ザ・トライブ DVD

監督 : ミロスラヴ・スラボシュピツキー 
出演 : グリゴリー・フェセンコ  ヤナ・ノヴィコヴァ 
制作 : ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ 
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021156653

感想・レビュー・書評

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  •  音声・字幕一切なしの聾学校、青春・クライム・バイオレンス・ウクライナ映画。
     BGM的なものもまったく無いけれど、物音とかはありサイレントってわけではなくて登場人物たちの音のない世界を再現しているわけではないのだから、別に字幕ぐらいあってもよくね?と最初は思ったけど、別に字幕とかいらないですわこの映画。

  • ザ・トライブ
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    聾学校を舞台として全編手話での会話のみ。環境音は有るけれど字幕もなければ、何か特別な説明も一切ない…
    観ている側手が想像力を掻き立てながら、物語を自分で作り上げていくような挑戦的な作品です。
    聾学校へやって来た少年。学校で不良に洗礼を受けて途方に暮れる…
    学校を出て、走り続けるバンで着替えと化粧を済ませる二人の少女が向かった先は、トレーラーを居並ぶ駐車場…同情していた男と連れ立ってクルマの脇を歩きつつ、男はドライバー達に彼女達の売春を筆談で斡旋していく…
    校内の空き地に生徒がどんどん集まってくる転校して来た彼の仲間入りの儀式…三人の青年と取っ組み合いの末、仲間入りを認められ悪童達に仲間入り…ここまででも「何喋ってるのかな」「どんな会話なんだろう」って頭の中で色々言葉が浮かんでくる。無声映画ってこんな感じなのかな?でもあれは字幕とか活弁師みたいなのがいるんだっけ?とか考えるのが面白い。
    聾唖の不良少年少女達が半グレまがいの犯罪集団として聾学校を根城に非道に生きていく。誰かを脅す時も、誰かと喧嘩する時もコミュニケーションは全て手話なのが奇妙な印象を受ける。
    少女売春の客引きをしていた少年がつまらない事故で死んだ。仲間の死を哀しむ場面なんて一瞬もなくまた翌日の晩には別に何もなかったかのように別の少年が少女売春の客引きをしている…なんだろうなこの虚無感…何のために生きているのか?ただ金しかない、それしか生き甲斐がないような…これは悲しくも厳しい現実という事か?
    なんともやるせないラブシーンに胸が痛む…
    手話でする口喧嘩ってのは迫力があるなぁ〜感情が迸り出て来てて火花が散ってるみたいだ。
    この場面は凄いな…あまりにもリアルで、僕には絶対分からない痛みが伝わってくるようだ…なんちゅう描写なんだよ…
    凶行というか復讐に及んだ彼は、明日の朝からボスとして君臨するのだろうか?それとも…今後の彼の動向がめちゃくちゃ気になる…笑笑
    物語としては
    なんだかよく分からないままで、とにかくハンディキャップを持ってるとか、持ってないとかって話じゃなくて生きてく厳しさってのを感じる稀有な作品だと思う。
    映画体験としては…
    これは未曾有の体験だ。見始めて直にのめり込んでしまった。毎年200を有に超える作品を観るけど、これは体験として観ておいて良かったと思う。凄い作品だった。こんな作品に出会えて良かった。

  • セリフがすべて字幕なしの手話で構成されている作品は初めて見たので新鮮だったのと同時に、それは物語とともにどこか見慣れてくるような感覚にもなった。暴力を描いてハンディキャップの差を埋めようとしている作品のような気もする。

  • 言葉に頼らなくても、気持ちは伝えられる。
    言葉に頼りすぎると、もしかしたら本当の気持ちは伝えられないかもしれない
    手話やボディーランゲージで身体全体を使ってコミュニケーションをとるほうが、気持ちをぶつけ合えているような気がした。

  • 聾唖学校での凍てつく様な寒さの中、残酷なまでに繰り広げられるギャング集団の内輪揉めや、非行、セックス、売春。

    それら全てが手話のみで展開されるのだが、観ている側はその演技力、、いや演技を超えた聾唖者達のリアルな日常が演出の妙となっている。

    一つの感情や言葉を伝える事にある種の直向きさをひしひしと感じて、普通の映画よりも鬼気迫る迫真なシーンが随所に観られた。
    また、恋愛といっても若気の至でしかない刹那的なセックスや、売春が描かれていたが彼らの障害というものを忘れさせる位にすんなりと見入る事ができた。

    特に堕胎のシーンなどは切実な痛みが、言葉など介するべくもなく伝わってきたのだ。
    この映画を観ると、つくづく言葉だけで全てが理解できるなどというのは驕りの様な気持ちを持ってしまう。
    また、画面の暗さや夜のシーンなど引きで見せるフレームワークが充実していて、絵画的な切り取り方が美しく、鮮明なリアルさに引き込めれる。

    主人公の青年が孤独に苛まれる様は痛々しくも、劣悪な環境下で荒んでいくのには同情心がムクムクと出てきて無慈悲な気持ちになる。が、それらも含めて彼らの現状なのだ。という完落ちをくらう作品。

  • 2014年数々の映画祭で様々な賞を受賞したウクライナ映画。全篇手話というのはさして珍しくは感じないけれど、本作はとても斬新に感じます。生っぽいです。インタビューで読んだ監督の言葉がよかったです。

    「これは私の学生時代の想い出と、ろうあの代表者達が語ってくれたことに基づいてつくったもの。彼らのコミュニケーションの取り方や、ジェスチャー、喧嘩の仕方に惹きつけられた。ボディランゲージで感情や心情を実現していた。それが吹き替えなし、字幕なしで映画にしたいと思った理由。この映画をけっして声の出る俳優達でつくろうとは思わなかった。それでは全く違うものになってしまっていただろう。私たちは発音に必要な顔の筋肉しか使わないが、彼らは体全部を使う。それが自然なのだ」

  • 身体中から全力で発せられる、エネルギー。
    それは激しく、時に哀しい。
    言葉を使うってゆう、ワンクッションがなく、思うまま感じるがままの生き物がいる。

  • 全編、暴力と犯罪とセックスの物語。無軌道な若者たちの物語は珍しくないけれども、ここまであけすけに暴力を描いた作品となると『時計仕掛けのオレンジ』くらいしかないのではないか。いや、『時計仕掛け』よりもこの物語は閉塞感があるだけに見ているほうはかなりの緊張を強いられるのである(台詞がいっさいないのでますます画面から目が離せない)。そしてラストの衝撃のシーン! これには震え上がった。

  • ろうわ者の学校のウクライナの不良の話だが、この設定のおかげでセリフが全く無いないという実験映画ができた。ストーリーは陰惨だが、台詞がないことで、背景のこの地の貧しい情景が際立ったように思う。
    たまにもう大方のものは足りているもう成長はなくても良いと言う議論があるが、日本の条件とは違うこのウクライナの過酷な情景を見ると、経済の大事さが伝わる。

  • 耳が聞こえない、声が出せないことへの衝撃

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