ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件 (講談社+α文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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  • 東日本大震災と政権交代の流れの中で、ぼんやりと生きていた自分にはあまり響かなかったオリンポスの粉飾事件だが、こうやって見ると、オリンポスの動機や目的はのれん代の償却に見せかけた辻褄合わせだが、その手段は、市場にすくうよからぬ輩への利益供与であったことがわかる。そこから見えるのは、動機が了解可能であれば不正な手段もある程度許容され、法やルールは身内を守り異物を排除するために最大限行使されうるという甘えである。「ハラキリ」という究極の自己否定=ガバナンスをついぞ実行できず、外国人経営者やジャーナリストに介錯をされただけ、というのは、皮肉なものである。

  • Kindleで安かったので。こういった企業のゴシップ系は結構好きな系統なので。それと以前から、粉飾系のカネボウ、東芝と並び気になっていたので、これを機に読みました。当時、ウッドフォード社長就任→退任の流れがあまりに唐突で、「なんなんだろう??」と思っていましたが、そういう裏なのね。。。ということで納得。企業の衰退とか不祥事とかは、これまで見てきた限りもちろん経営の失敗があるのですが、だいたい権力闘争が絡んでますね。このオリンパス事件はその最たるものかと。ほかの会社もそうですよね。内容的には、少し薄い気もして、もう少し深いところまで。。。という印象もありましたが、すらすらと読めました。

  • 日本人はサムライかイディオットしかいないという言葉には、思い当たる節を多分に感じる。

  • ドラマみたいな感じで&生々しくて、楽しく読めた。情報ソースが漏れた時点で、オリンパスは作者に探偵をつけたりしなかったんだろうか。。。

  • 2020/05/01ザ粉飾オリンパス事件
    財務分析の基本大きな変動の数字を重点に調べる2008年3月のれん代787億円から2998億円回2211億円増加M&A
    2011年4月ウッドフォード社長の就任
    国際会計基準はのれん代を均等償却しない
    1020年の均等償却は損失の隠蔽土橋工作に使われる日本の財務の不透明さの温床1998年伊藤忠商事のには卯一郎新社長は4000億円の不良資産償却を行った断行した
    第三者委員会甲斐中辰夫東京高検検事長
    経営トップの主導
    ワンマン体制、自由に意見が言えない
    会社を私物化する意識の蔓延
    損失隠蔽の手段が巧妙だった
    取締役会監査役会が形骸化
    監査法人が機能せず
    違法な財務処理に加担した外部協力者
    経営中心部が腐っており、周辺部分も汚染され、悪い意味でサラリーマン根性の集大成!
    日本人はサムライと愚か者に極端に分かれてしまうウッドフォード
    信念を持って正義や美意識を貫こうとする人物がサムライ、騎士
    日本人の事なかれ主義

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著者プロフィール

山口義正(やまぐち・よしまさ)
1967年生まれ。愛知県出身。法政大学法学部卒。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞証券部記者などを経て、現在は経済ジャーナリスト。月刊誌「FACTA」2011年8月号で初めてオリンパスがひた隠しにしてきた不透明な買収案件を暴いて大きな反響を呼ぶ。その記事は解任された元社長マイケル・ウッドフォードがオリンパスを告発する引き金となり、また第18回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞「大賞」を受賞。本書の親本『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』は第34回講談社ノンフィクション賞最終候補作となった。近著に『内部告発の時代』(共著、平凡社新書)がある。

「2016年 『ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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