エヴォリューション(字幕版)

監督 : ルシール・アザリロヴィック 
出演 : マックス・ブラバン  ロクサーヌ・デュラン  ジュリー=マリー・パルマンティエ 
制作 : シルヴィー・ピアラ  ブノア・カノン 
3.67
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感想 : 3
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感想・レビュー・書評

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  • 映像がすごく綺麗だったけど、ストーリー難しい。
    エヴォリューションってそういう意味?結局なに?

  • EVOLUTION
    2015年 フランス+スペイン+ベルギー 81分
    監督:ルシール・アザリロヴィック
    出演:マックス・ブラバン/ロクサーヌ・デュラン/ジュリー=マリー・パルマンティエ
    http://www.uplink.co.jp/evolution/

    岩礁と荒波に囲まれた孤島、なぜかその島には女性と少年しか暮らしていない。基本的には若い母親と10歳前後の少年の母子が一緒に住んでおり、父親や女の子の姿は一切見えない。簡素な服に簡素な住居、もちろんテレビだのラジオだのはなく、家具は机とベッドだけ。「ママ」は毎晩息子に謎の薬を飲ませ、鼻血を出すと病院らしき場所へ連れてゆく。そこで少年たちには謎の施術がおこなわれ・・・

    とにかく映像と色彩がたまらなくキレイ!ザッバンザッバン波が打ち寄せる岩礁等の自然も美しいし、なにより少年が潜る海の中の映像が夢のように美しい。薄暗くさびれた病院のくすんだ赤やコバルトブルーの色彩でさえとてつもなく美しく、ただこの美しさの裏にあるグロテスクさこそがこの映画の醍醐味なのだけど。

    以下ネタバレだけれど、少年ニコラは連れていかれた病院で腹部に手術をされる。その手術により少年たちはどうやら「妊娠」させられており、やがて膨らんだお腹を医師と看護師たち(これも全員女性)は切開して赤ん坊を取り出す。失敗した胎児はホルマリン漬けに。ただ生まれた赤ん坊が果たして本当に「人間」なのか、少年たちが「受胎」させられたものがなんなのかは不明。生まれた赤ん坊がどこへ連れていかれるのかも。

    そしてある晩ニコラが好奇心で見てしまった、岩礁に集まる女性たちが、もつれあいのたうちまわる奇妙な光景。そしてシャワーを浴びる母の背中に並んだ、まるで吸盤のようないくつもの突起。彼女たちは人間ではないのか?

    絵を描くのが好きなニコラが小さなスケッチブックに描いている色んな動物、優しい看護師ステラの前で描いた観覧車の絵、そしてママ。ニコラは一緒に暮らしていた女性が本当のママではないことに気づいており、なおかつ、この島にないはずの観覧車や、見たこともないはずの動物の絵を描いていて、つまり彼は、自分が元いた場所を「覚えている」。この島で生まれたわけではなく、おそらく少年たちは他の人間が暮らす場所から攫われてきたのか、売られてきたのか。

    ニコラが記憶していることに気づいた看護師のステラは、ニコラにある程度の真実を伝え(といっても謎の写真と自分の背中の吸盤を見せてくれるだけだけど)、彼を船に乗せて逃がそうとする。このステラ役の女優さんが独特の美人でとても素敵でした。なんというかダヴィンチとかボッティチェリとかラファエロとかの絵に出てくるようなタイプの絵画的美人。

    ラスト、なぜかステラはニコラを残して海に戻ってしまい、孤独に漂流したニコラはやがて光り輝く大きな大陸(ビル群?工場群?)を見つける。結局、あの島でおこなわれていたことはなんだったのか、彼女たちは人間なのか別の生物なのか、その他もろもろは観客の想像に委ねられます。もやもやが残るタイプの映画だけど、とにかく圧倒的な映像の美しさと、少年を妊娠させるという着想の衝撃だけでも見る価値のある作品でした。

  • 「ネクター」
    女王蜂にあたる女性が裸で横たわり、お付きの少女らがさわさわ愛撫。
    官能で肌に浮いた黄濁の汗をスプーンですくい取り瓶に集めたものが、蜂蜜という寸法。
    外界も巨大アパートメントは蜂の巣を思わせる。
    やがて年を取り……。
    色彩としては緑の中の黄色。

    「エヴォリューション」
    色彩としては、緑青の中の紅色、が、黒に溶けていく。
    閉ざされた場所で一定の時間を過ごしてからは、輸出される。
    これは「エコール」と同じ構造。
    本作では「管理者」が人ならぬ存在らしいSFチックな要素が追加された。
    やっぱりこういうフェティッシュで不穏なものが好きなのだな。僕は。

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