サンドラの週末 [DVD]

監督 : ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 
出演 : マリオン・コティヤール  ファブリツィオ・ロンジォーネ  オリヴィエ・グルメ 
  • KADOKAWA / 角川書店
3.53
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本棚登録 : 134
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111248947

感想・レビュー・書評

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  • ボーナスか、休職明けの主人公サンドラの解雇かという、再投票がある週明けまでに、同僚の家を回って自分に票を入れてもらえるようにお願い行脚をする週末という、シンプルだけどかなり悲壮感漂うストーリー。

    音楽が最後まで一切なく、ドキュメンタリーのようにサンドラと夫の切迫した空気だけがひたすら響くような緊張感。

    「ボーナス諦めて、私を復職させてよー」
    こんなこと、たとえ図々しい人間でも、後先のこと考えればなかなか同僚に言いにくい。
    ましてやサンドラは精神安定剤をオーバードーズしちゃうような不安定な人間なので
    、これはなかなかハードル高い。

    色んな同僚の家に初めて出向いて分かる、それぞれの生活や事情。
    これが後々の結果に左右してくるわけで、、

    日本の文化から言えば、ん??って思うことも多いですが、ヨーロッパの人はドライです。
    ハートフルな要素は少ししか無いですし淡々としてます。

    こういうのはハリウッドならコメディにしちゃいそうですが、ひたすらシリアスに、むしろサスペンス調に最後まで何が起こるか分からないから淡々としてても飽きずに一気に観れました。

    実はこういう抑揚のない演技が一番大変だったりするのかもね。
    悲壮感漂う、幸薄なマリオン コティヤールはけっこう良かった。

  •  体調不良から復職し働こうとした矢先にリストラが決まった女性。部署内でボーナスのカットか彼女の解雇がの投票で決まったのだと言う。上司に週明けの再投票を約束させた彼女は週末に同僚達を訪ね歩く。

     これはなかなかエグい話。みんなそれぞれ苦しい暮らしがあってボーナスは欲しい。そんな同僚達をひとりひとり説得していくのはさらに苦しい。

     以下ネタバレ。
     同数票になり解雇となるも会社が部署内の分断を嫌がり、任期切れの人を切った後の再雇用を提案。誰かが解雇されて自分が残ることを主人公が嫌がり会社を去るんだけど、やっぱり小さい集団での椅子取りゲームって人の心を削りすぎる。雇用と生活をある程度切り離さない社会は怖い。

  • フランス映画。

  • 自分のクビと
    従業員のボーナスの話なんだけど、
    それ以上の話は無いに等しい。

    もうちょい期待したんだけど。。。

  • DEUX JOURS, UNE NUIT/TWO DAYS, ONE NIGHT
    2014年 ベルギー+フランス+イタリア 95分
    監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
    出演:マリオン・コティヤール/ファブリツィオ・ロンジォーネ
    http://www.bitters.co.jp/sandra/

    休職から復帰しようとしたサンドラは、突然解雇の連絡を受ける。彼女がいない間、彼女がいなくても仕事はまわっていたわけで、しかも他の16人の従業員には、サンドラを解雇=浮いた彼女の給料分(と私は解釈しました)がボーナスとして支給されるという。しかし仲の良い同僚の交渉で、なんとか投票制=16人の同僚のうち過半数の9人が、ボーナス支給よりもサンドラの復職を支持すれば、サンドラは職場復帰できることになる。月曜の投票までの週末で、サンドラはなんとか同僚たちを味方につけようと説得してまわるものの・・・

    日本とベルギーでは労働者の条件や状況が異なるのでそこはなんとも言えないのだけど(日本ならこれブラック企業だろうなあ)(でも投票制というのは逆に民主的なのか)ボーナス取るか、同僚との友情取るか、これは確かに難問。もちろん仲の良さの度合いにもよるし、自分の経済状況にもよるだろうけど、案の定、無条件でサンドラに味方してくれる友達もいれば、正直に家計の苦しさを理由に断る人も多数、仲良かったのにシカトする人がいるかと思えば、過去にサンドラから受けた恩義を思い出して思い直す義理人情に厚い人もいるし、それが原因で親子喧嘩、夫婦喧嘩、いろんなトラブルも巻き起こる。正直本音で言えば、サンドラのことを「迷惑」「身勝手」「自己中」と思うのも人情、ボーナスのほうが大事と言う人を責めることは誰にもできない。

    一方サンドラ側に立てば、失業したくない、経済的に困るという切迫感もわかるのだけど、そもそもどうやら休職の理由がウツらしく、少しでも感情が高ぶりそうになると彼女はすぐに薬に頼る。あげく衝動的に自殺する気だったのか大量の薬を飲んで救急車で運ばれたりして、正直こういう不安定なひとと一緒に働きたいかと言われればちょっと微妙かもしれない(苦笑)

    彼女の夫は基本的には優しい。彼女を励まし、同僚を説得してまわるようにサポートする。しかしこれ、実は結構酷い仕打ちだという気もしなくはなく、どう考えても16人の同僚説得してまわるのは単なる苦行、途中で何度もやめたい、物乞いみたいで惨めだというサンドラを彼は優しく励ますけれど、鬱から立ち直ったばかりの人に「がんばれ、がんばれ、もっとがんばれ」って言い続けるのはもしかして逆効果のような・・・。これが日本でなら、だったらお前が妻が働かなくていいくらい稼げ!稼ぎがないなら子供二人も作るな!って言われちゃいそうだし(苦笑)

    「社会の悲愴さを描きっぱなし」で回答を観客に丸投げする傾向がダルデンヌ兄弟にはあると思うので、この映画もきっと、さあ開票、結果は!?みたいなところで終わる気なんじゃないかと勝手に予想してたのだけど、これが意外にも、きちんとオチがついたのは驚き。しかも前向き。ヒロイン成長。

    もやもやして終わるより気分良く帰れるのは嬉しい裏切りでしたが、そこまでの90分はなかなか辛いです。もしサンドラの立場なら、同僚の立場なら「自分ならどうするか」ということをひたすら考えさせられます。

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