少年たちが孤島に漂流してサバイバル生活をする様を描いた作品には、有名どころではジュール・ヴェルヌの「15少年漂流記」やロビンソン・クルーソー漂流記や江戸川乱歩の「新宝島」なんかを知ってるけど、この作品は一風変わった「未来に取り残された少年たちの漂流記」となっている。最近アニメで観た「サニーボーイ」が近いかな(高校生だったけど)
1巻から6巻まで、本当に息をつく暇もないくらいの怒涛の展開で、飽きるどころか読んでるこっちが疲れて息切れするようなスピード感の溢れる作品だった。(特に1-3巻は顕著)
この1巻のあらすじとしては
母と喧嘩して学校に遅れて登校した主人公の高松翔は校内でドーンという爆発音と振動により学校ごと異世界へワープしてしまう。
窓の外は薄暗く、敷地外には砂漠が広がっている。家に帰ろうとして砂漠に足を踏み入れた少年はその場で倒れて動かなくなってしまった。(砂漠は危険)
校内にいた大人である先生達がラジオや電話など常識的の範囲内で対応しようとするが、電波は届かず、電気も通っていないため電話も繋がらずパニックに。女性の先生はヒステリーで過呼吸を起こしてしまう。
食事は大丈夫か!?給食は届いているのか給食室へ行くと、給食のおじさん(関谷)が女生徒を人質に給食室に立てこもっている。ここでも常識の範囲内で先生達が犯人を説得しようとするが、油を撒かれて火をつけられる。
大人が火傷をして動けなくなったので、高松翔ひきいる子供達が暴走する関谷と戦い、関谷を縛ってロッカーに閉じ込める。
大変な1日だったが、なんとか生徒全員が給食を食べて束の間の休息をとる。
翌日、唯一の5歳児であるゆうちゃんが学校の外に出て「大和小学校862人の慰霊碑」を見つけることで、ここは未来の世界だということがわかる。
絶望的な未来と、起きるはずのない日食などの現象を目の当たりにして、先生達は発狂したり、自殺したり、とうとう若原先生という若い男性の先生を残して大人は死んでしまった。
1巻だけでもこの怒涛の展開でかなり引き込まれる。こんな作品を1970年代に描いていた楳図かずお先生はやっぱりすごいんだと思った。