現代台湾鬼譚 海を渡った「学校の怪談」 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 気になったのでさっそく読んだ。台湾では鬼(=霊)を見る力を「陰陽眼」というらしい。かっこいい。
    全体として鬼や陰陽眼、道士等の生活密着度が最近Youtubeで聞いた沖縄の怪談の感じとなんとなく似ているように感じた。
    学校の怪談として、日本だと「二宮金次郎の像が」「校長の写真が」となるところが「孫文の像が」「孫文の写真が」となりがちだというのがローカル感があって面白かった。
    あと私の子供の頃の愛読書「いる?いない?のひみつ」(学習研究社)が台湾でも翻訳・出版されていたというのは感慨深い。あれはとても良いオカルトの入り口だよね。
    場所が台湾なので、「日本人の鬼が」「日本統治時代に」という話は当然出てくる。日本人の語る「旧日本軍の兵士の霊」とはまた趣が違っており、何というか複雑な気分にはなる。

  • 台湾人の生の声やアンケートを基に浮かび上がる台湾の幽霊・妖怪の姿を考察している本。大東和重『台湾の歴史と文化 六つの時代が織りなす「美麗島」』(中央公論新社、2020)にて抜群に面白いと紹介されていたので読んだ。
    台湾特有の文化・歴史に基づいた幽霊談が色々知れて面白かった。例えば、台湾では「紙銭」と呼ばれる特殊な紙をあの世で使うお金としてお供物にする風習がある。これにちなみ、「鬼(幽霊)と知らずに取り引きをした人が、手元に残ったお金が紙銭だったことから、相手が鬼だったと気づく」という幽霊談が台湾では定番化している。こうした話が色々と学べた。

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著者プロフィール

1972年、北海道生まれ。國學院大學文学部教授。専攻は伝承文学。著書に『江戸の俳諧説話』(翰林書房)、『ツチノコの民俗学――妖怪から未確認動物へ』『江戸幻獣博物誌――妖怪と未確認動物のはざまで』『ネットロア――ウェブ時代の「ハナシ」の伝承』『何かが後をついてくる――妖怪と身体感覚』(いずれも青弓社)、『怪談おくのほそ道――現代語訳『芭蕉翁行脚怪談袋』』(国書刊行会)、『ヌシ――神か妖怪か』(笠間書院)、共著に『現代台湾鬼譚――海を渡った「学校の怪談」』(青弓社)、『恋する赤い糸――日本と台湾の縁結び信仰』(三弥井書店)、編著に『福島県田村郡都路村説話集』(私家版)、共訳に尉天驄『棗と石榴』(国書刊行会)など。

「2023年 『怪談の仕掛け』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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