バーニーの理論を「ようやく使えるものにした」のはだれか 世界標準の経営理論 [Kindle]

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制作 : DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 
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  • SCP理論の限界性を踏まえた上で、同じく経済学ディシプリンから登場したRBVを説明した論考。RBVではSCPと同様に完全競争の条件を崩すことによって競争優位性を生み出すことを目指しているが、SCPとは着目している条件が異なる。RBVは完全競争の条件の1つである、「製品・サービスをつくるためのリソース(技術・人材など)が他企業にコストなく移動できる」というポイントに着目し、では反対にリソースの移動障壁を高めることができれば競争優位性を生み出せるのではないかと考え、バーニーやワーナーフェルトらによって生み出された。しかし、これに対する批判の声もあり、SCPほどはフレームワーク化もできていないことからも、依然不完全な理論体系であることが分かる。しかし、思考の軸としては有効であり、特にリソースを組み合わせることによって他社の模倣を防ぐという考え方は、今でも応用することができると考える。このように、依然具体的な「処方箋」を提供できていないRBVであるが、入山さんが有効であると指摘しているアクティビティ・システムのように、少しづつフレームワーク化が進んでいる印象はある。このアクティビティ・システムを見ると、楠木さんが提唱した「ストーリーとしての競争戦略」に酷似していることに気がついた。また1つ理論が整理できた。

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著者プロフィール

入山 章栄(イリヤマ アキエ)
早稲田大学ビジネススクール教授
1972年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーを経て、2013年より現職。専門は経営戦略論、国際経営論。主な著書に『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)、『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』(日経BP社)のほか、Strategic Management Journal、Journal of International Business Studiesなどの国際的ジャーナルへの論文発表も多数。

「2022年 『両利きの経営(増補改訂版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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