応天の門 6巻: バンチコミックス [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 業平様の嗅覚というかセンサーはシティーハンターの冴羽獠と思ったら、笑ってしまった。唐美人は昭姫と縁のある方で、道真どのの唐への憧れをどこか危ういものとして受け止めている気配。「正しく使いませ」の言葉が道真どのに響いたかどうか。才つながりで忠臣との小話が。忠臣は努力型。年若いものの才能を目の当たりにした時の気持ちはいかほどに。美学が過ぎて、贅沢ぼけした隠棲貴族と思われた源融。陰謀やら策略をめぐらせる腹黒い大人たちとはまた別のベクトルの困ったお方で、なんでか憎めないけれど、あまり深入りしないほうがよさげ。

  • 唐から亡命してきた宦官を匿う話と、道真幼少期に菅家廊下で起きたことと、源融の造園にまつわるあれこれ。

    源融の話は、いい感じに気が抜ける話で良かった。
    山桜の人は恋人と再会できるといいな。

    源融がこの巻で作っている邸宅は六条河原院と言い、もちろん邸宅も庭も残っていないが、跡地には六条河原院跡を示す碑が建てられているそう。
    https://www.kyototuu.jp/Sightseeing/HistorySpotKwarainAto.html

  • 「その才正しく使われませ」
    この台詞だけで、宦官を選択した寧の経験した華やかさとその表裏の苦渋、その果てに唐という国に何も成せなかったこと、などを想像させて、上手いなと思った。

  • 収録されているのは次の三編。
    長谷雄、唐美人に惑わさるる事(第5巻からの続き)
    島田忠臣、菅家廊下につとむる事
    源融、庭に古桜を欲す事

    このうち、「源融、庭に古桜を欲す事」の源融のいかれポンチぶりに強く興味を引かれた。ルードウィッヒ2世を下敷きにした創作かと思ったが、そう描かれるだけのことはしていたらしい。光源氏のモデルとも。たしかに『あさきゆめみし』の光源氏がやっていたことを思い起こすと人物像が一致する。河原左大臣として小倉百人一首にある歌
    陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに
    が、いかにも。

    本編では、道真(業平の屋敷であった塩焼きの宴の折に悪目立ちして中座)に再会し、
    「すまぬ!
    美形以外のおぼえは悪くての
    許せ!」
    と眉尻、目尻を下げ、頬を少し赤らませながらも口角を上げて悪気のない表情。しかし、融は、一件落着で業平が退去するときに、業平にとっての道真を
    「そなたの剣か?」
    「そなたの未練は高子姫かそれとも政か…
    あれでいったい何をするつもりじゃ?」
    と問う。打って変わって見せたその表情は鋭く、ただの風流人ではないことを示唆している。
    一方、そのあと、業平が道真に述べたことばも印象的だった。融を動かすために抱いていた根となる考えだ。
    「人は恐怖だけでは動かぬと言っただろう?
    恐れなどいつか克服してしまう
    長く人を縛るのは情だ」
    と。人たらし業平の処世術のひとつとも、融の問いの答えを読者に明かしたとも。
    結局この考えから実行した策が功を奏したわけで、この巻で業平が一番格好良い場面である。

    「長谷雄、唐美人に惑わさるる事」では、道真の発案により、業平が公衆の面前で唐人の上半身を脱がせるように命じる。それで業平が「さすがの好色」などと言われることになった。しかし、モッテモテで粋人の業平がそんなことを命じたというのは、人物像にそぐわなく思え、不満である。

    「島田忠臣、菅家廊下につとむる事」は、真面目な忠臣が手を染めてしまったことの理由を暗示しながら、道真が阿呼と呼ばれていた幼少期などが織り込まれている。今後必要になるであろう各登場人物の背景を提示しているところに構成の巧みさを感じた。

  • 島田忠臣 宣来子の父は、自分を唯一無二の存在として認めてくれるからと信じて基経に与しているのだろうか。

    第三十一話~三十三話 源融、庭に古桜を欲す事

    純情な面もあるけれど、「話の通じない種類の大人」として描かれている源融さんは、光源氏のモデルのひとりと考えられている人で、その山荘が宇治平等院であったとは恐れ入る。

  • 唐美人を助ける。菅家廊下。山桜と源融の別荘。

  • 忠臣がダークサイドに堕ちていくのが忍びない....
    道真への劣等感からなのか、秘めた自尊心からなのか、怖い怖い....

  • 融殿、ちょろいと思った矢先にガツンときたな。業平殿はまぁ仕方ない。仕方ないので悪評がひとつぐらい増えたっていいやん?←いやよくない(笑)

  • 蜚舌?螂ウ縺?縺ィ諤昴▲縺ヲ縺溘i螳溘?螳ヲ螳倥?ょョ牙ョ??髢「縺ョ謠幃ェィ螂ェ閭弱?ょ柏縺ョ螂ウ縺ェ繧薙※縺ゥ逵溘s荳ュ驕弱℃縺セ縺吶?縺」縺ヲ縲∝ョ」譚・蟄舌?∝ォ牙ヲャ縺ョ譁ケ蜷代′驕輔≧窶ヲ縲ょ。ゥ遶医?驕捺・ス縺」縺キ繧翫r蠕御ク悶↓莨昴∴繧区コ占檮逋サ蝣エ?√??讌ュ蟷ウ莉・荳翫↓繝弱Μ縺ョ濶ッ縺輔◎縺?↑縺翫§縺輔∪縲ゅ?弱≠縺輔?縺九↑螟「縺ソ縺励?上≠縺溘j縺ォ蜃コ縺ヲ縺阪※繧る&蜥梧─縺ェ縺輔◎縺??

  • Kindleさんにオススメされてとりあえず1巻買ったらまんまと買い進む展開。な の に!最新刊がまだ電子化されてないってどういうことよ!?好物の平安時代もので好みの絵柄を勧めてくるとはKindleさん流石だけど、どうせなら完結してから読みたい派というあたりまで知ってて欲しかったよね…
    最新刊を本屋で買うのをじっと我慢…(∵`)

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著者プロフィール

はいばら やく
漫画家。東京都在住。女性。
元々は同人作家として和泉八雲名義で活動。2006年に「コミックZERO-SUM」にて『とかげ』でデビュー。2017年、在原業平と菅原道真が怪奇事件の謎を解き明かそうとするクライム・サスペンス作『応天の門』で第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞し、これが代表作となる。

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