- Amazon.co.jp ・電子書籍 (223ページ)
感想・レビュー・書評
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わかりやすく面白い。
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公認会計士である著者が、ニュースなどをきっかけに気になった会社の財務諸表をチェックして、会社の状況を深読みする内容です。
ソニーは何で稼いでいるとか、大塚家具の騒動は何が原因なのかとか、日産自動車がどうやってコストカットしたのかなど、財務諸表からこんな結論が導き出せるのか!という驚きがあります。
昔、簿記を勉強していましたが、このような本を読むと、簿記ってけっこう面白いやん!もっと頑張って勉強しておけばよかった!と感じさせられました。 -
読み物として楽しく、一気に読めた。
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非常にわかりやすく、会社にとって大事なこと、特に苦しい状況になった時に忘れてはいけないことを教えてくれる内容である。
・大塚家具の事例についての記述は公平で好感が持てた。自分自身は、久美子社長、勝久前社長どちらにも共感できるものがあり、どちらも大切なことを押さえている経営者なのだと感じていたが、その思いを更に強くした。会社の経営とはどちらが正しいとか、誰が正しいとかいう類のものではないのだ。もとより株主が正義でもない。
・コジマと日産の事例は、会社を経営するにあたっての最重要事項、特に人員の削減を行う際にその実行者の見識が結果を左右する重大事項について述べている。大塚家具のケースと相まって考えさせられる。
・ソニー、スカイマーク、キーエンスの事例は、誰もがこうだろうなと思っていた通りの事実を決算書を通じるとどう見えるかを説明している。
・東芝の事例で工事進行基準をめぐって語られる内容は、そのとおりだと自分はかねがね思っている。事業の状況を正しくつかもうとするために編み出された方法が、かえってそれを妨げているのが現実だ。必要なのは工事進行基準ではなく、事業サイクルに適合した5年間決算や10年間決算なのだと思う。決算は「決」算であって、本来進行過程レポートではないと思う。そうでなければ形式が不適切だ。PDSのSではなく、PDCAのCであるとするなら、事業サイクルの途中状況を把握すればよし、赤字の何が悪いのか。結果の出ていないものを結果と見ようとする無理が、年次決算や四半期決算をもとに生業を立てる現実を離れた誰かの都合で作られたものとすれば、現在の状況はそういう人たちの自業自得なのである。もとより決算は航海に出た船が帰ってきてから行うものだったのではないのか。
決算書をよく見ればわかるという本は多い。外部の人にしてみれば会社の中を知る手段は限られるので、無理もない。しかし商品やサービス、社員の動きなど会社を見ればわかることを、わざわざ決算書しか見ないようにして語る御仁が、その会社の経営に携わる人たちのなかにも多いのが現代の病だとつくづく思う。決算書って確かに長年の知恵ですばらしく発展しているとは思うが、本当にそんなによく出来た仕組だろうか?
しかしそう思いつつ読んでも、誰にとってもなんらかのためになる書である。 -
【決算書から会計士が話題の企業を丸裸にする】東芝が不正会計に走った舞台裏。ソニーグループの中で、急成長している意外な部門。決算書を読み解くと、企業の裏の顔が見えてくる!