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冷酷非情な血の皇帝に嫁ぐことになった姉を案じ、侍女として後宮に入った游里。女の諍い渦巻く後宮で姉を守るべく立ち振る舞う中、皇帝の近侍・翔耀と出会う。広い知識と深い教養を備え、皇帝に不遜な態度で接する、掴み所のない謎めいた翔耀に惹かれていく游里だが、侍女のふりをしていても身は男。叶うはずのない思いに焦がれていた日々に、事件が起こり!?さらに翔耀にもある秘密があって…。絢爛中華ロマンス。
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秀才でシスコンの游里が素直で真っ直ぐで、その気持ちのままに翔燿に素直に心を添わせていく様子が微笑ましい。
女装をして後宮に潜り込める容姿とはいえ、姉や一族を誹謗されれば相手が皇帝の近侍であろうとやり返すし(しかもその台詞がいい)、毒蛇に襲われれば太刀で串刺しにするし、なかなかに頼もしい。その反面、思ったことをぽろりとこぼしたり、池に落ちたり、抜けたところもあって、どうにも庇護欲をそそられる。
翔燿は「冷酷非情な血の皇帝」とあだ名されるけれども、国を思いやむにやまれず血を流す決断をした、心の強い名君だけれども、孤独だったのだろう。
そんな2人が出会って惹かれあうロイヤルロマンス。