ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 屈折していて複雑な話。いじめに関する表現が多くてちょっと気分が悪くなるかも。

  • 大どんでん返しというほどのものはないけど、話が進むにつれて、これにはこういう一面もあったのね、ということばかりでウンウン唸ってしまった。
    そこには爽快感は一切なくて、どちらかというと切ない気持ちになることばかりだし、最終的にも救われるような話ではない。
    人生の難しさと、希望と絶望と、少しだけ明るい希望を持ちたくなる気持ちを感じるお話。

  • ハッピーエンドと呼ぶには余りにも惨め。
    けれども救いの手があるのならば、きっとこれはハッピーエンド。

  • 伏線がない伏線回収小説。2回読んだ

  • 学校の人気者Kの謎の自殺。遺書に悪魔と書かれた少年、菅原拓はスクールカースト最下位で、彼は自殺したKを含む4人をいじめていた……。

    先入観による「ありえない」謎は非常に魅力的で、先が読めず、頁を繰る手は止まらなかった。ただ、明かされた真相ーー証拠を残さない天才によるいじめの被害者が、あえて加害者を自称することで成りかわるという真相の衝撃はいまいち弱く、肩透かしに終わった感が否めない。底辺による支配というのはめだかボックスの名瀬夭歌の中学時代ですでに見たためオリジナリティは薄いと感じたが、それがどういうものか可視化されただけでも本作を読む価値はあったといえる。またいじめ被害者が加害者に成りかわるという大仰なアイディアは実に電撃文庫らしい突飛な着想であり、被害者にはプライドがあるためいじめを認められないという喝破も鋭く、なかなかのものである。主人公のやや過剰は鬱々とした語り口も、読者層を思えばシンパシーを感じるとは思うし、歪んだ解決というのも好みではある。

    ただ、本作に欠けていたのは何よりも「意外性」であり、この筋立てでそれが無かったのは致命的だと思ってしまった。Kの天才ぶりが伝わってこないディティールの甘さなどはあるが、多少ほころびがあっても、強引に押し切るだけの力があれば気にならなかったのにと残念に感じた。

    あと気になった点として、いじめ加害者もまたある側面ではシステムの被害者というのは正しくはあるのだが、いじめられた当人が「また昔のように戻りたい」というのは些か片手落ちな気がする。それは共感されにくい感情であり、いじめ被害者の心の傷や憎しみなどに無頓着すぎたようにも思う。

    以上の点から、かなり粗い作品であることは否めないが、ワンアイディアをこねくり回した筆致は見事であり、賛否も含めて大賞に相応しい作品であると思う。タイトルセンスも悪くない。

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著者プロフィール

第22回電撃小説大賞で《大賞》を受賞した『ただ、それだけでよかったんです』(電撃文庫)でデビュー。『15歳のテロリスト』(メディアワークス文庫)が発売から反響が続き20万部を超える代表作に。以降、『僕が僕をやめる日』『監獄に生きる君たちへ』『犯人は僕だけが知っている』も発売即重版のヒット作となっている。

「2022年 『暗闇の非行少年たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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