- Amazon.co.jp ・電子書籍 (228ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
2017年の人工知能本なので陳腐化してるかなーと思って読んだけど経済学の観点から汎用人工知能が出たときに世界がどう変化するかを語った本なのでむしろ生成AIが話題の今読む本だった。
生産性向上したらその分需要拡大しないと失業者は解消されないってのは当たり前だけど確かにと思わされた。
そう考えるとAIで職を失っても別の仕事があるので失業者は増えないと言っても、マクロで見ると世界の裏で職を失う人がいるのかもと思わされた。
特に中国バブル崩壊し、先進国が人口減に苦しむ今、需要自体も縮小していくかもしれない。
NISAも国民全員が株主になるクーポン型市場社会主義に緩やかに近づけようとしてるのかなとか、BIと言われることも増えてきたなとか、最近の政治にも繋げられる話の多い内容も多く世界に対する解像度が上がる内容が多かった。 -
最初の1章と2章で、AIや人工知能の進化について説明して、3章で経済成長と技術的失業、第4章でAIによる第4次産業革命とその時に経済がどうなるか、第5章でベーシックインカムの必要性をといています。
本はコンパクトにまとまってますし、人工知能の可能性から、経済への影響そしてベーシックインカムの必要性と実現性という順番で書いてあって、説得力もあると思いました。 -
コロナの今の時期、あれやこれやとお金をまくのではなくて
いっそこの本に書かれているベーシックインカムをしてもいいかもしれないです -
人工知能の発展に悲観的でも楽観的でもなく、淡々と今想定できるシナリオのもと、あるべき経済制度(ベーシックインカム)を検討している。これまであまり無かった内容だと思うので、一読の価値はある。
-
この本、超面白いわ!
世間では「AIの進化で人間の仕事が奪われる」とよく言われている。
何となくそれらについては、想像が出来る。
工場での製造ラインなんかも、ドンドン機械化されていくだろう。
自動運転が主流になれば、ドライバーは置き換わる。
銀行の窓口やレストランのウェイターだって、Pepperで確かに十分だろう。
問題はそこから。
それらによって、社会はどう変わっていくのか?
経済の仕組みはどう変わっていくのか?
人間の1割しか職につけない未来で、お金の流れってどうなるのだろうか?
そんな未来で国家はどうしていくべきか?
ここまで説得力ある未来国家への指南をした書があったか?
AI系の本とか好きで読んでいるが、この本は説得力あるわー。
何より単純な未来予想をしているだけではない点。
ちゃんと結論まで書いている点がスゴイ!
~~~~~~~~~
過去はこうだったでしょ?
こういう仕組みだったでしょ?
その流れから現代はこうなっているでしょ?
それでAIによってこう変わることは予想されているのでしょ?
だったら、社会はこうしていくべきではないの?
~~~~~~~~~
ちゃんと過去を掘り下げている点が説得力を増しているのですよね。
産業革命期以後の歴史から分かりやすく説明してくれている。
経済学部出身者はみんなこういう勉強していたのか?
私の「産業革命」のイメージは中学校教科書レベルだったから「その奥深さ」「それによって社会(特に経済)がどうやって進歩していったのか?」なんてそこまで理解してなかったわ。
~~~~~~~~~
「蒸気機関」
→「内燃機関」
→「電気モーター」
→「コンピュータ」
→「インターネット」
→「未来(AI・IoT)」
~~~~~~~~~
流れで考えると確かに見えてくる。
これは絶対に今読んだ方がいい1冊。
さて、そういう未来が訪れるとして、あなたはどうする?
仕事したい?仕事しないでAIに仕事させて暮らしたい?
果たして受身でいいのか?
自分で自分の人生を決めてみたらどうだろうか?
そんな事を改めて考えてしまった。
(2016/09/12) -
【目次】
第1章 人類 vs. 機械
「ターミネーター」は現実化するのか?/よみがえる技術的失業/なくなる職業 など
第2章 人工知能はどのように進化するか?
ディープラーニングによるブレイクスルー/ロボットの身体感覚/AIは将棋盤をひっくり返すか? など
第3章 イノベーション・経済成長・技術的失業
日本は衰退する運命にあるのか/第二次産業革命の終わりとポストモダン/AIは雇用を奪うか? など
第4章 第二の大分岐――第四次産業革命後の経済――
第四次産業革命をめぐる覇権争い/全人口の1割しか働かない未来/全ての労働者は飢えて死ぬ など
第5章 なぜ人工知能にベーシックインカムが必要なのか?
生活保護は労働者を救うか?/ベーシックインカムとは何か/財源が問題ではない理由 など -
AIの発達によりマクロ経済がどのような影響を受けるか、がテーマ。マクロ経済の構成要素をインプットとアウトプットに というシンプルなものに分解した上で解説が進む。経済におけるインプットの質が変わったタイミングとして定住革命(農業の開始)、産業革命と対比する論旨は非常に明快だし、そのような変化が起きるからこそのベーシックインカムだという点まで一気に読み通せます。