川端康成随筆集 (岩波文庫) [Kindle]

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  • 107. 川端康成 (1899-1972)
    二十世紀の終盤以降、情報通信時代に入り、世の中は益々スピード化している。文学のような、時間を取る割には利益を得にくい分野よりは、映像、音楽、漫画、株式投資といった手っ取り早い分野に我々の行動が移りつつある。本当に価値ある作品のみが生き残ることになろう。川端康成 (1899-1972) は、小説の未来をこう語っている。

     「小説は果して今なお、この時代に最も適した芸術、また文学であるのか、もしかすると、小説の時代は去りつつあるのではないか、また、文学の時代は去りつつあるのではないか、との疑いもあります。西洋の今日の小説を見ても、そう疑います。そして、西洋の近代文学を移し入れて、ほぼ百年になります日本では、その文学は王朝の紫式部ほどにも、元禄の芭蕉ほどにも、日本風の高さにとどかずじまいで、衰え弱まってゆくのではないでしょうか」

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著者プロフィール

1941年大阪市生まれ。文芸評論家。小社編集者として『埴谷雄高作品集』『高橋和巳作品集』を世に出す。著書『わが幻の国』で平林たい子文学賞、『武田泰淳伝』で伊藤整文学賞受賞。他の著書に『謎解き「死霊」論』『文士と姦通』等がある。

「2016年 『大岡昇平 文学の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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