受け止めないロキ刑事。
    むしろ、ドーヴァー家の地下室の様子(死体処理にも使えるアルカリ剤が使い掛け)や、妻が語った「ケラーは毎日警察と一緒に娘の捜索に出かけている」という言葉から、ケラーに疑念を持つ。

    実は、第二の容疑者は、それぞれの娘の部屋から衣服を盗み出していた。
    (後に、ドーヴァー家の開いていた窓の下に、足跡と、盗み出した際に落とした靴下の片方が見つかる。)

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    ●第二の容疑者を逮捕、そして

    翌日、ケラーに疑念を持ったロキ刑事がケラーを尾行するが、途中でばれて、ケラーはアル中逆戻りの振りをしてはぐらかす。
    しかし、後日、ロキ刑事は、その場所がケラーの元実家の近くであることを知り、元実家(廃屋)を訪問。
    中で、飲んだくれて酔いつぶれ(た振りをし)ているケラーを発見。
    その場所にアレックスを監禁しているのではないかと疑うロキ刑事は、ケラーに廃屋内の案内をさせるが・・・、その途中で、スーパーマーケットから「第二の容疑者が店に現れた」と通報を受け、廃屋内の調査を中断。店員から聞き出した車のナンバーから容疑者の家を突き止め、訪問する。
    その男(ボブ・テイラー)を取り押さえたロキ刑事は家内部を調査。
    錠前がかかった怪しい箱をいくつも発見し、こじ開けると、中から出てきたのは・・・子供の遺体ではなく、蛇と、血の付いた子供の衣服。
    ボブは、「子供は殺した」と供述する。

    発見された子供の衣服の写真を、バーチ夫妻とケラーに見せるロキ刑事。
    娘2人のそれぞれの服が、その中に含まれていた。
    衝撃を受けるケラーだったが、娘の生存とアレックスが事件に関わっている事を信じ続けるケラー。

    その夜、子供の遺体の場所の地図を書くと言いながらひたすら迷路の絵を書き続けるボブにしびれを切らし、掴み掛るロキ刑事。
    止めに入った警官2人ともみ合っている隙に、ボブは警官の腰の銃を奪い、自殺してしまった。

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    ●ジョイ(バーチ家の娘)が脱出

    翌日、ロキ刑事は、ボブが書き遺した迷路の絵が、神父宅で発見されたミイラが身に着けていた迷路ペンダントと同じである事に気付く。
    ボブ宅の庭からは、顔をつぶされたマネキン2体が発掘されたのみ。
    軽視していたケラーの妻の証言(窓が開いていた)を思い出したロキ刑事は、その窓の下でアナの靴下の片方を発見。
    ボブは誘拐事件の犯人ではなく、模倣犯に過ぎないことが明らかになった。


    一方、残された時間が短い、と焦るケラーが、アレックスへの熱湯攻めを敢行中、アレックスが「あの子たちは迷路にいる」と呟く。
    迷路の意味・場所については答えない。
    育ての親(伯母)であればそれが何か知っているかもしれない、と考えたケラーは、アレックス失踪に責任を感じていると称して伯母宅を訪問。
    会話の中で「迷路」という言葉を持ち出すが、伯母はその言葉に関心を見せなかった。
    帰っていくケラー。

    実はこの前に、アレックス失踪で寂しくなった伯母は、誘拐した少女2人を地下の穴から出して家の中に置いていた。
    ケラー訪問中、娘2人は口にテープを貼られており、ケラーに救出を求める声は届かなかったが、この隙に2人は脱出。
    しかしアナは途中で伯母に捕まり、ジョイだけが逃げおおせて保護された。

    病院で、保護されたジョイを見舞うカーヴァー夫妻。
    アナの安否を訪ねるケラーに、ジョイは「あなたもいた」と答える。
    事件後にいた場所(特に今日)は、元実家と、あとは伯母の家しかない。
    伯母が共犯者(または主犯)と確信したケラーは病室を飛び出す。
    そこへ駆けつけたロキ刑事。

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    ●真犯人との対決

    ケラーは、伯母宅を再訪問。
    伯母に娘の居場所を問い詰めようとしたケラーだったが、逆に銃を突きつけられ、特製ジュースを飲むよう強制されてしまう。
    さらに、片足を撃たれた上で、外の庭(車の下)にあった穴に閉じ込められてしまう。
    その中には以前、娘(アナ)もいたという。
    穴の中で娘が持っていた笛を見つけ、涙を流すケラー。
    伯母はケラーが乗ってきた車をどこかへ捨てに行く。

    一方、ロキ刑事は、ケラーが向かった先を元実家だと勘違いしていた。
    元実家に駆け付けたロキ刑事は、拷問部屋を発見し、中からアレックス(生存)が発見された。
    署長はロキ刑事に、アレックスが保護された事を伯母に伝えに行くよう命令する。

    伯母宅へやってきたロキ刑事。
    物音が聞こえるが返事は無い。
    中に入ると、ミイラが着けていたものと同じ迷路型ネックレスをした男性の写真(伯母の旦那)に気付いた。
    子供の誘拐・殺害をしていたのはこの男、ということは、その妻である“伯母”はその共犯者であり、今回の主犯であるかもしれない。
    ロキ刑事が銃を抜いて更に奥の部屋に進むと、床に横たわった少女に何かを注射中の伯母を発見。
    止めるよう呼びかけるが、振り向きざまに銃撃してきた伯母と撃ち合いとなり、ロキ刑事は頭部にかすり傷(と言っても銃弾による傷ですからね)を負い、伯母は死亡。
    (この時注射されていた薬品は、アナを殺すためのものだったと思われるが、これについてはちょっと後述します。)
    ロキ刑事は危険な状態となったアナを車に乗せ、必死に救急病院に担ぎ込んだ。

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    ●結末

    処置が間に合い、回復に向かったアナ。
    治療を終えたロキ刑事に、カーヴァー家・バーチ家が感謝を伝えに来る。
    この時、アナが首からかけていた赤い笛について尋ねたロキ刑事に対して、「これは新しく買った笛なの。誘拐される前に、以前無くした笛を見つけたってアナは言ってるんだけど」と答えるグレイス(母親)。
    ケラーは、行方不明の状態。
    アレックスを監禁暴行した罪から逃亡中と思われているらしい。
    彼が見つかれば彼を投獄することになると思う、と言うロキ刑事。
    しかし、ケラーがした事(拷問)には感謝していると答えるグレイス。

    アレックスも、本当の実家に戻ったことが報道されている。

    伯母宅の庭の発掘調査が始まった。
    しかし今のところ地中からは蛇の死体しか見つからず、夜になり、凍った土の発掘作業が困難だったことからその日の発掘作業は終了となる。
    最後まで見守っていたロキ刑事も立ち去ろうとする。
    かすかに笛の音が聞こえたような気がする。
    「空耳か…」と苦笑して立ち去りかけたが、改めて聞こえた笛の音に表情を変えて振り向くロキ刑事の顔のアップで、END。

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    以上。
    一概にハッピーエンドとは言えないけど、このストーリーでは一番のグッドエンドを迎えたと思います。
    エンディング時にはケラーが足を撃たれてから約24時間経過しており、ケラーは瀕死の状態と思われますが、おそらく発見され命は助かり、アレックス監禁暴行の罪で収監されることになるのでしょう。
    しかしなんだかんだ言っても、ケラーの倫理の一線を越えた行動がなければ、この事件は解決しなかったというオチでした。
    プリズナーズ(囚人達)。
    エンディング時点やこの後のケラーも、誘拐された子供たちも、劇中のアレックスは二重の意味で、みんな囚われ人。
    なんだったら、州警察への栄転が無くなったっぽいロキ刑事も、息子の死から犯罪に走り続けていた伯母も、薬による眠りに逃げ続けるだけのグレイスも、実家に嫌気がさしつつ出ていけないジョイの姉も、囚われ人に含まれるのであれば、みんなみんな囚われ人。
    そんな題名なのでした。



    【3.補足】


    以下は、ちょっとだけ推測等で上記解説の穴埋めをしてみます。

    アレックスについて。
    アレックスがほぼ沈黙を貫いた理由も、時々呟いた言葉の意味も、明確にはならないまま終わります。
    「彼は来なかったんだ。僕は遊びたかっただけなのに」というのが一番意味不明。
    推測としては、彼の本当の父親の描写が一切無いので、母子家庭だったかもしれません。
    もしかするとアレックス(バリー)誘拐された際、「言う事を聞いて良い子にしてれば、父親が迎えに来て一緒に遊んでもらえるよ」とか言い聞かされていたかもしれませんね。
    また、単純に、自分は誘拐された時に家族(父親)が助けに来てくれなかった、という事を言いたかったのかも。
    最初にアレックスが逃げようとしたのは、単純に捕まったら良くないことになると思った、程度で深い理由は無いような気がしていますが、いかがでしょう。
    誘拐され20数年たち、知的障害があるばかりか、散歩中の犬の首を吊る危険な一面も見せていた彼が、そこから更に一週間の監禁&拷問を受けて・・・、その状態の彼が戻ってきた本当の家族は今後さぞ大変でしょう。
    この映画はフィクションとはいえ、似たような現実の事件があった事も思い出されます。


    子供たちの(遺体の)行方。
    庭の地中からは(まだ一部しか掘削されていませんが)、蛇の死体しか見つかっていません。
    被害者の一人であり模倣犯であったボブ・テイラーの家の様子を思い出してみましょう。
    庭には、顔をつぶされたマネキン2体が埋められていたので、同じような状態で子供たちが埋まっている可能性は高くあります。
    もう一つの可能性を示しているのが、豚の首。
    豚の首は流しの中に置いてありました。
    ここで、伯母の家で、ケラーが携帯電話を流しの中のディスポーザー(生ごみを砕いて下水に流す装置)に捨てらされた描写があったことも思い出してみましょう。
    もしかすると、子供たちの遺体は、流しからディスポーザーを通して下水に流し捨てられたのかもしれません。
    どっちにしてもむごい話。


    こんなところでしょうか。

    神(ケラー)と悪魔(ジョーンズ家)と異教徒(ロキ刑事)を象徴する3者がおりなす物語であることを示すものがあそこにもここにも、というような考察は、私にはあまり興味が無いのでしません。
    ググるといっぱい見つかると思います。

    あとは、この映画の脚本家による小説版が発売されているようなので、そちらも読むとしっかり補完されるかもしれませんよ。
    例えば、小説版には、ラストでアナが打たれる注射についての説明もあるようです。
    こういう事だそうです。↓

    第二の容疑者(ボブ)が逮捕された後、ナンシー・バーチ(ジョイの母親。獣医)が廃屋にいるケラーを尋ねてきて、「自分たちの保身のためにこれでアレックスを殺せ」と言い、ペット安楽死用の薬と注射器を渡した。
    しかしケラーはそれを使わないまま、工具箱に入れておいた。
    伯母宅にケラーが乗り込んだ際、箱をあらためた伯母が注射を発見。(映画には銃を見つけるシーンはある)
    信仰心の厚いケラーをより苦しい地獄に落とす為、ケラーが持ってきた毒で娘を殺してやろう、というのがあの時の伯母の行動。

  • お化けや幽霊よりも
    人間が一番怖いって云うけど、
    この作品見ると
    「ほんまやなぁ…!!!」
    …って
    実感します。

    日本でも、
    子供の失踪事件は度々起こる事なので
    あの、
    ちょっとした隙に、
    今の今まで居た人間が
    どこぞに…
    まるで消えるようにいなくなってしまう
    …そう云う恐怖。

    …そして、
    わけのわからない理由で
    (まあ…
    本人には身勝手なそれなりの理由があるんだろうけど…)
    自分の不幸の憂さ晴らしをする人間が
    存在する怖さ。


    どうでもいいようなシーンをカットして
    二時間弱にまとめたら、
    『エンターテインメント作品』として、
    いいものになった気がします。

    続きは、⇒ http://noinu.blog.fc2.com/blog-entry-118.html

  • 神信じる者とその反対の神に闘いを挑む者、というバックグラウンドのテーマがまずあって、その上にストーリーの層が地層をなしているわけですが、この手のストーリーに慣れてないと分かりにくいかも。エンディングの含みの持たせ方がねー。

  • ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールの演技が素晴らしい。ストーリー的にムムムという感じの弱い部分があるけど、この二人の演技で引き込まれてしまい、全体的には良い作品だと思う。映像が凄く綺麗というところも捨てがたい。

  • 明確にその後を描いてる訳ではないけれど、最後に救いを見せるようなこの締め方は、個人的にすごく映画として良い終わり方だと思いました。

  • 役者の演技はよかったけどシナリオが…微妙。警察がトロすぎでしょ

  • 殴られた顔ってああなるのね…。ジェイクがでてる重い映画は本当に重い。ラストも重い。

  • 家族愛や倫理観、行いの善悪を描いた映画ではないと感じた。

    恐ろしく深い、人間の因果についての話。

    この映画では、神さえもそこに巻き込んで、深く深く織り込んでいく。

    「灼熱の魂」では暴力の連鎖に対しての批判的なメッセージは読み取れたが、この作品ではそれもない。

    ヒュー・ジャックマン演じる父親が犯罪行為に走ってしまった時点で、刑事役のジェイク・ギレンホールにラストであの視線の演技をさせることで、一切を鑑賞者に放り投げる。

    「あなただったらどうしますか?」と。

    ヒュー・ジャックマンが娘のために容疑者役のポール・ダノにリンチをしている最中、「彼が真犯人であって欲しい」と願った自分の心象に戦慄した。

    とても怖い経験をした。

    自分はその時、真実や人一人の命の尊厳よりも、自分の倫理観の範疇で理解できる単純な世界を望んでいたからだ。

  • ヒューマンサスペンス。

    自分の子供が誘拐されたかもしれない。
    そうなった時、自分ならどうする?って考えた時に、ヒュー・ジャックマン演ずる父親の行動は明らかに常識を逸したもの。確かに子供の命が掛かっているとはいえ、何故ここまでできる?という気持で観ていたけど、子供の頃から《何があっても生きていけるよう有事に備えよ》という教えを受けてきた父親。裏を返せば《何か起きた時には人に頼らず自分達で何とかせよ》と取ることで納得。

    物語の方は伏線が張りまくりなんだけど、その伏線のほとんどが観ている者をミスリードするもので、ラストまでモヤモヤさせながら一気に引っ張ってくれる。
    そしてジェイク・ギレンホール扮する担当の凄腕刑事とヒュー・ジャックマンの対決は見応えがあった。

    4.0点

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