端的にこの本を説明するとしたら、親子(正確には旦那とその義息)の3Pもしくは奪い合い。
でもそれだけじゃなくて、帰る場所がないが故に顔も知らない男に嫁ぐことを決めたヒロインと、そのヒロインを買うような形で手に入れた旦那さまと、父親の後妻に一目惚れしてしまった息子と、三者三様の心理描写がとても丁寧に描かれていて、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
またわたしは特に作者・藤波さんの描く性描写で、淫靡だけど清廉なところが好きです。ただひたすらなエロチシズムだけではない感じが、官能小説を読んでいることを忘れてしまいます。