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感想・レビュー・書評
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鎌倉殿の13人が面白すぎてノー興味だった鎌倉時代ものを読んでみた訳だ。
死と穢れを忌み嫌い恐れた朝廷と、流血と殺戮を武家の誉れとする坂東武者との間に立ち、朝廷にとっては穢れへの防壁役であり、坂東武者達のアイドルであり代弁者でもある。
そんな軍事貴族≒武家の棟梁の二面性を語る良書。
鎌倉殿の13人で言うなら、なぜ上皇が源家将軍に親しみ北条義時を排斥するのか、本書を読んでわかるような気がした。河内源氏は皇室の分流の軍事貴族であって、今は坂東に本拠を置いても源家の本貫の地は京都近国の河内にあり、院の近臣や北面の武士として朝廷に仕えてきた、いわば身内。
たとえどんなにヤバい奴であっても価値観を共有した者同士の安心感があったのだろう。
ところが上皇にとって北条義時は剥き出しの坂東武者そのもの。
それも朋友同僚を容赦なく殺戮し、内ゲバを制した鬼畜の親玉が義時だもの。
死刑を廃止して400年も風雅にすごしたお公家さん達から見たら義時は物怪と変わらないよ。
雅な上皇様から見れば、死臭と穢れの巨魁で、人の子と言うより鬼そのもの。
鬼舞辻無惨(鬼滅♫)と手を携えて天下国家を経営するなんて、無理だわね〜。承久の乱ってそうゆう事ね、と納得。
たとえ天皇の権威が絶大な時代でも、圧倒的な武力を持つ幕府執権に対して戦争しかけるとか、リスク高すぎだよね。
後鳥羽上皇は最後でコケたが、治承・寿永の源平争乱から鎌倉初期の動乱の時代を自在に遊泳し君臨した異能の君主と考えてたけど、なんでハイリスクな挙兵をしたのだろ?とか不思議だったのです。
が、鬼王(北条義時ね♪)の侵略から神州を守る攘夷の戦ってなら勝ち負けの話では無かった訳だ。
鬼殺隊が絶対不利な状況でも鬼舞辻との決戦を避けなかったのと同じか!
と、なんかスッキリした的な(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示