フルーツ宅配便~私がデリヘル嬢である理由~(1) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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感想・レビュー・書評

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  • 本当にありそうな世界で辛くなる。デリヘルまんがなんだけどエッチなシーンは皆無。仕方なくその仕事をしている人たちに身につまされるお話群。タイトルのさわやかさとのギャップが残酷だ

  • 会社倒産の影響で地元に戻ったサキタがラーメン屋の顔見知りミスジに拾われデリヘルの雇われ店長になる。ドライバーマサカネがいい感じに脱力系。ミスジの店はいい店だしミスジ自身いい人。
    実はマサカネ強かった。
    シンプルな絵とストーリーで読みやすい。1話完結で短いのにちゃんと落ちもつけててすごくいい。

  • 地方で、特に得意分野もなく可愛くない女はどうやってのしあがればいいのか。のしあがれなければ、クズの男しか回ってこない確率が高い。風俗で金を稼いだ履歴があれば、最低賃金付近で働くのが馬鹿らしくならないか?夫の給料の安さといい。シングルマザーの率は高そう。未成年は買うほうが犯罪。合法化とは言うものの、オーナーがホワイトということはあり得ない。

    第7話、地方に戻ってきた中学校の同級生とラーメン店で久しぶりに出会い「大きな声じゃ言えないけどデリヘルの店長やってんだ」なんて言うかなあ。妻は退去中。馴染みになった嬢と話がまとまり育児放棄「先夫の子だから」と言う。虐待するよりマシか?第6話は電話がかかってきて「うちはデリヘルですよ」と正直に言う。子が娘で修復か。第9話は非承諾で嬢のビデオを撮る相談をファミレスで大声でしていた悪党一味が意外な展開で返り討ちにあう。「それなりのものを出させたから」「あまり追い込むとケツ持ちもいるみたいだから」嬢を傷つけて金で済ます?監禁致傷、複数による強制性交を繰り返して?それはブラック営業じゃなくてノワール=社会悪と言わずばなるまい。

  • 久々に涙を流した一冊。デリヘルに勤める女性たちの物語。デリヘルで勤めざるを得ない状況や環境に向き合い続ける彼女たち。状況や環境が一変することもなく、ただひたすらに自分が置かれた環境に向き合い続ける。本当の優しさを感じた作品。現在、6巻まで発刊されており、一気に通読しちゃいました。オススメです。

  •  鈴木良雄の『フルーツ宅配便』1巻(ビッグコミックス)を、Kindle電子書籍で購入。

     『ビッグコミックオリジナル』連載中の、地方都市のデリヘルを舞台にした連作短編シリーズ。ツイッター上で、「エロくない、泣けるデリヘル・マンガ」として話題になっていたので買ってみた。

     高名なジャズベーシストと同姓同名の作者は、昨年に「ビッグコミック&ビッグコミックオリジナル合同新作賞」(新人賞)を受賞しているから、このマンガが初連載で初単行本なのかな? そのわりには手慣れた作画と構成で、マンガ家としての個性がすでに確立されている印象だ。

     舞台となる地方都市ははっきり特定されていないが、茨城・群馬・栃木あたりのイメージ。海が出てくるから茨城か。
     デリヘル「フルーツ宅配便」の見習い店長となる主人公の「サキタ(咲田)」に、オーナーの「ミスジ」は次のように言う。

    《都会のデリヘルと違って、ここらじゃ面接でかわいい子来る確率低いんだ、これが。》

     この言葉どおり、毎回のサブ主人公となるデリヘル嬢たち(※)は、派手な「ザ・風俗嬢」というイメージから遠く、みんなどこかビミョーでワケアリで、地味で貧しげだ。しかし、その“くすんだ感じ”こそが、類似作にはない「味」になっている。随所でオフビートなユーモアがはじけるのも楽しい。

    ※店名が「フルーツ宅配便」なので、嬢の源氏名はゆず・レモン・スイカ・ブドウなどの果物名であり、その名前が各編のタイトルとなる。

     最近新書でよくある、「貧困女子の問題をフーゾクの世界からえぐってみました」的なルポに近い色合いも、ないではない。版元による「内容紹介」を見ると、そういう角度でこの作品を売りたがっているようだ。
     だが、実際に読んでみれば“社会問題を告発する”というトーンは希薄で、もっと「人情話」寄りである。

     ビッグコミック系の作品で言うと、斎藤なずなの初期作品あたりを彷彿とさせる、ウェルメイドな短編になっている回が多い。
     フーゾクの世界を、煽情的にならず淡い人間ドラマとして描き出す手際は、新人離れした鮮やかなもの。続巻を買いつづけることに決めた。

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