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- / ISBN・EAN: 4523215114981
感想・レビュー・書評
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前作で当選したが自民党を離れた山さんが、今度は完全な独立候補として大震災直後の川崎市議選に怒りの出馬。
11年の川崎市議会議員選挙を追った想田和弘監督の観察ドキュメンタリー。
選挙運動といっても今回はポスターの剥がれを直して回って、後はハガキを出すだけ。想田監督は山さんと話したり、他の候補者を追ったりするのだが、これがめちゃくちゃ面白い。
選挙運動ってほとんどの人が見てなくて聞いてない。でもそんな唯一聞いてるのが他の候補者達なのがおかしい。公道での演説を撮影しないよう訴える候補者や選挙法の縛りでこういうことしかできないとカメラに訴える候補者などなど、とにかく面白い映像がてんこもり。
最終日に一回だけ防護服のコスプレで演説する山さん。自分への投票ではなく選挙への参加を訴える山さんと、その横でそんなの関係なくアチョーアチョー踊る息子のゆうき君。このラストは今までの想田監督の作品の中で一番絵になるラストシーンだった。
私はこの映画を見て選挙ってむなしいなと思った。でもすごく笑えて、最後に希望が残った気がする終わり方だった。
想田監督の観察映画の中で一番好きな一本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
立候補はしているのだけれども、前作と違い、選挙色は強くない。
前作は日本の古典的なドブ板選挙に付き合いながら翻弄される山さんを撮っていたが、今回はひとつ高い視点から山さんは立候補しているのだ。
311後の原発をなんとかしないといけない気持ちから、誰もその話題に触れようとしないことにも腹を立てる。
最後は防護服を着ての演説。
今作は山内家という一市民を通して世相を見るような作りに感じたし、次世代についての思い入れも強く感じた。
前回よりも問題提起や皮肉は少なく、山さんの良い人ぶりが際立ってました。