またね、富士丸。 [Kindle]

著者 : 穴澤賢

• 世界文化社 (2010年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[AYUMUさんの感想 · 2019年4月6日]

重く、詳しいペットロス期の状況が書かれた内容でした。

富士丸くんは、コリーとハスキー犬のmixで、ブログや写真集がでるなど当時は有名犬なほうだったのではないかと思います。
私も当時は、週1くらいでブログをみたりして、猫派だけど、かわいいわんちゃんだな～と思っていました。

富士丸君が突然なくなった時の報告もブログを読んでいて、「え・・・？そんなことあるの？」という感じでした。
ブログでは淡々として、状況を報告されていたように見えましたが、実生活ではこんな重いペットロスになっていたなんて、存じ上げませんでした。

富士丸君が存命のときも、ブログでは淡々としているような印象を持っていたので、
穴澤さんの私生活や友人関係が広いこともこの本を読んではじめて知りました。

私はペットロスになった経験はないのですが、犬を飼っていた方のほうが重いペットロスになるような気がしました。

本書で「犬が自分の中で人のようになる」というような記述があり、
猫のように多頭飼が少ないことや、犬のほうが意思疎通ができている感覚がつかみやすいのが理由なのかなと思いました。

[小猫とDROCKさんの感想 · 2022年1月20日]

富士丸が急逝したあとの穴澤さんの慟哭の記。

私も昨年、愛犬を亡くしたのですが、その気持ちを整理しきれず。昔読んだ富士丸とのお別れを描いたこちらを手に取りました。

私は幸いなことに愛犬の最期に立ち会うことが出来ました。消えていく命をしっかりと見つめ、名前を呼び、鼓動が消えていくからだを撫で続け、最期の瞬間まで。
それでもその瞬間を迎えたときには、いい年をした私が子どもみたいに泣いてしまい、丸3日くらいは食事もあまり喉を通らず…

数日で３キロ痩せました。

が、穴澤さんは違った…
数時間の外出から帰ったら富士丸が息絶えていた。
原因は結局分からないまま。

その後の慟哭、悲嘆にくれるさまは凄まじいものでした。

犬（猫でも）を単なる動物として、モノとして考えている人たちには全く理解出来ないことでしょうね…
よく言われる「ペットも家族同然だから」。
いや、同然という単語はつけなくていいから、と思います。家族なんですよね。家族そのもの。
犬なんですけど、犬の顔に見えなくなってきます。固有の、その子、でしかなくなる。

穴澤さんにとって富士丸は唯一無二であり、当時の穴澤さんの生活そのものだったのでしょう。

そのペットロスなんていう言葉が軽すぎると感じるほどに、嵐のような慟哭(他の言葉が見当たりません…)を少しずつ越えていく記録が一冊になっています。

こんなに友人が多く、身を案じてくれる仕事仲間もいて、良かったですね…
富士丸の喪失を埋めるわけではないけれど、その周囲の人たちがいなかったら穴澤さんはどうなっていたか。

穴澤さんの愛情の深さと、周辺の人々の温かさを感じられる最後に温かい読後感ではありました。
富士丸の不在は寂しいことだけれども。

[じゃすみんてぃーさんの感想 · 2023年9月15日]

犬の死は痛いほど分かる。文を読めば読むほどその時のこと思い出して辛くなるけど、それだけかけがえのない存在だったんだと。現在、我が家には犬がいる。大切にしようと強く思う。

[Miyaさんの感想 · 2017年4月12日]

「富士丸な日々」をリアルタイムで読んでいた。
数日に一回は更新されたいたのに
1週間以上更新されたない日が続いた時には不安を募らせた。
富士丸が亡くなったことが発表されたときのブログのコメント数は数千を超えた。
それくらい富士丸はネットの中でも愛されていた。

ブログで読む限りは
穴澤さんは比較的早い段階でペットロスから快復したように見えていた。
でも、全然違っていたことをこの本で知る。

正直に言うと、穴澤さんの文体は少し古さくて稚拙で読み辛い。
でも、溢れる富士丸への愛を赤裸々に綴る内容に涙を零しながら読み終わった。

地味に一番驚いたのは離婚歴があることだったw

[との宮さんの感想 · 2016年8月16日]

ついに読んでしまった。当時ほどのショックはうけなかったからよかった。