ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体 (幻冬舎新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 同じ著者の『名門校』がA面だとしたら、B面のような内容。
    私自身地方出身で、鉄緑会もサピックスも知らずに受験したので、ここで紹介されている塾の内容には驚いた。こんな格差があるとは・・・。「塾があるから、学校は学校でいられる」名門校の自由な校風を、塾での学習保障が担保しているということと、次元の違う教育をハイブリッドに授けられるという指摘にはうなずいた。

  • 鉄緑会とサピックス、2つの学習塾の実態を通して、現代日本が学歴社会よりも塾歴社会になっている現状と課題を示した本。

    トップクラスの大学への入学を目指すなら、受験のプロである学習塾は必要です。通うべき塾は子供に合わせて選ぶべき。実績あるエリート塾だからという理由で選ぶと、塾のやり方に合わない子供は成績が伸び悩む危険性があります。塾に全部まかせるのでなく、子供と話し合いながら勉強を見守ることが大事です。

  • 中学受験のサピックス、東大受験の鉄緑会。塾の中でも学力や実績で頂点を極める2つの塾を紹介しつつ、最後は、日本の教育システムの単線性あるいは多様性の欠如について論を進めるなど、事実を伝えるルポの面だけでなく、短いが著者の主張が伝わってきて、面白かった。
    それにしても、世の中には頭のいい子がいるものだ。そういう知的才能に恵まれた人を鍛えて、少なくとも大学受験段階でどこでも入れるパスポートをもらえるというのは、ある意味羨ましい。たしかに、著者が主張するように、それが幸せなのか、その後の伸びシロが十分あるのか、といった懸念はあるものの、並外れた運動能力があってスポーツ界で活躍する選手と同様、学力の才能があるというのは、恵まれたことだと思う。そういう豊かな才能を塾が伸ばしているのか、更なる開花の芽をつぶしているのかは、正直言ってよく分からないが、塾を使うか否か、それを自分のために生かすか否かは、その恵まれた人が主体的に判断していかなければならないのだろう。
    学歴あるいは塾歴が将来の成功を保証せず、その傾向はますます顕著になっているような気はするが、高度な教育を受ける機会があるなら、それにトライするのも一つの道だろうと思う。

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著者プロフィール

おおたとしまさ:教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートで雑誌編集に携わり、2005年に独立後、数々の育児・教育誌のデスク・監修・企画・編集を務め、現在は教育に関する書籍執筆および新聞・雑誌・webメディアへの寄稿を行う。テレビ・ラジオなどへの出演や講演も多数。心理カウンセラーとしての活動経験、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。著書は『ルポ名門校』(ちくま新書)、『勇者たちの中学受験』(大和書房)、『不登校でも学べる』(集英社新書)など80冊以上。オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp


「2024年 『学校に染まるな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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