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感想・レビュー・書評
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2chのオカ板で有名な師匠シリーズ。
初投稿が2003年頃らしいですか、初めて読んだのが、2007年くらいで「跳ぶ」が最新だったと記憶しています。
もう10年近く前ですね。
それ以来ずっと追っていましたが、「田舎」の完結編が出ているということで、購入。
もともとの師匠シリーズも携帯で読んでいたので、電子書籍で読むことには違和感ないです。
横書きが縦書きになったけど、それも特に気になりません。
「田舎」以外の話は読んだことあったけど、ところどころ加筆されていたのと、
読んだのが昔の作品もあったので、新鮮な気持ちで読めました。
師匠シリーズは単なるホラーというよりも、ミステリー色が強い作品です。
お化けが出る、それが人に害なすのかなさないのかは別として、師匠とウニさんは積極的にそんな怪談に関わっていきます。
幽霊はなぜ現れるのか、なぜ現世の人達に影響を与えていくのか、そこには過去に起きた出来事やその地域に語り継がれている伝承などが原因になっていることが多く、よくある怖い話というよりは、人間の感情や業とは何か、人間とは一体何なのだろうかということを問うている気がします。
中二病的な、ラノベ的な要素もあると思いますが、これが単純な怖いだけの話と一線を画しているのだと思います。
中には哲学的な考察や、民間伝承に対するうんちくも語られていきます。
シャーロック・ホームズシリーズのような一つのシリーズ小説としての力は十分に持っていて、一度読んだら全部の話を呼んでみたいと思わされる作品群です。
しかし、師匠シリーズは未完であり、未だ明かされていない謎も数多くあり、
新しい作品が出ても謎が明かされるわけでもなく、むしろ新たな謎が追加されていくという形になっていて、
いつになったら全ての謎が明かされるのかという、状態です。
作者の方もおそらく専業ではないので、時間がある時に書いているのでしょう。
読者としてはただ待つだけしかできませんが、死ぬまでには完結してほしいなと思うばかりです。詳細をみるコメント0件をすべて表示