スクラップ・アンド・ビルド

著者 :
  • Audible Studios (2016年7月20日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 介護の闇って感じではあるけどサラッと読めてしまう文体。
    母親の辛辣な言葉が一番不快だったけど、主人公の祖父に対する一見冷たい、不誠実、利己的な心情や発言とは異なる孫なりの優しさや気遣いが読み取れてちょっと救われた気がした。
    でも最後がなんか物足りない・・・。

  • ただのストイックな筋トレ話かと錯覚してしまいました(笑)

    晩年を生きる老人と今を生きる青年。
    同じ「生きる」なのにそこには表面上差がある。だが内面は・・・・

    賞はとったんだろうが、凡人の私には面白味がわからんかった。

  • はじめちょっと抵抗があったのは、こねくり回した言い回し。
    ただ、話がすすみにあたり気になって気になって。
    最後は、おじいさんも筋力つけて向上していった実験的なものをやってほしかったなぁと。
    色々考えさせられることが多かったしこれからの介護問題のこともあるので10代〜みたほうがいい。

    お母さんの実の娘の対応もわからないでもないし。
    孫が対する祖父への気持ちもわからないでもない。

    ゆとり世代なのだよね。
    なんか祖父への気持ちへの優しさや、社会への対する気持ちなどのものわかりのよさったらない。

    いい子なんだなぁ。
    こねくり回した言い回しはそこそこの大学のそこそこのっていうのが馬鹿っぽさが出てるのか、作者の意図なのか・・・・
    計算されているものならすごいなぁとおもった。

    いろいろ考えさせられるところもあった。
    老人の体の衰えがあっても脳の衰えがあったとしてもごまかしたり、ズルしたりっていうのはできる。
    それも全部ひっくるめて納得したのかなぁ。
    やっぱりいい子なのかな。

    溺れたのは本当かもしれないなっておもったのは、ごまかしたりズルしたりしながらも、本当に自分の体の融通が効かないこともあるから罰が当たったのかなーとおもったけど、けんとは自分にバチが当たったと思っただろうなぁ。。。。。

    結局いい子。

    あと、筋トレしないとなーとおもったw
    精子はどうなのかな?出しすぎいいの?とかもおもった笑

  • 被介護者への優しさに見えるその介護も、転倒されて責任追及されるリスクを減らすための行為であるにすぎない。巷で行われている介護は要介護三を五にするための介護。手をさしのべず根気よく見守る介護は、手をさしのべる介護より実はるかに消耗する。自然の摂理にまかせていればとっくに死んでいるだろう老人たちを全身チューブだらけにして延命措置を施す。四六時中白い壁と天井を見るしかない人に、治る見込みもなく日に日に痴呆が進んでいく老人にどのように向き合うのか。死にたいのか生きたいのか当の本人さえも分からない気持ちにシニカルにだけど正面から向き合う主人公。言葉が表す本当の意味を深く考えさせられた。

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著者プロフィール

1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞しデビュー。「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞。『メタモルフォシス』『隠し事』『成功者K』『ポルシェ太郎』『滅私』他多数。

「2022年 『成功者K』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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