サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ (中公新書) [Kindle]

著者 :
  • 中央公論新社
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 39
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (326ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 非常に興味深く読ませて頂いた。
    サブリミナルという普段馴染みの無い単語からこのような多彩な話題を取り上げることのできる著者の能力に脱帽する。また話の流れも整理されていてとても分かりやすい。

    だが個々の内容については単独の報告から類推した想像の域を出ない結論が散見されるように感じる。
    この研究の分野は「認知科学」?
    この分野の研究の方法がよく分からないでいる。普通の科学分野の研究ならば仮説→検証→修正などと進めて行くはず。
    しかし、この本は特殊なケースを対象とし、再現不能な結果を頼りに仮説を立てるやり方を取る。この実験の結果は果たして信用できるのか。
    何か調べたい事があって実験を行ったはずだが、それは何か。何故その実験を行ったのだろう。それは先入観による偏見を含まない結論なのか。
    前半で多く取り上げられる様々な、研究者の『例』の信頼性に疑問符がつく。特殊な例を一般化し過ぎではないのか。
    実験というよりも症例のような気がしてしまう。
    話としてはとても面白く、ワクワクしながら読ませて頂いたのだがこういった点は気になるところ。

    最終章「私の中の悪魔」て取り上げられる機械的決定論の話は、分からないながら、読書中の〈人間の測りまちがい〉との対立する点などもあり興味深かった。("ビルのネズミ"の例は反論も多いだろうが)

    自分で思っているほど自分は自分のことを分かってはいないようだ。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

カリフォルニア工科大学教授

「2019年 『潜在認知の次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下條信輔の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×